チェコ共和国フラデツ・クラーロヴェーのペトロフ社工場より取り寄せたお洒落な猫脚&マホガニー艶出のP194Stormモデルのプレップアップに着手!

 

PETROF P194Storm Demichippendale Mahogany High Polish

洗練された印象を与えるスタイリッシュな猫脚モデル。チェコらしい流線フォルムが空間に上質な雰囲気をもたらします🐈

 

美しい赤色を放つマホガニーは代表的な銘木。センダン科マホガニー属の広葉樹。昔から高級家具によく用いられ、現在ではワシントン条約で取引が制限されています。

 

 

今回はお客様のご希望でチェコから空輸、弊社のプレップアップ(輸入後の精密調整)に信頼をお寄せくださり有難い限り...。
売れるのはブランドだから、多く展示していたから、ではなく、楽器のポテンシャル&整備技術を冷静に判断されるユーザーが増えている証です😊

 

楽しみにされているファミリーのご期待に応えるべく、数日間ショールームの環境に馴染ませた後プレップアップに取り掛かりました。工場出荷されたピアノはあくまで「素材」、手の入れ方(調整)によって「楽器」の魅力は大きく左右されます。

 

弦&チューニングピンをクリーニングした後に弦を真鍮棒で駒打ち。弦の振動が駒に伝わるよう密着させます。

 

アクション調整、まずはベッディングスクリューの設定。

 

バランスキーピンの前後位置を微調整。

 

定規をあて鍵盤の高さチェック&凹凸をチョークでメモ。後々のパンチング調整の参考にします。

 

内部のアクションを外し、まずは鍵盤調整から。

 

鍵盤後部のキャプスタンスクリュー磨き、アクションにスムーズに力が伝達するように...。

 

88本の鍵盤もすべて外して鍵盤筬のネジ締め&掃除。

 

キーピンを1本ずつ綺麗に掃除、滑らかな弾き心地を作ります。

 

メモに基づいてパンチング紙を抜き差し、鍵盤高さを調整します。

 

フロントキーピンの角度も細かく修正。

 

キーピンの入り口、鍵盤ホールをブラシで掃除。製造過程の木屑を取り除きます。

 

鍵盤調整、専用プライヤーで適度な遊びを作ります。

 

鍵盤とアクションを再びセット、凸凹のあった白鍵高さもご覧の通り綺麗に均しました✨

 

ハンマーと弦の合わせ確認、グランドピアノはシフトペダルがあるためより精密な作業が求められます。

 

のり紙で走りを修正、シャンクを加熱する等、ハンマー位置を正しくセッティングしていきます。

 

ハンマーの位置が定まったらローラーとウィペンの合わせ、ひとつずつネジで調整していきます。

 

のり紙を貼りながら微調整、アクションも鍵盤も初期設定がとても大切...。

 

ローラースキンにテフロン処理、上質なタッチ感を作ります。

 

ハンマーをキャッチするバックチェックの位置調整も。

 

小ジャック、キャプスタンスクリューも適切な位置に調整。

 

続いてジャックの前後調整へ、トリルや連打に関わる作業。

 

ジャックが次の動作に入りやすく緻密に調整していきます。

 

そしてハンマー接近調整、繊細なpppが発音できるようにLEDライトで照射しながら、ひとつずつセットしていきます。

 

接近調整後にハンマードロップ(戻り)を2mmで調整。

 

白鍵の深さ調整、定規で測りながら10mmにセットしていきます。

 

白鍵のアフタータッチを基にハンマーストローク(打弦距離)を設定。

 

白鍵のアフタータッチと同様の感触に黒鍵の深さを調整。

 

ハンマーストップ調整、打弦後の位置を88鍵そろえました。

 

最後にレペティション(連打)スプリング調整、これでタッチに関わるアクション&鍵盤の整備は一通り完了👍

 

新品のためピッチA=443Hzで調律しました。

 

そして整音作業、ハンマーの弾力性を整えていきます。

 

ここでハンマーフェルト表面の処理、針の痕跡や形を綺麗に整えていきます。音色も艶やかに...✨

 

シフト(ソフト)ペダル使用時の整音を専用ピッカーで実施。

 

ハンマー先端が3弦と同時に触れるよう精密かつ慎重にファイラーで微調整します。

 

そして1弦ずつ音質を確認&針刺し。新品の整音作業には手間と時間を要します。

 

あらためてハンマーを綺麗に整えて作業完了!

 

ダンパーの動作&ストップレール、ソステヌートペダルの効きもチェック。

 

あらためて調律の狂いを拾って全ての工程が完了です!

 

ピアノの整備は「整調」「調律」「整音」の3点セット、そして一度のみならず繰り返し実施することで「楽器」としての心地よさもアップします👍

 

こうして輸入後の丹念なプレップアップが完了、出荷前にもあらためて点検を実施、さらに温湿度管理されたショールームの環境も「楽器づくり」には不可欠です。

 

再び鍵盤蓋、譜面台を装着、外観も内容も申し分なし🎶

 

奥行194cmの迫力ボディ、マホガニーの木目が美しいです✨

 

PETROF P194 Storm Demichippendale Mahogany High Polish

Discacciati Piano Bench Mod.810

プレップアップによってチェコ共和国の名器がまた一台楽器に...。日本国内でも希少なP194Stormマホガニー猫脚モデル、ご家族の皆様で末永くご愛用頂けましたら幸いです😊

 

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