何も聴かせずに育てた植物
同じ条件下であっても
バッハを聴かせた方がよく育った
そんな実験結果を
音楽療法の本で読んだことがあります
真偽や再現性については議論があるにせよ
私はその話に強く心を動かされました
なぜならそこには
「目に見えないものが、確かに影響している」
という視点があるからです
人は、見えないもので育っている
人間もまた
建物の中の空気だけでは健康に育ちません
外の新鮮な空気を取り入れることが必要だと言われます
私たちは
目に見える栄養だけで生きているのではない
・空気
・光
・振動
・音
・人のまなざし
・場の雰囲気
こうした「形のないもの」に、
実は大きく支えられています
科学が近づく、見えない世界
量子力学は
目に見えないミクロの世界を説明する科学です
かつては感覚的・宗教的に語られてきた世界が
少しずつ科学の言葉で語られるようになってきました
もしかすると
人間をはるかに超えた存在や
意識や祈りの作用さえも
いつか何らかの形で説明される日が来るのかもしれない
そんなことを、ふと考えることがあります
音の波動とハイパーソニックエフェクト
「音」は単なる情報ではなく、波動です。
ハイパーソニック・エフェクトという理論では
人間の耳では聞こえない超高周波が皮膚などを刺激し
脳や身体に影響を与える可能性が示唆されています
72弁以上のオルゴールを“浴びる”治療法が
認知症ケアに応用されているという話も耳にします
科学は今
「聞こえない音」や「感じていないはずの振動」が
私たちに影響していることを
少しずつ明らかにし始めています
残念ながら
ピアノなどの
西洋楽器は整えられ過ぎていて
ハイパーソニックエフェクトは
発生しないようです
バリ島のガムラン楽器
尺八、琵琶?あたりの生演奏からは
派生するようです(CDではダメらしいです)
だから
72弁以上のオルゴールが
活用されているのかもしれません
ただし
指先刺激や指運動(感情機能ともつながっている)
と脳の働きは密接につながっている
ということがわかってきているので
その部分だけをとっても
人生100年時代
ピアノ教育の必要性は
確実に高まるとは思っています
それでも、音楽はまだ未知数
けれど
芸術、特に音楽が
人にどのような影響を与えているのか
それは、まだまだ未知数のように感じます
同じ曲でも
弾く人によって心の動きがまるで違う
同じ旋律でも
ある日は涙が出て
ある日は何も起こらない
音は、心のどこに触れているのか
それは、ずっと私の関心事です
奏でながら、観察する
ピアノを奏でながら、
私は自分の心を観察します
緊張しているのか
解放されているのか
どこに力が入り
どこで呼吸が止まるのか
どんな感情が生じているのか
そして、生徒さんが奏でる音を聴くときも
音の奥にある心の動きを感じ取ろうとします
音は、その人そのものだからです
レッスンという、尊い時間
人の音楽に触れられること
成長の瞬間に立ち会えること
それは、私にとって
大きな感謝であり
同時にワクワクする時間でもあります
目に見えないものに耳を澄ますこと
音を通して心を感じること
ピアノレッスンは
単なる技術指導ではなく
「見えないもの」を共に感じ、育てていく時間
なのかもしれません
これからも私は
音の奥にある世界を探り続けたいと思っています
