豚袋でございます。ようやく秋になったという感じですね。地球の温暖化は確実に進行しているのでしょう。季節の気温差がなくなってきているのです。豚はアパレルの仕事をしているのですが、単純に4シーズンで洋服はニーズに対応できなくなってきています。梅春・春・初夏・夏・盛夏・晩夏・初秋・秋・晩秋・冬という10シーズンがあって、各シーズンの気温差は5℃(気温差はそんなもので微差なんですね)。そうした中で所謂「夏」の季節は1年の4割を占めるわけですね。半袖のマーケットが1年のうち4割!単価がとれず儲からないわけです。。。
なかなか仕事上で上手いこといかないもので、ちょっとめずらしく本題と違うことをかいてしまいましたが、さて、今回の記事はファンカデリックをとりあげます。
ジョージクリントン率いるP-ファンク軍団。P-ファンクとは実質全く同じバンドである2つのバンドの略です。Pは「パーラメント」、ファンクはここで紹介する「ファンカデリック」です。何故バンド名を使い分けているかといえば、一番はレコード会社との契約の問題です。複数のレコード会社と契約するために使い分けせざるを得なかったらしいです。もうひとつはテイストの使い分け。ホーンやシンセによるアレンジ重視のパーラメントと、ファズギターを中心とした感覚重視のロックグルーヴのファンカデリックという形でクリントンは使い分け異なる世界観を表現したかったようです。
そう、ファンカデリックはかなりロック寄りです。このアルバム「マゴット・ブレイン」はまさにまごうことなき素晴らしいロックアルバムです。このアルバムが出た時代はロックは白人のものでした。ブルーズオリジンであるのにもかかわらず白人のものでした。ジミヘンが、スライが切り開いた「ブラック・グルーブ」的なものは、このアルバムによって(もっと言えばギタリストのエディ・ヘイゼルによって)昇華され、後のプリンスに至るまでの基礎になったといっても過言ではないでしょう。
まずのっけから痺れます。タイトル曲のMaggot Brainは、アルペジオの単純な旋律の上にエディ・ヘイゼルのエモーショナルでジミヘン張りの(へたしたらそれ以上か)凄絶なギターサウンドが乗っかる名曲。
以下、ねっとりブラックなナンバーがちりばめられるもラストのWars Of Armageddonは圧巻の一言!パーカッションのリズムにヘイゼルのギター、ウォーレルのキーボードが纏わり付くようにからみ、アナウンスのようなMCと、飛行機やハト時計や牛やらおならやら悲鳴やらの効果音が旋律に乗っかり、最後には爆発し心臓の鼓動で終わるという、阿鼻叫喚の世界。フリーキーなようで計算された音楽世界がここにあります。
タイトルのmaggot brainは直訳すると「ウジ脳」。米国ではきまぐれで何するかわからない行動に出る人間の脳にはウジが湧いているという言い伝えというか俗説があるそうです。転じて意味は「きまぐれな脳」のニュアンスのようですが、まさにフリーキーで予測のつかない、けれどなぜか独特の芯をもったグルーヴをよく表現したタイトルだと思います。またジャケットのインパクトといったら類をみないほどですよね(笑)
その後エディ・ヘイゼルは素晴らしい才能とはうらはらにトラブルも多く、薬物におぼれ、キャビンアテンダントに暴行を働き逮捕投獄。バンドに戻った頃にはリードギターの座は奪われ、音楽からも次第に遠ざかり1992年に肝不全で42歳の生涯を終えたようです。合掌。
Maggot Brain
Wars Of Armageddon