Silverhead / Ace Spream (1972) | 極私的洋楽生活

 

 

 

 

Big In Japan-
「日本でしか売れていない洋楽ミュージシャン」
その類を指す俗語
 
 
特に70年代の日本の音楽市場は
音楽雑誌やレコード会社のプッシュが
セールスに大きく影響を持っていたようで
本国ではまったく人気のないバンドが
人気になることもあった
 
 
雑誌のヴィジュアル映えする「ルックス」が
かなり重要であり、特に女性に人気を得た
バンドがその地位を得る場合が多かった
 
有名なところで言うと
クイーン、ジャパン、チープ・トリックなどは
まさに「Big In Japan」的な
もてはやされ方をしていたように思う
 
 
それでも世界に通用する音楽性を
持っていたからこそ、その後本国含め成功を
おさめることができたのだろう
 
 
前出のバンドに比べると
語られることが極端に少ないが
シルヴァーヘッドもそうした「Big In Japan」の
ひとつだったように思う
 
 
ファッション含めルックス的にもイケており、
日本での人気を得たのは不思議ではない
ただ、音楽的には特筆するものや
独自性がなかったようにも思う
 
 
1972年という年は英国グラムロックの全盛期
シルヴァーヘッドもグラムロックとしての
カテゴライズをされているが
彼らの音楽はどちらかというと
ストレートなロックンロールだったし
パフォーマンス的にも優れていたわけでもなく
vo.のマイケル・デ・バレスのルックスと声頼み
そんなバンドだったような印象がある
 
 
たった2枚のアルバムを残し
1974年にグラムの衰退とともに解散
「Big In Japan」からの脱出はかなわぬまま
バンドは終焉を迎えた
自分が洋楽を聴き始める前の話である
 
 
自分がシルヴァーヘッドを初めて聴いたのは
1979年頃だったと思う
FMで渋谷陽一の番組・サウンドストリートを
聴いていた時の事、記憶が不確かだが、
「忘却の彼方のミュージシャン」的な特集で
番組の最後にこの曲「Ace Supream」が
流れたのを憶えている
 
 
解散からたかだか5年くらいで
忘却の彼方扱いだった事を思うと
少し寂しくなるが
 
 
マイケル・デ・バレスはその後、
元イエスのトニー・ケイ
元ステッペンウルフのマイケル・モナーク
らとディテクティヴを結成し
ZEPPさまのスワンソングからアルバムを発表
しかし人気を得ることができなかったようだ
 
 
自分は結構ソウルフルな彼の声は好きだ
歌唱力も高いと思う
音楽的に不遇であったことが残念でならない
今アルバムを通して聴いてみると
リズム隊の素人感があるが
その分彼の力量が際立っていて悪くない
 
 

 

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[Silverhead]
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