名古屋市天白区にあるPhysio Conditioning Lab.(フィジオコンディショニングラボ)|パーソナルトレーニング×ピラティス&ボディメンテナンス 理学療法士トレーナーの柴田です。
はじめに
「正座をすると膝が痛い」
「正座ができなくなってきた」
「膝を深く曲げると痛みが出る」
「昔は普通に正座できたのに、最近つらくなってきた」
このような悩みはありませんか?
正座は、膝を深く曲げた状態を長時間維持する動作です。
そのため、正座で膝が痛い場合には「膝が硬くなった」「年齢のせい」と考えてしまいがちですが、実際にはさまざまな原因が考えられます。
膝関節そのものの問題だけでなく、股関節や足関節の動き、太ももの筋肉、膝周囲の組織、過去のケガ、日常生活での活動量などが関係していることもあります。
今回は、理学療法士の視点から、正座すると膝が痛くなる原因と、改善を考えるときのポイントを解説します。
正座で膝が痛いのは「膝が硬いから」だけではない
まず重要なのは、正座では膝をかなり深く曲げる必要があるということです。
一般的な歩行や椅子に座る動作と比べると、正座では膝関節に大きな屈曲可動域が求められます。
そのため、膝を深く曲げることに制限がある場合、痛みや圧迫感が出やすくなります。
しかし、ここで注意したいのが、
「膝が曲がらない=膝だけが硬い」
とは限らないことです。
股関節や足関節の動き、骨盤の位置、太ももの筋肉の柔軟性なども、正座の姿勢に影響します。
原因① 膝関節を深く曲げることが難しくなっている
正座では、膝を大きく曲げた状態になります。
そのため、膝関節の可動域が低下している人では、深く曲げたところで痛みや詰まり感が出ることがあります。
例えば、
・以前より膝が曲がらない
・かかとがお尻につかない
・左右で膝の曲がり方が違う
・深く曲げるほど痛みが強くなる
といった場合です。
膝の可動域が低下する原因には、筋肉や軟部組織の柔軟性低下だけでなく、関節の変化、炎症、過去の手術や外傷など、さまざまなものがあります。
したがって、「ストレッチすれば必ず改善する」とは限りません。
原因② 変形性膝関節症など膝関節そのものの問題
中高年の方で正座がつらくなってきた場合、変形性膝関節症などが関係している可能性もあります。
変形性膝関節症では、膝の痛みや腫れ、動かしにくさなどがみられることがあります。
特に、
・歩き始めに膝が痛い
・階段の上り下りがつらい
・膝が腫れる
・膝を最後まで伸ばしにくい
・正座だけでなくしゃがむ動作もつらい
など、複数の症状がある場合には注意が必要です。
ただし、「正座ができない=変形性膝関節症」と決めつけることもできません。
症状の出方や経過を含めて評価することが大切です。
原因③ 半月板など膝内部の組織が関係している
膝の内部には、内側・外側半月板などの組織があります。
過去に運動などで膝をひねった経験がある方や、特定の動作で膝の引っかかりやロッキング感がある方では、半月板などの問題が関係している可能性もあります。
特に、
「深く曲げると膝の奥が痛い」
「膝が引っかかる感じがする」
「曲げ伸ばしでクリック感がある」
「膝が途中で動かしにくくなる」
などがある場合には、単純な筋肉の硬さだけで判断しないほうがよいでしょう。
原因④ 太ももの筋肉や周囲の組織の柔軟性低下
太ももの前側にある大腿四頭筋などの柔軟性が低下すると、膝を深く曲げる際の動きに影響することがあります。
また、太ももの裏側やふくらはぎなど、膝周囲の組織の状態も関係する場合があります。
ただし、ここでも「膝痛=太ももが硬い」という単純な話ではありません。
筋肉の硬さが実際の動作制限につながっているのか、それとも膝関節そのものの動きが制限されているのかを区別することが重要です。
原因⑤ 足首が硬くても正座に影響する?
正座というと膝ばかりに注目してしまいますが、足関節も関係しています。
正座では足首が大きく底屈した状態になります。
そのため、足首周囲の動きに制限がある場合、足部の位置や正座姿勢の取り方に影響する可能性があります。
また、足首の動きだけではなく、足部の形状や過去の足関節のケガなども考慮する必要があります。
このように、正座という一つの動作でも、膝だけでなく下肢全体が関係しています。
原因⑥ 股関節の動きや骨盤の位置が関係することもある
正座では、膝だけでなく股関節も曲がっています。
股関節の可動性や骨盤の位置によって、正座したときの下半身全体の姿勢は変わります。
例えば股関節周囲の動きが少ない場合、正座での身体の位置を調整するために、膝や足部への負担が変化する可能性があります。
そのため、正座で膝が痛いからといって、膝だけをマッサージしたりストレッチしたりするのではなく、股関節・膝・足関節を一つの動きとして評価することが重要です。
「正座ができない=膝をもっと柔らかくする」ではない
正座ができないと、
「膝が硬いから、もっとストレッチしなければ」
と考える方が多いと思います。
しかし、痛みがある状態で無理に正座を繰り返したり、膝を強く押して曲げたりすることはおすすめできません。
特に、膝に腫れや熱感がある場合や、強い痛みがある場合には注意が必要です。
まずは「なぜ正座ができないのか」を確認することが重要です。
正座で膝が痛い人は「どこが痛いか」を確認してみる
同じ「正座で膝が痛い」という症状でも、痛む場所によって考えるポイントが変わることがあります。
例えば、
・膝のお皿の周囲
・膝の内側
・膝の外側
・膝の裏側
・膝の奥のような場所
などです。
さらに、
「正座を始めた瞬間から痛い」
「最後まで曲げると痛い」
「正座を続けていると痛い」
「正座から立ち上がるときに痛い」
など、痛みが出るタイミングも重要です。
痛みの場所とタイミングを確認するだけでも、身体の状態を考えるための重要な情報になります。
正座だけでなく「しゃがむ・階段・立ち上がり」も確認する
膝の状態を考えるとき、正座だけを見るのも十分ではありません。
例えば、
・深くしゃがめるか
・椅子から立ち上がるときに痛いか
・階段で痛みが出るか
・歩行では問題ないか
・片脚で立てるか
などを確認すると、膝がどのような動作で負担を受けているのかを考えやすくなります。
正座だけで痛くて、歩行や階段では問題がない人もいます。
一方で、正座以外にもさまざまな動作で痛みがある場合には、膝の状態をより詳しく確認する必要があります。
膝痛改善では「膝を鍛えるだけ」では不十分なことがある
膝が痛いと、「膝の筋肉を鍛えなければ」と考える方も多いでしょう。
もちろん、膝周囲の筋力や下肢全体の筋力を高めることは重要です。
しかし、筋力だけでなく、
・膝の可動域
・股関節の機能
・足関節の可動性
・バランス能力
・歩き方やしゃがみ方
・日常生活での活動量
なども確認する必要があります。
例えば、太ももの筋力が十分でも、股関節や足関節がうまく使えていなければ、動作の中で膝に負担が集中する可能性があります。
そのため、膝痛改善では「膝だけを鍛える」という発想から、下肢全体を評価して動作を改善するという考え方が重要です。
正座を無理に取り戻す必要があるとは限らない
ここも非常に重要なポイントです。
正座ができないこと自体が、必ずしも身体の異常を意味するわけではありません。
日常生活で正座をする必要がないのであれば、無理に正座を取り戻す必要がないケースもあります。
一方で、
「仕事で正座が必要」
「法事や和室で正座する機会が多い」
「以前できていた動作を取り戻したい」
という場合には、必要な可動域や身体の使い方を評価し、段階的に練習していくことができます。
大切なのは、「正座できること」そのものではなく、本人が必要としている動作を痛みなく行える身体を作ることです。
よくある質問
Q. 正座すると膝が痛いのは、膝が硬いからですか?
膝の可動域低下が原因の一つになることはありますが、それだけではありません。股関節、足関節、筋肉、膝関節そのものの状態など、複数の要因が考えられます。
Q. 正座ができない場合、膝をストレッチすれば改善しますか?
原因によります。筋肉や関節の可動域が関係している場合には有効なことがありますが、痛みの原因が別にある場合は、無理なストレッチが適切とは限りません。
Q. 正座で膝の内側が痛いのですが、変形性膝関節症ですか?
膝の内側の痛みだけで変形性膝関節症と判断することはできません。痛みの経過、腫れ、可動域、歩行や階段での症状などを含めて評価する必要があります。
Q. 正座をすると膝の裏が痛いのはなぜですか?
膝を深く曲げることで、膝の後方に圧迫感や痛みを感じる場合があります。筋肉や軟部組織、関節の状態など複数の可能性があるため、痛みの程度や出現状況を確認することが重要です。
Q. 正座をすると痛い場合、運動してもいいですか?
痛みの程度や原因によります。正座そのものを無理に繰り返すのではなく、痛みが出ない範囲で股関節や膝周囲の筋力・可動性を高める運動を行う方法があります。
Q. 膝が腫れている場合も正座の練習をしていいですか?
腫れや熱感、強い痛みがある場合は、自己判断で正座を繰り返すことはおすすめしません。必要に応じて医療機関で状態を確認してください。
まとめ|正座で膝が痛いなら「膝だけ」を見ない
正座は、膝を深く曲げるだけでなく、股関節や足関節など下肢全体の動きが必要になる動作です。
そのため、
・膝関節の可動域低下
・膝関節の変化
・半月板など膝内部の問題
・太もも周囲の柔軟性低下
・足関節の動き
・股関節や骨盤の動き
・過去のケガや手術
など、さまざまな要因が考えられます。
「正座できないから膝が硬い」
「膝が痛いから太ももを鍛えればいい」
と単純に考えるのではなく、なぜ正座という動作で痛みが出るのかを評価することが大切です。
そして、正座だけでなく、しゃがむ、階段、歩く、立ち上がるなど、日常生活の動作まで含めて身体を見ることで、より適切な改善方法を考えることができます。
フィジオコンディショニングラボでは、膝だけを見ない膝痛改善を行います
当ジム・治療院では、理学療法士の知識を活かし、膝の痛みだけでなく、股関節、足関節、筋力、可動域、姿勢、動作まで総合的に評価します。
「正座すると膝が痛い」
「膝が以前より曲がらなくなった」
「しゃがむと膝が痛い」
「階段で膝が痛む」
「膝痛があり運動を始めたい」
このようなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
理学療法士×パーソナルトレーニング×ピラティスの視点から、一人ひとりの身体の状態に合わせて、痛みの改善と身体機能の向上をサポートします。
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「正座できるようにする」ことだけを目標にするのではなく、日常生活で必要な膝の機能を取り戻すこと。
それが、膝痛改善を考えるうえで大切な視点です。
