欧米がロシアのSWIFT(国際銀行間通信協会)排除で合意しました。

私が昨夜見たドイツのニュースでは、数日中、かなり近いうちにロシアがSWIFTから排除されることになるだろう、ということでした。ロシア制裁もかなりのスピードで進められているようです。

今日も、ここ数日ご紹介している『ロシア政治経済ジャーナル』の記事です。

http://www.mag2.com/m/0000012950.html

(以下引用、昨日までの記事とだぶる箇所は省きます)

https://ameblo.jp/pianistin/entry-12728658003.html

https://ameblo.jp/pianistin/entry-12728829149.html

https://ameblo.jp/pianistin/entry-12728988260.html

▼欧米が決意した「死の制裁」とは?

昨日2月26日、どうやら、プーチンの【 戦略的敗北 】が確定したようです。
なぜ?
欧米が、ロシアをSWIFTから排除することを決めたからです。

<米欧、ロシアのSWIFT排除で合意 ロイター2/27(日) 7:38配信
[ベルリン 26日 ロイター] -    
 米欧は、ロシアを国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。
独政府報道官が26日に発表した。米国、フランス、カナダ、イタリア、英国、欧州委員会が合意した。>

@注意が必要ですが、ロシアのすべての銀行がSWIFTから排除されるわけではないようです。
詳細は、今日中にでてくるでしょう。

▼SWIFTとは?排除されたらどうなる?

皆さんも最近よく聞く言葉でしょう。
SWIFTとは何でしょうか?
排除されるとどうなるのでしょうか?
「ナレッジ・インサイト」2020年2月6日 木内登英(たかひで)さんの記事を見てみましょう。

<SWIFTとは、ベルギーに本部を置く銀行間の国際的な決済ネットワークである。

SWIFTには200以上の国や地域の金融機関1万1千社以上が参加しており、そのネットワークを経由しないと送金情報を伝えられず、国際送金ができない。>

「SWIFTから除外されたらどうなるの?」
一言でいえば、国際送金ができなくなるのですね。

<決済額は1日あたりおよそ5兆~6兆ドル(約550兆~660兆円)に上るとされ、事実上の国際標準となっている。

中国を含め、米国と対立する多くの国々にとって大きな脅威であるのは、米国が経済制裁の実効性を高めるため、しばしばこのSWIFTを利用するということだ。

例えば、米国の経済制裁の対象となった国で、企業が制裁逃れを図って海外企業と貿易を行おうとしても、その国の銀行がSWIFTのネットワークから外されれば、資金決済ができないため貿易は難しくなる。>

「国際送金ができなくなるとどうなるの?」ですが、
答えは、「貿易が難しくなる」です。

これは、大変なことでしょうか?
大変なことです。

ロシアは、資源輸出でなりたっている国です。
他のほとんど製品は、輸入に頼っている。

輸入が止まってしまったら、どうなるのでしょうか?
正確にはわかりませんが、ルーブルが大暴落し、物不足になり、ものすごいインフレになるでしょう。
ロシア経済は、壊滅的打撃を受けます。

欧州は、これまでロシアのSWIFT排除に消極的だった。
理由は、欧州がロシアの石油、天然ガスに依存しているからです。

ロシアがSWIFTから排除されたら、欧州はロシア石油、ガスの支払いをどうするのでしょうか?

前述のように、すべてのロシア銀行がSWIFTから排除されているわけではない。

これは、「欧州がロシアとの石油、ガス取引だけを継続できるように」ということなのでしょう。

いずれにしても、私たちが覚悟しなければならないのは、

石油価格のさらなる高騰と、

インフレです。

ロシアと欧州の取引が継続すれば、原油価格の上昇は、心理的なものにとどまるでしょう。

しかし、激怒したプーチンが、「欧州へのエネルギー供給を制限しろ!」となれば、
原油価格がバレル200ドルまで上がっても驚きません。

コロナで止まっていた経済が動き出し、ようやく光がみえてきたときに、
「ロシアのSWIFT排除」。(全銀行が対象ではないですが。)

本当に困ったことですが、プーチンを止めるためには、ここまでやる必要があるのでしょう。

いずれにしても2022年2月26日、

プーチンの【戦略的敗北】は確定したようです。