名古屋市天白区にあるPhysio Conditioning Lab.(フィジオコンディショニングラボ)|パーソナルトレーニング×ピラティス&ボディメンテナンス 理学療法士トレーナーの柴田です。
はじめに
「髪を結ぼうとすると肩が痛い」
「後ろで髪をまとめる動作がつらい」
「腕を上げていると肩が痛くなってくる」
「以前は普通にできたのに、最近髪を結ぶのが大変になった」
このような症状はありませんか?
髪を結ぶ動作は、一見すると簡単な動作に見えます。
しかし実際には、腕を頭より高く上げ、肩関節を動かしながら、肩甲骨・胸椎・首・体幹まで連動させる必要があります。
そのため、髪を結ぶときの肩の痛みは、肩関節だけが原因とは限りません。
肩周囲の筋肉、肩甲骨の動き、胸椎の可動性、首の状態、体幹のコントロール、さらには日常生活での腕の使用量など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
今回は理学療法士の視点から、髪を結ぶときに肩が痛くなる人の特徴と、考えられる原因、改善の考え方について詳しく解説します。
結論|髪を結ぶときの肩痛は「肩だけ」を見ないことが重要
髪を結ぶ動作では、腕を上げるだけではありません。
実際には、
肩関節
+肩甲骨
+胸椎
+首
+体幹
が協調して動きます。
そのため、
「肩が痛いから肩の筋肉が悪い」
「肩が硬いからストレッチすればいい」
と単純に判断することはできません。
例えば、胸椎が十分に伸びたり回旋したりできない場合、腕を上げる動作を肩関節や肩甲骨だけで補おうとすることがあります。
また、肩関節の可動域が低下している場合には、身体を横に傾けたり、首を前に出したりすることで、手を頭の後ろまで持っていこうとすることもあります。
重要なのは、
「どこが痛いか」だけでなく、「なぜその動作で痛みが出るのか」
を考えることです。
髪を結ぶとき、肩では何が起きているのか?
髪を結ぶときには、腕を頭より高く持ち上げます。
さらに、髪を後ろでまとめるためには、肩関節を挙上するだけでなく、外旋など複数の動きが必要になります。
そして肩関節だけでなく、肩甲骨も動きます。
腕を上げるときには、肩甲骨が上方回旋や後傾などの動きを行うことで、腕を高い位置まで動かしやすくしています。
つまり、
腕が上がる=肩関節だけが動いている
わけではありません。
肩甲骨や胸郭、胸椎などが連動することで、腕をスムーズに動かすことができます。
この連動のどこかに問題があると、肩周辺に負担が集中する可能性があります。
① 腕を上げると肩の前側が痛い
髪を結ぶときに、
「肩の前側が痛い」
「腕を上げる途中でズキッとする」
という場合があります。
肩関節周囲には、腱や滑液包などさまざまな組織があります。
腕を繰り返し上げることで、これらの組織に負荷がかかることがあります。
特に、
・洗濯物を干す
・高い場所の物を取る
・髪を結ぶ
・ドライヤーを使う
・運動で腕を上げる
など、腕を高く上げる動作を繰り返す人では、症状が出ることがあります。
ただし、肩の前側が痛いからといって、特定の腱だけが原因とは限りません。
痛みが出る角度や時間帯、肩の可動域、筋力、日常生活での負荷などを含めて評価する必要があります。
② 肩甲骨の動きが少ない
肩の動きを考えるときに重要なのが肩甲骨です。
肩甲骨は背中に固定されている骨ではなく、腕の動きに合わせてさまざまな方向へ動きます。
腕を上げる際には、肩甲骨も適切に動く必要があります。
ところが、
・デスクワークが長い
・胸椎が動きにくい
・肩周囲の筋力が低下している
・過去に肩を痛めた
などの状態では、肩甲骨の動きに変化が生じることがあります。
その結果、腕を上げる動作を肩関節に頼りすぎてしまい、痛みにつながる場合があります。
ただし、
「肩甲骨が動けば肩痛が治る」
というほど単純ではありません。
肩甲骨の動きは、痛みの原因を考えるうえでの一つの評価項目です。
③ 胸椎が硬くなっている
意外と見落とされやすいのが胸椎です。
胸椎とは、背中の部分にある背骨です。
髪を結ぶときには、腕を上げるだけでなく、胸郭や胸椎も動きます。
胸椎の伸展や回旋が十分でない場合、腕を上げるために肩関節周辺で動きを補うことがあります。
例えば、
「背中が丸くなっている」
「胸を開きにくい」
「身体をひねりにくい」
という人では、肩の動きも一緒に確認する価値があります。
ただし、猫背だから必ず肩が痛くなるわけではありません。
姿勢の特徴と痛みは別々に考え、実際の動作との関連を見ることが重要です。
④ 首や体幹の動きで代償している
髪を結ぶときに、無意識に身体を横に傾けたり、首を前に出したりしていませんか?
肩の動きが制限されている場合、身体の他の部分を動かして手を頭まで届かせようとすることがあります。
例えば、
・身体を横に傾ける
・腰を反る
・首を前に出す
・肩をすくめる
などです。
これらは必ずしも「悪い動作」というわけではありません。
身体は動かしにくい部分があると、他の部分を使って動作を成立させようとします。
重要なのは、
その代償が大きくなっていないか、痛みと関係しているか
です。
⑤ 肩周囲の筋力が不足している
肩を動かすには、三角筋や腱板など、多くの筋肉が協調して働きます。
腕を上げる動作を繰り返すためには、単純な「肩の筋力」だけでなく、肩甲骨や体幹を安定させながら腕を動かす能力も必要です。
そのため、
「腕を上げるとすぐ疲れる」
「髪を結んでいると肩がだるくなる」
「長時間ドライヤーを使うと肩が痛い」
という場合には、筋力や筋持久力も確認することがあります。
ただし、肩が痛いからといって、いきなり重い筋トレをするのはおすすめできません。
痛みの原因や現在の機能に合わせて、負荷を調整することが重要です。
⑥ 「肩が硬い」のではなく、痛みで動かせなくなっている
肩が上がらない人を見ると、
「肩が硬いですね」
と言われることがあります。
しかし、肩が動かしにくい理由は、単純な柔軟性不足とは限りません。
痛みがあると、身体はその動きを避けるようになります。
その結果、
痛い
↓
動かさなくなる
↓
さらに動かしにくくなる
という状態になることがあります。
特に、
・服を着る
・髪を結ぶ
・背中に手を回す
・洗髪する
などの日常動作が徐々に難しくなっている場合には、単純なストレッチだけで対応せず、肩関節の状態を確認することが大切です。
髪を結ぶ動作が難しくなったら確認したいポイント
髪を結ぶときに肩が痛い場合、次のようなことを確認してみてください。
① どの角度で痛いのか
腕を上げ始めたときなのか、途中なのか、最後まで上げたときなのか。
痛みが出る角度は重要な情報になります。
② どこが痛いのか
肩の前側なのか、外側なのか、後ろ側なのか、首や肩甲骨周辺なのか。
痛みの場所によって考えるべきことが変わります。
③ 反対側と比べて動きに差があるか
左右差がある場合は、肩関節や肩甲骨の可動性、筋力などを確認します。
④ 髪を結ぶ以外の動作でも痛いか
洗濯物を干す、物を棚から取る、着替える、洗髪するなど、他の挙上動作でも痛むか確認します。
⑤ 夜間や安静時にも痛むか
動かしたときだけでなく、夜間や安静時にも強く痛む場合は、自己判断でトレーニングを続けるのではなく、医療機関での評価を検討してください。
肩が痛いときに、いきなりストレッチをしないほうがいい理由
肩が痛いと、
「肩が硬いからストレッチしよう」
と考えがちです。
もちろん、可動域制限がある場合には、適切な範囲で運動を行うことがあります。
しかし、痛みの原因によっては、強く伸ばすことが適切ではない場合もあります。
例えば、腕を上げるだけで強い痛みが出る状態で、無理に肩を引っ張って可動域を広げようとするのは避けたほうがよいでしょう。
重要なのは、
「硬いから伸ばす」ではなく、「なぜ動かしにくいのかを確認してから運動する」
という考え方です。
髪を結ぶ動作を改善するために必要なこと
肩の痛みを改善するためには、原因に応じて、
・肩関節の可動性改善
・肩甲骨の運動
・胸椎の可動性改善
・肩周囲筋の筋力強化
・体幹のコントロール
・日常生活での負荷調整
・実際の動作練習
などを組み合わせます。
例えば肩関節の可動域に問題がある人と、肩関節は動くものの肩周囲の筋力や運動制御に問題がある人では、必要な運動は異なります。
さらに、痛みが出ている人では、運動中の痛みの変化も確認しながら負荷を調整することが大切です。
ピラティスは肩の動きにも活用できる
ピラティスというと「体幹」や「姿勢」のイメージが強いかもしれません。
しかし、肩の動きを改善するうえでも、ピラティスの考え方を活用できる場合があります。
例えば、
・胸椎の動き
・肩甲骨のコントロール
・呼吸
・体幹の安定性
・腕と体幹の連動
などを意識した運動です。
ただし、
「肩痛=ピラティス」
と決めるのではありません。
肩の状態を評価したうえで、必要な運動の一つとして活用することが重要です。
髪を結ぶと肩が痛い人が注意したい症状
次のような症状がある場合は、単なる肩こりとして自己判断せず、整形外科などで評価を受けることをおすすめします。
・転倒や衝突などの後から強く痛む
・突然強い痛みが出た
・腕をほとんど上げられない
・明らかな筋力低下がある
・しびれがある
・夜間に強く痛む
・症状が徐々に悪化している
・肩の腫れや変形がある
肩の痛みにはさまざまな原因があるため、必要に応じて画像検査などを含めた医学的評価が必要になる場合があります。
髪を結ぶときの肩の痛みに関するよくある質問
Q. 髪を結ぶと肩が痛いのは、肩が硬いからですか?
A. 肩関節の可動域が低下している可能性はありますが、それだけが原因とは限りません。肩甲骨、胸椎、筋力、体幹、痛みなども関係する可能性があります。
Q. 肩が痛いときは肩をストレッチすればいいですか?
A. 可動域制限がある場合にはストレッチが有効なこともありますが、痛みの原因によっては無理に伸ばすことが適切ではない場合があります。まず痛みが出る動作と肩の状態を確認することが重要です。
Q. 髪を結ぶときだけ肩が痛い場合も病院に行ったほうがいいですか?
A. 痛みが繰り返す、徐々に悪化する、他の腕を上げる動作でも痛む、可動域が低下している場合などは、一度整形外科で相談することをおすすめします。
Q. 肩甲骨を動かせば肩の痛みは改善しますか?
A. 肩甲骨の動きが関係しているケースでは、運動によって改善を目指せる場合があります。ただし、肩甲骨だけが原因とは限らないため、肩関節や胸椎、筋力なども含めて評価することが重要です。
Q. 肩の痛みには筋トレとストレッチのどちらがいいですか?
A. どちらが優れているというより、身体の状態によって使い分けることが重要です。可動域制限があればモビリティ運動、筋力不足があれば筋力トレーニングなど、原因に合わせて選択します。
Q. 髪を結ぶ動作ができなくなってきたのは年齢のせいですか?
A. 加齢に伴って筋力や可動域などが変化することはありますが、「年齢だから仕方がない」と決めつける必要はありません。肩関節の状態や身体機能を確認することで、改善できる要素が見つかる場合があります。
Q. ピラティスで髪を結ぶときの肩の痛みは改善できますか?
A. 身体の状態によっては、肩甲骨・胸椎・体幹のコントロールを改善する運動として活用できます。ただし、肩の痛みの原因は人によって異なるため、評価したうえで取り入れることが重要です。
まとめ|髪を結ぶと肩が痛いなら「肩だけ」を見ない
髪を結ぶという動作には、
肩関節
+肩甲骨
+胸椎
+体幹
+首
が連動して働いています。
そのため、
「肩が痛いから肩を揉む」
「肩が硬いからストレッチする」
だけでは、原因に十分アプローチできないことがあります。
重要なのは、
どの角度で痛むのか
どこが痛むのか
どの程度動かせるのか
肩甲骨はどう動いているのか
胸椎は動いているのか
筋力は十分なのか
日常生活でどの程度肩を使っているのか
を確認することです。
特に、以前は問題なくできていた「髪を結ぶ」という動作が難しくなってきた場合、それは肩の機能が変化しているサインの一つかもしれません。
肩の痛みを改善するためには、痛みのある場所だけを見るのではなく、
「なぜ髪を結ぶ動作で肩に負担がかかっているのか」
を考えることが重要です。
フィジオコンディショニングラボが考える肩痛改善
フィジオコンディショニングラボでは、理学療法士の知識を活かして、肩だけでなく、肩甲骨・胸椎・体幹まで含めて身体を評価します。
「髪を結ぶと肩が痛い」
「腕を上げると肩が痛む」
「後ろに手を回しにくい」
「肩を動かすとゴリゴリする」
「肩の痛みを繰り返している」
といった日常生活での具体的な動作から、身体の状態を確認します。
そのうえで、必要に応じて筋力トレーニング、ピラティス、モビリティエクササイズ、動作練習などを組み合わせ、一人ひとりに合わせた身体づくりをサポートします。
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