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💠 ③路地裏に咲くハナニラと黒猫  

 

 

 

 

 

本庄のかつてのメインストリートである三交通りが、銀座通り商店街と交差している角に草住酒店がある

 

草住酒店の出桁造りの店舗には、まだ新しい看板は出ていたがGoogleマップを見ると店名の記載はなく、現役なのかは微妙なところだ

 

 

銀座通り抜けた先も三交通りは続くが、やはり廃業してしまった店舗が目立ち更地も相変わらずのあんばいであった

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくゆくと、通りの右側(駅前から見て)に、妙に気になる路地というか隙間があった

 

ところがその路地というか隙間は、やけにプライベートな雰囲気で、要するに私有地感が濃厚に漂っている。ものすごく気になるのだが、いつもの僕ならコンプライアンス的にスルーしていただろう

 

 

「あっ、この路地良さげだけど、ちょっと入るとまずい感じだよね……」と、*NON*さんに声をかけたが返事がない

 

あれっ、聞いてなかった? と、僕の後ろにいたはずの彼女に視線を向けると 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入ったらヤバそうなその隙間に、ずんずん入って行ってしまった

 

「あっ、ちょっと……」と、声をかけたが、目標物を見つけた彼女は、以前書いたが僕と同じように周囲が見えなくなる性格であるが、その反応は僕など足元にも及ばない勢いだ

 

ずんずん路地をすすむと、僕らを訝しげに見つめるオバサンがいたので、足元に生えていたハナニラに咄嗟にカメラを向けた

 

 

どうやら“ハナニラを撮影するために入ってきた”ような偽装に納得したのかしないのか、怪訝な表情を変えないオバサンを掻い潜り、さらに路地裏へとすすむ

 

 

 

 

 

 

 

 

オバサン関門をパスして路地裏の奥にすすむと、スリムな黒猫と出会った

 

 

 

 

 

 

 

 

黒猫は、僕らから逃げるためなのか、あるいは僕らを路地裏の最奥に誘うためなのか、チェシャ猫のごとく路地の奥へ

 

ところが黒猫の歩行がままならない。どうやら以前、大きな怪我をしたのか、身体を捻りながら、ピョコピョコと覚束ない足取りなのだ

 

 

これには思わずふたりで顔を見合わせ「ああ、事故かなにかにあったんだね」「かわいそうに……」と、なんとなくしんみりとしてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猫が誘いこんだ路地裏のさらに奥は、まるで自分が台東区や墨田区にいるかのように錯覚する、下町的な長屋が並んでいて驚く

 

舗装されていない路地裏には、ところどころ敷石が敷かれており、なんともよい雰囲気だ

 

 

しかし、この下町的な風景には、東京の下町とはまた違う落ち着きというか、しっとりとした雰囲気が漂っている。最初は、どこが違うのかわからなかったが、唐突に思い当たった

 

 

 

 

 

 

 

 

まず地面が舗装されていないこと、そして東京の下町名物の路地裏プランターではなく、植物が直接地面から生えているのだ

 

カラカラに乾いたアスファルトの舗装には、風情もへったくれもなく、せめて住民の並べた路地裏プランターが彩りを添えていて、そんな下町の風景も大好きだが、舗装ではなく地面が土だと、そのような小細工が必要ないことがわかる

 

 

想定外に出会った下町のような路地裏は、何度か曲がりながら続いていた

 

「もしや行き止まりなのでは……」という不安がよぎったが、次の角を曲がると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてことはない、タイトルバックの草住酒店の裏手の四角いモルタル建築の裏手につながっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

三交通り商店街に戻ったら、先ほどはスルーしていた蕎麦屋がなにげに戦前物件だったと気がつく

 

 

看板の左側が脱落しており「蕎麦処○菊」と、店名不明になっている

 

食品サンプルが並んでいたものと思われる場所は空っぽになり、荒廃した気配が漂うが、ステンレス製とおぼしき煙突だけが妙にピカピカに光っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ見た感じはちゃんとした商店街なのに、ほとんど誰も見かけることがなく、シャッター街とはまた違った気だるい雰囲気の商店街をすすむ

 

ふと路肩に目をやると白黒の猫が、やる気なさそうな表情で昼寝していた

 

 

商店街から、以前記事で紹介した怪しさ満点の元色街とは別に、もう1ヶ所あったそっち系の店が集まっていたと言われている場所に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--が、こちらはバラックじみた古い木造建築は、すでに跡形もなく解体されており、住宅街の広大な更地になっていた

 

7~8年ぐらい前に本庄を訪ねたブログ記事などを見ると、まだ怪しい建物が蝟集していたので、ここ最近取り壊してしまったのであろう

 

 

先ほどの元色街には、現役で残る「クラブ東京」という店があったけれど、こちらには「銀座酒場」という飲み屋が1軒だけ残っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

更地の奥を見ると解体されてしまった平屋のかたちが、原爆型トマソンとして、隣家の壁面に記されていた

 

このあたりは古い木造建築が密集していたので、防災的には正しい処置なのかもしれないが、それによって失われたものは永久に戻らない

 

 

これで本庄の路地裏は、だいたい見終えたから、いよいよメインステージの旧中山道に向かうことにした。それにしても、メインまでたどり着くまでに、20回もかかるブログは他にはあるまい

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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