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🍶 ⑤「liquor shop 橋本屋」「中華ソバ 平和」を見る 

 

 

 

 

 

せっかく立ち寄ったのに、例によって定休日を引く男の本領を発揮したところで、本のセレクトショップとでもいった感じの「書店 title」のすぐ横で青梅街道を横切る八丁通りを曲がる

 

このあたりは「八丁通り商店会」という商店街になっているが、その名称の由来になった通りだ

 

 

 

 

 

 

 

 

通りを曲がるとすぐに目も眩むような素晴らしい戦前型看板建築がある

 

今回の取材をしたのは、八丁通りに並ぶ2棟の戦前物件を撮影するのが最大の目的である(最後にラスボスが控えているが)

 

 

青梅街道では撤去されていた街灯の「八丁通り商店会」が、こちらには残っていたのが嬉しいけれど、すでに商店街といった雰囲気はすっかり希薄になっていた

 

そんな面白味の欠片もない建物が並ぶだけの八丁通りの町並みのなかで、2棟の建物は凄まじいオーラを放っており、圧倒的な存在感を感じさせた

 

 

外板のブリキは錆びて雨垂れのような模様を生みだし、元々は薄いピンクがかったベージュだったのか、もはや判別がつかないぐらい変色しているのが目を惹く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それなのに何故か「中華ソバ 平和」という文字が記された袖看板は撤去されずに残っており、屋内には明かりが灯っているから一瞬、現役なのかと錯覚するが……

 

店舗の入り口の半分にエアコンの室外機が設置されているため出入りは困難で、窓のなかにはガラクタのようなものが積まれていることから、廃業しているのは間違いないだろう

 

 

ズタボロの軒先クレハロンテントは、こんなにボロいのにどういうわけかさほど退色しておらず、その鮮やかな色合いがよいアクセントになっていた

 

もっとも古い2009年のストリートビューの段階で、すでにこんな姿になっているから、15年も前からこの姿を保っているということになる

 

 

そして、この激シブの看板建築の隣にあるのが、今回のシリーズにおけるボスキャラその1と呼ぶに相応しいファンタジスタな物件である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん、素晴らしい。目に入った瞬間に言葉を失う堂々たる佇まい

 

この建物に比べたら周囲にあるマンションなどは塵芥でしかなく、この建物だけが孤高の存在感を放っている

 

 

建物の青梅街道側の3ぶんの2は木造二階建て平入切妻の典型的な武州スタイルの出桁造りだが、角の部分には2階がブリキ波板、そして1階部分は、僕の大好物である擬タイルのブリキ板の看板建築……

 

この物件は学生時代からもう何度も見ているのに、あまりの素晴らしさにあらためて感動を覚えた

 

 

 

 

 

 

 

 

視点を少しズラして八丁通りが入るように撮影すると向かい側には、この通りでは数少ない現役で頑張っている「蛇の目寿司」という寿司屋の明かりが目に入る

 

しかし、この物件と路地を挟んだ向かい側(僕の立ち位置の後方)は、明らかに建物が取り壊された跡地の虚しい駐車場にされており、現役で営業しているのは「蛇の目寿司」だけのようだ

 

 

おそらく旧中島飛行機が稼働していた頃は、この八丁通りも商店街として賑わっていたのだろうが、現在はほとんど住宅街に飲み込まれてしまい商店街としての体裁は消滅寸前になっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物の正面から横側に回りこんでみると3種類の錆びついた波板が織り成す、まるで要塞のような佇まいにしばし見とれる

 

酒屋は他の業種よりも在庫がかさ張るため、たいてい店の奥にストックヤードを備えているが、おそらく黄土色の扉がその入り口なのだろう

 

 

この物件に初めて気がついたのはまだ二十世紀末のことで、その頃は元気に営業していた光景を覚えている

 

残念なことに、当時はまだ建物の撮影などしておらず画像が残っていないため、一縷の望みを託して過去のストリートビューを確認すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとも古い2009年のもの、それも青梅街道側から見た構図にだけ営業中の姿が残っていた

 

その後2014年までは自販機が置かれていたので、僕がこのブログをはじめた頃までは現役(もしくは自販機営業)で営業していたわけだ

 

 

以前はこの少し西荻窪寄りに、個人的に八丁通り商店会のランドマークと認定していた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな見事な銅板葺き看板建築があったが、何年か前に解体されてしまい、今はどうでもいい屁みたいなマンションが建っている

 

僕がまだ学生の頃は、他にも銅板葺き看板建築が残っていたが、もはやどこにあったのかすら思い出すことが出来ず、記録に残すことの重要性にあらためて気付かされた

 

 

これで八丁通りの物件は見終えたので、次の目的地である「日大二高通り」のほうに移動することにした

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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