たぶん私は、家事をこなす要領がものすごく悪いんだと思う。
茶碗を洗っている途中、目に入ったそこらへんに転がっているペットボトルのラベルをすべて引っぱがしたくなり、茶碗は中断。洗濯物を干している最中に、洗い終わって乾ききった食器たちを収納したくなって、洗濯放置。そういや、まだお米も水につけていなかったわね~、玄米だから長時間つけておかなくちゃねぇ…、とキッチンまわりをうろうろしたりしてしまう。
なんで?
なぜ、一つのことをやり遂げず、他のことに目移りしてしまうんだろう。
だから、休日だって、一日中のらりくらりと家事やったり、趣味に時間を費やしたり、あっちゃやったり、こっちゃやったり、という状態になる。私、浮気性なのかしら。
それにしても、乾ききった洗濯物をたたんでしまうのにも、思いのほか時間がかかる。
いつぞや新聞で読んだ記事には、共働きの夫婦が家を建てるとき、洗濯物を干す小部屋を作るのが人気だと書いてあった。小部屋には干したら干しっぱなしで、それらを収納することはなく、乾いた服を小部屋からサッととって次から次へと着用するとか。確かに、ひと手間省けて効率的。
が、うちにはそんな素敵な小部屋がないから、ふつうにタンスやクローゼットに仕舞わざるを得ない。
ついさっきまでベッドに腰掛け、たたんでは仕舞い、靴下は靴下の引き出しへ…、とせっせと動き回っていたら、ふと久しぶりの記憶が頭をよぎる。
23歳の時、東京に出てきて半年ばかり、友達の家に居候させてもらった。学生気分抜け切らぬ女子二人の共同生活は、期間限定の楽しい思い出。あの時、お互いの彼が遊びに来ていたのに、なぜか二人で洗濯物をたたんだっけ。二人で二人分の洗濯物をたためばあっという間で、おしゃべりもとまらない。洋服もパジャマもタオルも、たたむのくらい何の苦でもなかったのに、なぜ、今、こんなに手間ひまかかると感じるのか。
あぁ、女の子二人が洗濯物たたむって、いい絵だな~。
過去の思い出にひたり、昔の自分たちを自画自賛。
…と、どうしてもそんなことをブログに書きたくなったりして、また家事を途中で放り投げてしまった。さらに、先ほどまわした洗濯機がピーピーと音をたて、「早く干さなきゃ、シワになるぜ」と天の声も聞こえてきた。
でも、絶対にこの場所を離れるもんか。このブログをアップするまでは。
家事に集中力はいらない。
けれど、文章は集中力が命なんだ。
(へんな時間に昼寝している夫よ。そろそろ起きないと、あなたの奥さん、またおかしな方向に進んじゃいますけれど…)