「破戒」 島崎藤村 | ちっぴのブログ☆CHIPILOG

ちっぴのブログ☆CHIPILOG

美しい大人を目指す私の日々

先日、札幌に帰った時、親戚一同で中華を食べに行きました。


話の中でチラッと登場した島崎藤村の「破戒」。父も叔父も、当たり前に読んでいる様子です。父が読書家なのは知っていたけど、叔父のほうも文学に精通(とまではいかないのかな?)していたとはね。叔父は相当なマニア気質で、コレクター。なんでも全集集めるのが好きな人だから、文学にハマッた時期もあるのかもしれないね。


やば。


私も「あぁ、あれね」なんていう顔しましたが、知っているのは本のタイトルと題材くらい。試験勉強で無理矢理詰め込みましたので。こんなところで張り合ってもしょうがないのは承知で言いますと、叔父が読んでいて、私が読んでいないなんて!!!悔しい!!!


そこで、東京に戻ってすぐさま古本屋でふっるい文庫本を調達しました。学校の図書館にあるような、ページが薄茶色に変色した本が150円って、高いのか、安いのか。よく分からない金額です。


深いテーマを扱う文学作品に対して言うのも気が引けるんですけれど、予想以上にスーパーハッピーエンディング。島崎先生、いいね、いいね。私、最後に希望がある話、大好きです。なかば熱くなり、なかば緊迫感に圧倒され、はたまた通勤電車でこぼれ落ちそうになる涙、ティッシュでそっと拭った瞬間もありました。


あぁ、なんで私、もっと若い頃にこういう上質な文学、読まなかったのかしら。今から読めばいいんだけど…


しかし、一番驚いたのは、長年の自分自身の間違った認識です。


ふむふむ、なるほど。従来の古い考え方を「破壊」する、という話か。


そうか、がちがちにはりめぐらせた自分自身を覆う殻を「破壊」して、主人公が生まれ変わる話なのか。


最初から最後まで、やたらとタイトルと内容をリンクさせて読みましたが、読後、ブックカバーをはずしたとき、ハッとしました。


「破戒」


バカバカ、私、やっぱりバカ。


「破壊」じゃなくて、「破戒」なんだね。15歳のときからずーっと誤解し続けてきたようです。よかった、これで少し利口になれた。


破戒とは、文字のごとく「戒を破ること」(広辞苑より)だそうです。確かに、そういうお話でした。



ちっぴのブログ☆CHIPILOG