今回のクリスマス中間発表会では、
「ある程度仕上がったものを弾きたい」というお子さんは、
そこまで完成度を高めて発表します。
一方で、
まだ練習の途中にある曲を、
今の段階で聴いてもらうことも大切にします。
なぜなら――
完成へ向かって取り組んでいる途中だからこそ、
同じように頑張っている人の気持ちがわかるからです。
「ここから、どうやって弾けるようになっていくんだろう」
そんなことを感じながら聴くことで、
誰かの演奏が、自分自身の学びになったり、
「私ももう少しやってみよう」と励みになったりします。
完成した演奏だけではなく、
そこへ向かっている一人ひとりの姿にも、
大切な意味があると思っています。
🕯️ 少し暗くして、音に耳を澄ます
今回は、クリスマスの季節を感じられるように、
照明を少し落とし、キャンドルの灯りの中で
音楽を味わう時間をつくります。
「闇」という漢字を見てみると、
中に「音」という字が入っています。
もちろん、漢字の成り立ちとして
「闇=音」と単純に説明できるわけではありませんが、
私にはこの文字が、
今回の時間を象徴しているようにも感じられます。
明るいところでは、
目からたくさんの情報が入ってきます。
けれど、少し視界をぼかしてみると、
いつもより自然に耳が音へ向かいます。
誰がどんな曲を弾いているのかだけではなく、
どんな音をつくろうとしているのか。
どんな思いで弾いているのか。
今、どんなところに取り組んでいるのか。
そんなことを、
それぞれの耳で感じてほしいと思っています。
そして、暗さの中にある小さな灯りは、
クリスマスの季節にもよく似合います。🕯️
🎹 それぞれの立場で、会をつくる
中には、
「クリスマスらしい雰囲気をつくりたい」
「この会を盛り上げたい」と、
季節を感じられる曲を選んでくださる方もいます。
そうやって、
自分の演奏だけではなく、
会全体を楽しませようとしてくださることも、
とてもありがたく、嬉しく思っています。
完成度の高い演奏を目指す人もいる。
今まさに練習の途中にいる人もいる。
クリスマスらしい曲で、
会の雰囲気をつくってくれる人もいる。
聴くことを楽しむ人もいる。
それぞれが、それぞれの立場
この小さな音楽の時間をつくっている。
それでいいのだと思います。
🌱 ピアノは、才能だけで弾くものではない
一人ひとりの中にある原石を、
少しずつ磨いていく。
そして、その上に
技術や表現する力を育てていく。
私は、その**過程そのものが尊い**と思っています。
すぐにできることだけが、
価値のあることではありません。
難しいところに取り組み、
考え、工夫し、
昨日できなかったことが、
少しずつできるようになっていく。
その「取り組もうとする学習の姿勢」が、
とても麗しいのです。
今回は、私がたくさん説明しなくても、
お互いの演奏や取り組む姿から、
何かを感じ取ってほしいと思っています。
「あの人も頑張っている」
「私もやってみよう」
「こんなふうに音を出してみたい」
そんな小さな気づきが、
それぞれの次の一歩につながっていけば嬉しいです。
クリスマスの温かな灯りと音楽の中で、
それぞれが歩いている道の途中を持ち寄る。
完成している人も、
まだ途中にいる人も。
その一人ひとりの歩みが、
誰かの学びや励みになる。
そんな時間を、
みなさんと一緒につくれたらと思っています。
音楽を聴き、
人の歩みに耳を澄まし、
そして自分自身の歩みも大切にする。
このクリスマス中間発表会が、
それぞれのこれからの音楽の学びを豊かにする、
ひとつの糧となりますように。🕯️🎄🎹
