自分専用の「音楽再生機器」を
初めて買ってもらったのは
小学校6年生のGWだった。
誕生日でもクリスマスでもないのに
急に電気屋さんで母から
「ラジカセ買ってあげようか」
と言われた。
なんでだったんだろう?
今でも謎だ。
自部屋でカセットテープとCDと
そしてラジオが聴けるなんて
当時の私には夢のような機械だった。
リビングに置いてあったパソコンで
BOØWYとかベンチャーズとかの
CDを作って聴いていたし
毎週金曜日の夜に
NHKFMでやっていた
ヒット曲ランキングのラジオ番組を
毎週カセットテープに録音して
それで最新曲を聴いていた。
同じ頃。
私は祖母の言いつけで
小4からソロバン塾へ通っていた。
「3級とったらなんでも
好きなものを買ってあげるよ」
という甘い言葉につられて
2年間大嫌いなソロバンを続け
小学5年の冬に達成した。
辞めようと思ったら
「2級とったらもう1個買ってあげる」
と悪魔の囁きを受けて
まんまと続けてしまったが
2級は落ちた。
小6の秋ごろだったか。
準2級には合格できた。
祖母に報告したが
「それじゃご褒美はあげられない」
とキッパリ言われてしまった。
落ち込んでいると、見兼ねた母が
「じゃぁ代わりにご褒美買ってあげる。
ただし、買うものはこっちで決める」
と言って、後日買ってくれたのが
SONYのCDウォークマンだった。
私が欲しいものをリクエストしていたら
絶対浮かばないものだった。
それまでも母のおさがりの
テープレコーダーを
持って出かけていたが
こっちの方が段違いにカッコイイ。
外でCDが聴けるってヤバイ。
何処へ行くにも持ち歩いた。
中学に入り、私は進研ゼミを始めた。
勉強は殆どしなかったが
進研ゼミだけはやってた。
毎月のテキストについている
"赤ペン先生"という小テストがある。
これを解いて郵送で送ると
"赤ペン先生"が採点し、回答や解説を
手書きで書いて送り返してくれる。
この"赤ペン先生"を1枚送ると
ポイントシールが何ポイントかもらえた。
たまにアンケートとかに答えると
ボーナスでもらえたりする。
ポイントシールは台帳へ貼り
貯まった枚数に応じて
景品と交換できた。
これの1番高価なものが
MP3プレイヤーだった。
必要枚数、なんと300枚。
毎月欠かさず頑張れば
なんとか中学卒業までには
もらえるだろう、くらいのレベル。
私はこのMP3プレイヤーのために
3年間コツコツとシールを貯めて
中学卒業頃に念願叶って手に入れた。
CDプレイヤーの何倍も小さい。
片手におさまるのに
CDの何十倍も曲が入る。すっげ。
高校生になって
友達が使ってるiPodに目移りしながらも
やっとの思いで手に入れた
MP3プレイヤーを大事に使った。
卒業するころには
電池蓋がバカになって
ゴムで巻いてとめなければならなかった。
(ふとした拍子でゴムが外れると
電池が抜けて音楽が止まる)
今は便利なもので携帯で聴けてしまう。
サブスクを利用すれば
9000万曲以上がいつでもどこでも聴ける。
それは素晴らしいことだし
私も大変お世話になっているが
CDを買うお金が無くてラジオから録音した
ガッビガビの音質のテープを聴いて過ごすのも
それはそれで幸せな時間だった。