🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊

 

 

 

 

 

 

🌊 ①海辺の高台に続く昭和な町並みをゆく  

 

 

 

 

これは緊急事態宣言が解除されてすぐに行った散策である

 

当時は、アベが県境をまたぐ移動は控えるように、という意味不明の要請を出していたときで、渋谷ならわずか10キロちょいの近場、電車で十数分で行けるのに「県境を越えるな!」

 

ということなので、同じ県内にある国府津まで1時間以上かけて出掛けてみた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渋谷なら武蔵小杉で東横線に乗れば、本を読む暇もなく到着するのだが、なにしろ県境を越えるなということなので、南武線で川崎まで出て(この時点で渋谷ならもう到着している)東海道本線に乗り換えて、1時間ほど退屈な時間を過ごし、ようやく国府津に到着した

 

藤沢までは、わりと混雑していた車内も平塚を過ぎたあたりからガラガラに近い状態になり、国府津で降車したのは、僕を含めて数人であった

 

 

国府津は小田原のふたつ手前の駅。とくに名所などもなく、いたって地味な町である

 

なぜそのような地味な町にやって来たかというと、じつはこの町には神奈川県には珍しく看板建築の町並みが残っているからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅を降りると、すぐに最初の交差点がある。目の前を通っている道路が旧東海道である

 

すると駅前からいきなり戦前型のモルタル外壁の看板建築があった。かつてどんな店が入居していたのかは不明だが、現在はどこにでもある神戸屋のパン屋になっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

2階の角のところには、ステンドグラスでも嵌まっていたような、ギリシャ風に装飾された細長い窓のようなものがあったが、現在はコンクリートで塞がれてしまっていた

 

1階の角の部分には、まるでカフェー建築のような豆タイルで飾られた柱を模した装飾があり、昭和モダンを強く感じさせるたたずまいである

 

 

このように、なにもなさそうな町並みに昭和初期頃の繁栄の痕跡が見られるのは、この場所が東海道の宿場町であったこと、そして、かつては御殿場線との乗り換え駅として賑わったことが要因であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

国府津の駅は、上の写真からわかるように、海岸線から小高い丘を登ったような立地にあった。海岸線には西湘バイパスが通っている

 

おそらくこのような立地は津波などの被害から、町を守るためだと考えられる

 

 

 

 

 

 

 

 

駅のすぐ近くには、海岸線を見下ろす最高のロケーションの場所に「国府津館」という旅館があった痕跡が残っていた

 

しかし、門の奥には更地が広がり水平線が目に入るだけで、建物は跡形もなくなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その更地の奥に、なにやら古そうな大谷石の建物が見えたので、近くまでゆこうとしたが、どう見ても私有地の奥にあるため入ることができず、なにがあるのか判然としなかった

 

この謎のお堂のようなものの向かい、東海道の反対側にも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパの建物を模したようなパラペットが立派な看板建築があった

 

こちらの物件は、神戸屋が入っていた建物とはちがって、シャッターは閉ざされ、まるでなにかの模様のように錆びついており、どうやら廃屋化しているようだった

 

 

 

 

 

 

 

 

この建物、一見、新しそうに見えるが、よく見ると街道に面していない側には下見板張りが見え、屋根は銅板葺きである

 

 

国府津の町並みは、海岸線から一段高い場所を、東海道に沿って細長く展開しているが、海岸線とは反対側には小高い丘が迫っており、町の奥行きがほとんどなかった

 

このようにプリミティブなかたち(周囲は開発されていても)で宿場町の形態をとどめているのは、首都圏近郊においては、青梅とこの町ぐらいであろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街道筋に並んでいる建物は、戦前型ではなくとも古いものが多く、この町の繁栄は、鉄道の衰退と運命をともにしたように思われる。更地が目立ち、ここが賑やかな町だったとは思えないような寂れっぷりだった

 

もちろん、今も営業している店は多々あるが、賑わっているとは言いがたいのが現状で、ひと通りもほとんどなく寂しい雰囲気が漂う

 

 

しかし、この寂れた雰囲気は嫌いじゃない。いや、かなり好きなので、小田原方面に向かい、散策を続けた

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊