ギタリストへの道その6〜アンプシミュレーターを極める〜 | PIMrecords代表のブログ

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さて、その5からその6の間が6年あいているのであまりに状況が変わってきていますが…。
出会ったそのときが新曲!
読んで頂いてる方には時間軸は関係のない話なので気にせず進めます。

ここ数年増えてきた質問が「アンシミュ何使ってる?」です。
アンシミュとはアンプシミュレーターのこと。
つまりアンプで出したような音を擬似的に再現するソフトウェア、ハードウェアですね。
ぶっちゃけ数年前までアンシミュマニアでした、僕。
家でアンプを鳴らすためにスピーカーボックスを自作したり、色々実験してたんですが、やっぱりシールド刺すだけで録音できてしまう手軽さは一度やってしまうと抜け出せません。楽です。楽すぎます。
そしてこの10年でアンシミュは信じられないほど進化しています。
下手にオールドな真空管のアンプを買って手入れしながら使うくらいなら、KEMPERとか買ったほうがいいです。
あとエフェクターも買う必要がなくなってしまって、全部押入れ行きです。
どこのケーブルがいかれたんだ?とかそんな手間も一切ない。

では何を買えばいいかというと、何でもいいですw
そう言えてしまうぐらい全体的にアンシミュのレベルは上がっています。

1万円のプラグインと20万円のハードウェアで、価格差は20倍でも音質の差は2倍くらいです。当社比ですが。なのでお財布との相談。

ただソフトウェアのプラグインはレコーディングには便利ですが、ライブは無理です。
ライブで足元にパソコン置いてdawを立ち上げるなんて無謀な真似はさすがにできません。
僕はシーケンス回すためにやってますが。止まったら死にます。

そしてレイテンシーもあるしギターのアンシミュだけはハードウェア一択です。
いま僕はeleven rackとzoom G3を愛用中です。
eleven rackはレコーディングにも使ってます。
大好きなマッチレスのモデリングが入ってて、音の太さレスポンスの速さともにとてもよく出来ています。それでいてprotoolsが付いていて、インターフェイスとして優秀。
もうこの一台とパソコンで完パケできて10万を切るって申し分ありません。
世の中のギタリストは全員買ったほうがいいです。CPが良すぎます。

そしてzoom G3はAmazonで衝動買いしてしまいました。
ギターのケースのポケットに入れてリハとライブに行きたかったので。
車で行くと飲めないから、酒>>越えられない壁>>音、なのですw
でも使ってみてビックリ。
zoomなんてって思ってたのはもう昔の話。
プロの方々が使うのも納得のクオリティーです。
あ、あとLine6も使ってました。これも素晴らしいです。
でもアンプ部よりエフェクター部の方が好きです。

そしてこれら全てライブの時はアンプのリターンに突っ込んでパワーアンプを間借りします。
マーシャルは900か2000がだいたいありますからね。
プリ部分はモデリング。パワー部分はホンモノ。
そうすると曲中にアンプを切り替えるという、とてつもない贅沢ができます。
昔、バンドでデビューした頃、調子に乗ってオールドマーシャルとマッチレスを2台並べてスイッチングして使っていました。電源も持ち込んで120vで。
でもそんな大変なことローディーさんがいないとできません。
セッティングだけでヘトヘトです。
でもそれっぽいことがギターのポケットに入れたエフェクターで出来てしまうこの時代。なんとまあ幸せなんでしょう。

さてさてここから本題です。
すごく進化したとはいえやはりシミュレーター。
ホンモノに比べるとどうしても何かが足りないんです。
それをこの10年あまり研究してきた結果を発表します。
どどん!

「真空管つかえ」

なんとまあ想像の付きすぎる答えw

よくレコーディングでみんな言うのですが、壊れかけの煙が出てくる直前のアンプはもの凄くいい音がする!と。
早くいまのうちに録ってしまえ!と。ノイズえらい事になってるけど!と。
モデリングは素晴らしい技術ですがやっぱり同じフレーズは同じ音がする。演算ですからね。
でもアナログ回路は毎回違うニュアンスをはじき出す。音が予想を超えてくる。
これを音が暴れると言ったり、はたまた神の手と言ったり。
ノイズやハウリングですら音楽的に聞こえるんです。
これを手軽にそれっぽく再現するには真空管を使えばいいんです。

そして楽器屋をめぐって真空管入りエフェクターをこれでもかと試奏いたしました。
でも、エフェクトはシミュレーターでもいいのです。目的は暴れさせたいだけ。
バッファーアンプとかでもいいのです。
するとこれが結構高い。

そこで発見いたしました。最高のアイテムを。
それがこれです。

ART ( エーアールティー ) / TUBE MP

マイクプリ。5000円。
こいつをシミュレーターの前か後ろにはさむだけでシミュレーターのレベルが3つくらい上がります。
そして真空管をいろいろ交換してみるとそれだけでころころ表情が変わります。
一番わかるのはブラッシングの音。噛み付くような倍音がでます。
腕の筋肉が2倍ぐらいマッチョになった気がします。
でもマイクプリで歪ませすぎるとバリバリしすぎてだめです。あくまでメインの歪みはシミュレーターの方で。マイクプリとギターアンプの歪み方は違うからね。

そしてなんといってもこの価格。
ギタリストのライブ時の足下なんて最悪の環境です。
踏んだり蹴ったり、水やらビールやら飛んでくるし。
でもこの価格なら3つくらい買っても高めなエフェクターより安い。
V3というEQ付いてるほうも使ってますが、それでも7000円。

かなりインチキです。ぶっちゃけ。
でもこれでアンプのリターンに挿せば、プリも真空管、パワーも真空管。
普通にフルチューブアンプやん!w

ほんとうは教えたくなかった。。。
僕の中ではクレイジーソルト並みに衝撃の出会いだった。

ほんとこれこそ世の中のギタリスト全員買った方がいいと思います。
これを買ってから、僕のアンシミュ探しの旅は終わってしまいました。
といいつつ次アレンジ代が入ったらKEMPER買ってしまいそうな…。

ではまた次回。