メロキュンプレゼンツ!!
《ハッピー♡プレゼント!!》
メロキュンなお話が沢山公開され、お祭りも盛り上がっていて
毎日ご紹介して読みに走るのに忙しく
嬉しい悲鳴を上げているピコさん
いい加減、私も書き始めないといけないと、カキカキし始めましたが
甘いものばかり食してましたので、お煎餅が食べたくなり
甘じょっぱいお話になっちゃいました!
メロキュンの「メ」の字もない気もしますが
いつものことなので気にしない
(メロキュンのお世話をさせて頂いている人間がそれでいいのか!?というツッコミが聞こえてきそうですが、お世話するのと、書くのは違うんですお許しを!)
前・後編の予定なので、
暫くの間、お付き合いくださいませm(_ _ )m
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「待って、行かないで!」
抱きついた背中は、とても広くて温かい・・・・・
母のように、冷たい目で見られる事もなかった。
アンラッキーガールに幸運のキスを♡ 1
まだ早い時間帯のせいか、すれ違う人は少ない。
それでも出会う人には、一人一人丁寧にお辞儀をして挨拶する。
皆、私が持っている物を見てニヤリとするけど、誰も、何も言わない。
だって、それは私だけではないから。
今日は2月10日、敦賀さんのお誕生日。
ここ数日の女性陣は皆浮き足だっていた。
私だって、他人の事は言えない。
去年は、敦賀さんの誕生日を間違えるという大失態を犯してしまったから、今年こそはちゃんと渡したいと、密かに気合を入れ、何がいいかとずっと悩んでいた。
幸いにも、現在、「ダークムーン」のスペシャルドラマを撮影中のため、2月10日は私も敦賀さんも撮影が入っていたから、あとは、プレゼントを用意するだけだった。
これが一番の難題だと思っていたんだけど・・・・・・
へへっ・・・・・・
キョーコは手に持っていた紙袋を自分の顔のところまで持ち上げると、へにゃあと幸せそうに笑った。
白抜き文字で「アールマンディ」と書いてある黒い紙袋。
まだまだ駆け出しのキョーコには、普段では手が届きにくい高級品。
まだ自分が贈るには不似合いな気もしたが、今年は勇気を出して背伸びしてみた。
去年敦賀さんの楽屋にあったプレゼントの山に気後れして、人前で開けないで欲しいと言ってしまった自分を思い出すと、ちょっぴり悔しくて、他のプレゼントと比べても、見劣りしない物を贈りたかったから。
「予定していたより、安く買えて、助かっちゃった。
社さん、様様だわぁ~。」
この撮影が始まって以来、敦賀さんの演技を見学しながら、ずっとプレゼントのことで頭を悩ませていたキョーコに、社は手を差し延べてくれた救いの神だった。
もしもあの時、声をかけてもらわなかったら、今も悩んでいたかもしれない…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ああ~もう本当にどうしよう…あんまり時間もないし…困ったな…」
それは一週間前
スタジオの隅で思わずもらした、キョーコの泣き言から始まる----
普段からあまり、物欲のない敦賀さんに、何を贈れば喜んでもらえるんだろう。
身に付けるものは、好みもあるし、モデルでもある彼にセンスのない物は贈れないし、下手にプレゼントしても、気をつかって身につけて下さったら、敦賀さんのセンスが疑われる。
できれば「アールマンディ」の物を贈りたいけど、私が買える範囲は限られているしな・・・
「キョーコちゃん、そんな難しい顔をして何か悩み事?」
困り果てていた私に声をかけてくれたのは、忙しい敦賀さんのスケジュールを見事な手腕で振り分け、ただの後輩である私にすら、いつも気遣ってくださる優しい敏腕マネージャー、社さんだった。
心配そうに見つめる社さんが、救いの神に見えて
縋るように自分が悩んでいる理由を話した。
「ふ~んそうかぁ…確かにあいつが欲しがっている物って、あまり思い浮かばないよなぁ… 」
「でしょう!難しいんですよ!」
「そういゃあ…昨日… 」
「何か言ってましたか?」
「あっいや…さすがにあれは無理だろう… 」
「駄目かどうかは聞いてみないとわかりません。教えてください。」
「うん…でもなぁ・・・」
「お願いですから、教えてください。」
「あのね、昨日帰りがけに、この車も来年車検だから、そろそろ新しい車が欲しいなぁって言っていたんだよ。」
「車ですか…さすがにそれは無理ですね・・・・」
「だろ…それに、あいつは自分で買うつもりだから、誰かにプレゼントして欲しくて言ったわけじゃないと思うんだけど。」
「そうでしょうね・・・・」
項垂れるキョーコに、社は何だか申し訳ない気がして、他に何か言ってなかったかと、必死で記憶を掘り起こしていた。
「あっそうだ!そういえばこの前、ここのロケで、自分のマフラーを飛ばして失くしちゃった事があったんだ。」
「えっ、そうなんですか。」
「あいつ、平気な顔してたけど、愛用品だったから、内心は残念だったんじゃないかな・・・と、思ったりもしたんだけどね。」
意味ありげに笑う社に、キョーコも大きく頷いた。
「それって、やっぱり高価な物なんですか!?一般庶民でも購入できる物でしょうか?」
「う~ん、カシミヤだとは言ってたから、そこそこはするだろうけど、買えないほど高くはないと思うよ。それに自分でショップに行った時に買ったと言ってたから、誰でも買えるんじゃないかな…」
「本当ですか!」
思わず声が大きくなって、近くにいた飯塚さんに睨まれたけど、浮かれる気持ちは隠せなかった。
マフラーなら、私でも買える金額の範囲かもしれない。
帰ったら、早速、調べてみよう…
「・・・・キョーコちゃん・・・もしよかったら、こっちで手に入れてあげようか?コネもあるから、普通に買うより多少は安く買えると思うんだけど?」
「えっ、本当ですか!?お、お願いします!」
がばっと大きく頭を下げた私に、社さんは嬉しそうな笑顔で頷いていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(ちゃんと内緒にして下さいとお願いしたから、敦賀さんにはまだ
バレてないわよね・・・)
どうせなら、サプライズにして、敦賀さんが驚く顔も見てみたい----
キョーコの脳裏に、プレゼントを渡した時の、蓮の様子が思い浮かぶ。
「どうして、俺がこれを欲しがっていた事を知ってたの?この前失くしちゃったんだけど、実はずっと諦めきれずにいたんだ。嬉しいよ・・・・
最上さん、ありがとう。」
そう言うと、神々しい笑顔で近寄ってきて
ギュウ~~~っとなんて・・・・
きゃあぁぁ~~
私ったら、なんて破廉恥な想像を!
いやいやっ それは無いから・・・・!!
でも------------
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
/////////////////////////
ない、ない、
キョーコ、落ち着くのよ。
煩悩は取り払い、純粋な気持ちで、先輩である敦賀様の生誕をお祝いするのよ。
さぁっ、私も未緒の準備があるし、急がないと・・・・・!
足取りも軽く、笑顔で敦賀さんの楽屋へと急いだ。
「・・・・・じゃあ、敦賀さん、また後でよろしくお願いします。」
「百瀬さん、ありがとう。また後でね。」
少し離れた場所で足を止め、部屋から出てきた二人を見つめる。
自分以外の女性(ひと)に微笑みかけているあの人に
ツキンと心が痛む。
「あらっ、キョーコちゃん、おはよう。」
すぐに気持ちを切り替え、笑顔で頭を下げた。
「おはようございます、百瀬さん。」
「キョーコちゃんも、敦賀さんに誕生日プレゼントを持ってきたの?
あと少しで、撮影が始まるから、早く渡しに行った方がいいわよ。」
「はいっ、ありがとうございます!」
元気よく返事をして頷くと、ドアを開いたままで待ってくれている敦賀さんの元へと急いで駆け寄った。
「敦賀さんっ、おはようございます!!」
紙袋を両手で前に持って、深々と頭をさげる。
「おはよう、最上さん。」
穏やかな笑顔で答える敦賀さんの視線は、私が持っている紙袋に向いている。
まさか・・・社さんが言っちゃった?
いや、それはないはず。
社さんは、約束を違える人じゃない。
あっ、そうか。
私が昨日帰りに、明日はちゃんとお誕生日のプレゼントをお持ちしますので、受け取ってくださいとお願いしたからよね・・・?きっと・・・・
去年が最悪だったから、つい嬉しくて、自分で言っちゃったのよね・・・・
「最上さん・・・どうかした?とりあえず、中に入って。」
「はっ、はいっ!」
ぼんやりしていたキョーコをエスコートして、蓮は自分の楽屋の中へと誘った。
昨夜のキョーコの発言から、落ち着けずにいたのは蓮も同じだった。
好きな子が自分の為に、誕生日プレゼントを用意してくれて、受け取ってくださいなんてお願いされたら、浮かれない男なんていない。
「あれっ・・・今日は社さんはいらっしゃらないんですか?」
「ああ・・・今、飲み物を買いに行ってるんだ。」
「そうなんですか・・・」
買いに行かせたのは自分だったが、
ちょっとこのタイミングにホッとした。
今朝はずっと、部屋をノックされる度に心をトキメかせては振り向いて、
無駄に笑顔を振りまいていたものだから
社に弄られまくり、段々嫌になってきて
追い出してしまったのだから・・・・
「あのぉ・・・・・」
頬を桜色に染め、上目遣いでこちらを見ている彼女に
トクンと蓮の鼓動は高鳴った。
恥じらう姿も愛らしく、知らずと顔が緩んでくる。
おずおずと、持っていた紙袋を真っ直ぐ前に差し出して見上げる彼女と目が合えば、言いようのない気持ちの高ぶりに唇は乾き、時間が止まったように無表情で固まってしまう。
「敦賀さん、お誕生日おめで・・・・・・・・」
張り切って渡そうと添えたキョーコの言葉は、目の端に映ったものによって、勢いをなくす。
蓮が立っていた斜め後ろのテーブルに
自分が用意したものと同じアールマンディの箱を見つけたからだ。
もう少し、注意してそちらの方よく見ると、今さっき開けて置いたのか、ダークブラウンのマフラーが無造作に広げられていた。
おんなじだ・・・色もデザインも全く同じ。
被って、しまった・・・・
私って、なんて馬鹿なの!
社さんからあの話を聞いた時、浮かれてしまって、肝心なことに気がつけなかった。
現場で失くしたということは、他の出演者も知っているという事よね。
お誕生日を近くに控えた人が愛用しているものを失ったら、
それを知っている人は、誰だって同じ物をプレゼントしたいと思う筈。
冷静に考えれば、すぐに思いあたる事じゃない!
なんて私はお間抜けなんだろう・・・・
それに、このタイミングで被っている事に気づくなんて・・・・
最悪だ--------
やっぱり私は、運が悪い。
伸ばした手をそのままに、固まっているキョーコに、先に落ち着きを取り戻した蓮は、心配そうに顔を近づける。
凍りついたように固まる彼女は、さっきの楽しそうな雰囲気は微塵もなく、この世の終りのような顔で、どんよりと暗いオーラを背負っていた。
「最上さん、どうかした?あっ、これって・・・もしかして、昨日言っていた俺への誕生日プレゼントかな?」
今の重苦しい空気を変えようと、話題を変えれば、彼女の表情がみるみる引きつってくる。
握り締めていた紙袋を受け取ろうと、手を伸ばせば、焦って背中に隠してしまった。
「ダメです・・・・」
「えっ?どうして?」
「どうしてでもです。」
「でも・・・これって、俺のために用意してくれた物なんだろう?」
「そ、そうなんですけど、渡せません。」
「意味がわからないんだけど?多分俺が喜ぶ物だって言ってたから、実は結構楽しみにして いたんだよ。」
「すみません!前言撤回です。また後日、違うものを用意させて頂きますので、昨日の事はなかったことにして下さい。」
「本当に一体どうしたの?」
「俺は、最上さんから貰える物なら、どんな物でも嬉しいんだよ。」
「有難いお言葉ですが、やっぱりこれはお渡しできません。」
「嫌だ、これがいい。今、ここで君から誕生日プレゼントをもらいたいんだ!」
「どうして分かってくれないんですか!子供みたいな我儘を言わないでください。敦賀さんらしくありません。」
「らしくないって、どういうこと?俺は俺だよ。」
キョーコの言葉にカチンとなった蓮は一歩前に歩み寄り、一瞬怯んだ隙に、後ろ手に隠した袋を引っ張った。
「あっ!離してください!」
「ダメだよ!これは俺の物だ。」
「まだあげてないですっ!」
どちらも意固地になって掴んだ袋を離さず、押し問答は続く。
上質な紙でラミネート加工された丈夫そうな袋が、大きく口を広げて互いに強く引っ張られる力に悲鳴をあげて、今にも破れそうになっていた。
「破れちゃいますから、手を離してください!」
「手を離すのは、君の方だろ!」
敦賀蓮を知っている者が、今の彼の姿を見ると
きっと皆、口を開けて驚くだろう。
いつも穏やかで、落ち着いた雰囲気である大人の蓮が
まるで駄々をこねる少年のように、言い争っている。
キョーコにしか見せない、蓮の素顔
しかしキョーコは
そんな彼に、気づく余裕はなかった。
極限に引っ張られた袋は、メリメリと嫌な音を出し、堪らずビリっと裂けると、中に入っていた包みが床にポタリと転げ落ちた。
同時に落ちたプレゼントに視線を移せば、
先ほど貰ったものと同じ形状のものでラッピングまで一緒。
どちらからともなく、気まずい空気が流れ始めた。
「ごめん!」
焦って謝る蓮に、キョーコは素直に頷けなかった。
茫然自失のキョーコはまた・・・・・
去年のペインデーの忌まわしい出来事が頭をよぎり
心は沈んでゆくばかりだった。
不幸なキョーコちゃん・・・
被ったことに気づくタイミングも最悪なら、
バレたタイミングも最悪。
どうしようもないです・・・・
果たして二人は無事、仲直りできるのでしょうか?
後編に続きますが、多分すぐには公開できないとと思いますので
のんびりお待ち頂けると助かります。
相変わらずの残念テイストでお恥ずかしい(/ω\)
こんな内容でしたので、蓮誕に合わせてのUPは見送ったんですよ・・・
もうすでに、逃走準備は万端!
失礼しましたァ!!ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
お気に召される方がいらっしゃるか疑問ですが
一応つけてみる
メロキュン予告トリオコント
メロキュン参加表明・お祭り会場
当ブログにアメンバー申請をお考えの際には
まずは【アメンバー申請時のお願い】 をお読み下さいますようお願いいたします。