名古屋市天白区にあるPhysio Conditioning Lab.(フィジオコンディショニングラボ)|パーソナルトレーニング×ピラティス&ボディメンテナンス 理学療法士トレーナーの柴田です。
はじめに
「肩を揉んでも、そのときは楽になるけどすぐ戻る」
「マッサージを受けても数日すると肩が重くなる」
「肩甲骨を動かしているのに肩こりが改善しない」
「何度も施術を受けているのに、肩こりを繰り返している」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
肩を揉んでも楽にならないと、
「もっと強く揉んでもらえばいいのかな?」
「もっと頻繁にマッサージを受けた方がいいのかな?」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、肩を揉んでもすぐに戻る場合、単純に「肩の筋肉が硬い」ことだけが問題ではない可能性があります。
肩こりには、
姿勢。
長時間同じ姿勢。
肩甲骨や胸郭の動き。
首の動き。
呼吸。
筋力。
身体の使い方。
運動不足。
ストレスや睡眠などの生活要因。
など、さまざまな要素が関係します。
つまり、
「肩が凝っているから肩を揉む」だけでは、肩こりを繰り返す原因まで解決できないことがあります。
今回は、理学療法士の視点から「肩を揉んでも戻る人」の身体に何が起きているのかを解説します。
肩を揉むと楽になるのはなぜ?
まず、肩を揉むこと自体が意味がないわけではありません。
マッサージや徒手的な刺激によって、筋肉の緊張感や痛みの感じ方が一時的に変化し、「肩が軽くなった」と感じることがあります。
また、心地よい刺激によってリラックスできることもあります。
そのため、
「揉んだら楽になった」
という感覚は決して間違いではありません。
問題は、
「楽になった=原因が解決した」ではない
ということです。
例えば、肩周辺の筋肉が緊張している背景に「長時間のデスクワーク」があるなら、筋肉を揉んでも仕事中の姿勢や活動量が変わらなければ、再び負担がかかる可能性があります。
肩を揉んでも戻る理由①「肩に負担がかかる生活が変わっていない」
最も分かりやすいのがこれです。
朝に肩を揉んでもらう。
↓
一時的に楽になる。
↓
仕事で8時間パソコンに向かう。
↓
また肩が重くなる。
これでは、肩の筋肉を何度揉んでも同じことを繰り返してしまいます。
もちろんデスクワークそのものが悪いわけではありません。
問題なのは、
「長時間ほとんど身体を動かさない状態」
です。
同じ姿勢を長く続けると、首や肩、背中などに負担が集中することがあります。
そのため、肩こりを改善したいなら「肩を揉む」だけでなく、
こまめに立つ。
歩く。
姿勢を変える。
肩や胸郭を動かす。
休憩を入れる。
など、日常生活の中で身体を動かす機会を増やすことも重要です。
肩を揉んでも戻る理由②「肩ではなく胸郭や背中が動いていない」
肩こりがあるからといって、肩だけに問題があるとは限りません。
腕を上げる、後ろに手を回す、物を持つといった動作では、
肩関節。
肩甲骨。
胸郭。
脊柱。
などが連動しています。
例えば、胸椎や胸郭の動きが少ない状態では、肩や首周辺で動きを補っていることがあります。
その結果、
「肩を使いすぎる」
↓
「肩周辺が疲れる」
↓
「肩が凝る」
という状態になる可能性があります。
この場合、肩を揉むだけではなく、
「肩以外の場所が適切に動いているか?」
を確認する必要があります。
肩を揉んでも戻る理由③「肩甲骨を動かすことだけに集中している」
「肩こりには肩甲骨を動かせばいい」
という情報を見たことがある方も多いでしょう。
肩甲骨を動かすことは重要です。
しかし、
肩甲骨を動かせば必ず肩こりが改善するわけではありません。
例えば、肩甲骨の動きだけを一生懸命作っても、
胸郭が動かない。
首が過剰に動く。
体幹が安定しない。
呼吸が浅い。
肩をすくめる癖がある。
という状態なら、肩こりの原因が残っている可能性があります。
大切なのは、
「肩甲骨を動かすこと」ではなく、「身体全体の中で肩甲骨を適切に使えること」
です。
肩を揉んでも戻る理由④「呼吸で肩に力が入りやすい」
意外と見落とされるのが呼吸です。
呼吸では横隔膜だけでなく、胸郭や首周辺の筋肉なども関係します。
呼吸のパターンによっては、首や肩周辺の筋肉を過剰に使っていることがあります。
例えば、
息を吸うたびに肩が大きく上がる。
胸ではなく首周辺に力が入る。
呼吸が浅い。
緊張すると呼吸が速くなる。
といった場合です。
このような状態が長時間続けば、肩や首周辺に疲労感を感じることがあります。
そのため、肩こり改善では、
「肩の筋肉を緩める」だけではなく、「呼吸を含めた身体の使い方を見る」
ことも重要です。
肩を揉んでも戻る理由⑤「肩を支える筋力・体幹機能が不足している」
筋力が低下している場合も、肩周辺に負担が集中することがあります。
特に腕を動かすときには、肩関節だけでなく肩甲骨や体幹も関係します。
例えば、体幹が安定しない状態で腕を動かすと、肩周辺の筋肉が姿勢を支えるために余分な働きをすることがあります。
ただし、
「肩こり=体幹が弱い」
と決めつけることはできません。
重要なのは、
「肩こりのある人の身体で、どこが過剰に働き、どこが十分に働いていないのか?」
を評価することです。
肩を揉んでも戻る理由⑥「身体を動かす量が少ない」
運動不足も肩こりと関係する可能性があります。
普段から、
座っている時間が長い。
歩く時間が少ない。
運動習慣がない。
身体を大きく動かす機会が少ない。
という生活をしていると、身体全体を動かす機会が減ります。
すると、
身体を動かす能力が低下する。
↓
少し動いただけで疲れる。
↓
さらに動かなくなる。
という悪循環につながることがあります。
肩こりを改善するためにも、
「肩を揉む」
だけではなく、
「一日の中で身体をどれくらい動かしているか?」
を見直してみることが大切です。
肩を揉んでも戻る理由⑦「姿勢を無理に良くしようとしている」
これも非常に多いケースです。
「姿勢が悪いから肩こりになる」
と思って、
胸を張る。
肩を後ろに引く。
背筋を伸ばす。
顎を引く。
ということを常に意識していませんか?
しかし、良い姿勢を意識しすぎて身体を固めてしまうと、逆に首や肩周辺が疲れることがあります。
重要なのは、
「正しい姿勢を一日中固定すること」ではありません。
人間は本来、座ったり、立ったり、歩いたり、身体を動かしたりしながら姿勢を変えています。
そのため、
「良い姿勢を作る」よりも「いろいろな姿勢を無理なく取れる身体を作る」
ことが重要です。
「肩が硬い=ストレッチが必要」とは限らない
肩こりがあると、
「肩が硬いからストレッチしよう」
と考える方も多いでしょう。
もちろんストレッチが有効な場合もあります。
しかし、肩こりの原因が、
筋力不足。
身体の使い方。
運動不足。
長時間の同一姿勢。
胸郭の動き。
呼吸。
などにある場合、ストレッチだけでは十分ではないことがあります。
つまり、
「硬いから伸ばす」だけではなく、「なぜ硬くなっているのか?」
を考えることが大切です。
肩こり改善では「緩める」と「鍛える」の両方が必要な場合がある
身体の状態によっては、
緊張している筋肉をリラックスさせる。
↓
動かしやすくする。
↓
必要な筋肉を適切に使う。
↓
日常生活でその状態を維持する。
という流れが必要になることがあります。
つまり、
「揉むか、鍛えるか」ではありません。
必要に応じて、
施術。
ストレッチ。
呼吸練習。
筋力トレーニング。
ピラティス。
姿勢・動作練習。
日常生活の改善。
などを組み合わせます。
肩こりを繰り返す人は「症状」ではなく「原因」を見る
例えば、
肩が凝る。
↓
肩を揉む。
↓
楽になる。
↓
また肩が凝る。
という場合、
「肩が凝ること」だけを問題にしていると、同じことを繰り返します。
一方、
なぜ肩が凝る?
↓
仕事中の姿勢は?
↓
一日の活動量は?
↓
胸郭は動く?
↓
肩甲骨は適切に動く?
↓
首を過剰に使っていない?
↓
呼吸は?
↓
体幹は安定している?
↓
睡眠やストレスは?
と原因を掘り下げていけば、改善の方向性が変わってきます。
肩こり改善のために最初に確認したい5つのこと
肩を揉んでもすぐ戻る方は、次の5つを確認してみてください。
①長時間同じ姿勢を続けていないか
パソコンやスマートフォンを長時間使っていないか確認しましょう。
②一日の活動量が少なくないか
運動だけでなく、歩行や立っている時間も含めて考えます。
③胸郭や背中が動いているか
肩だけでなく、胸椎や胸郭の動きも確認しましょう。
④呼吸で肩に力が入っていないか
呼吸のたびに肩が大きく動いていないか確認してみましょう。
⑤肩を支える身体の機能があるか
肩だけでなく、体幹や肩甲骨、下半身まで含めて身体の使い方を考えます。
よくある質問(FAQ)
Q. 肩を揉んでもすぐ肩こりが戻るのはなぜですか?
揉むことで一時的に筋肉の緊張感や痛みの感じ方が変化しても、肩に負担をかけている生活習慣や身体の使い方が変わっていなければ、症状が再び出ることがあります。
Q. 肩こりは肩の筋肉が硬いことが原因ですか?
肩周辺の筋肉の緊張が関係する場合はありますが、それだけが原因とは限りません。
姿勢、胸郭や肩甲骨の動き、首、呼吸、筋力、運動不足、生活習慣などを総合的に考える必要があります。
Q. 肩こりには肩甲骨を動かす運動が効果的ですか?
肩甲骨を適切に動かすことは重要ですが、肩甲骨運動だけで肩こりが必ず改善するわけではありません。
胸郭や体幹、首、呼吸などを含めて身体全体の動きを考えることが大切です。
Q. 肩こりには筋トレとストレッチのどちらがいいですか?
どちらが良いかは身体の状態によって異なります。
筋肉の柔軟性が必要な人もいれば、筋力や身体のコントロール能力を高める必要がある人もいます。
そのため、「ストレッチだけ」「筋トレだけ」と決めつけず、状態に合わせることが重要です。
Q. 姿勢を良くすれば肩こりは改善しますか?
姿勢が関係する場合はありますが、良い姿勢を無理に固定するだけでは十分ではありません。
長時間同じ姿勢を避け、さまざまな姿勢を無理なく取れる身体を作ることが重要です。
Q. 肩こりがある人は運動した方がいいですか?
症状や原因によりますが、慢性的な肩こりでは適切な運動を取り入れることが改善の選択肢になります。
まずは軽い運動や身体を動かす時間を増やすことから始め、症状に合わせて徐々に運動量を調整するとよいでしょう。
Q. 肩を揉むことは意味がないのでしょうか?
意味がないわけではありません。
肩を揉むことで一時的に楽になることはあります。
ただし、症状を繰り返している場合は、揉むことだけを続けるのではなく、肩こりが起こる背景を評価することが重要です。
まとめ|「肩を揉んでも戻る」のは、肩だけに問題があるとは限らない
肩を揉むことで一時的に楽になる。
でも、また肩が凝る。
この場合、
「もっと強く揉めばいい」
「もっと頻繁に揉んでもらおう」
と考える前に、
「なぜ肩に負担がかかり続けているのか?」
を考えてみてください。
肩こりには、
長時間同じ姿勢。
運動不足。
胸郭や背中の動き。
肩甲骨の動き。
首の使い方。
呼吸。
筋力。
体幹機能。
生活習慣。
など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
だからこそ、
「肩を揉む」から「肩が凝る原因を考える」へ。
この視点を持つことが、肩こりを繰り返している人にとって重要です。
そして、身体の状態によっては、
緩めること+動かすこと+鍛えること+日常生活を変えること
を組み合わせる必要があります。
肩こりを本当に改善したいのであれば、
「肩が痛い」
だけを見るのではなく、
「肩に負担をかけている身体全体の使い方」
を見直してみましょう。
フィジオコンディショニングラボが考える「肩こり改善」
当施設では、肩こりに対して単純に肩を揉むだけのアプローチは行いません。
まず、
肩関節。
肩甲骨。
胸郭。
胸椎。
頸部。
体幹。
呼吸。
姿勢。
筋力。
身体の使い方。
日常生活。
などを確認します。
そのうえで、
「なぜ肩に負担が集中しているのか?」
を考えます。
必要に応じて、コンディショニング、ストレッチ、筋力トレーニング、ピラティス、動作改善などを組み合わせ、一人ひとりの身体に合わせたプログラムを作ります。
「肩を揉んでもすぐ戻る」
「マッサージを受けても肩こりを繰り返す」
「肩甲骨を動かしているのに改善しない」
「姿勢を意識しているのに肩がつらい」
という方は、肩だけではなく身体全体を一度見直してみてください。
当ジム・治療院では、理学療法士が医学的根拠に基づき、肩こりの原因を姿勢・関節・筋力・呼吸・身体の使い方などから総合的に評価し、根本改善を目指したパーソナルトレーニング・ピラティス・ボディメンテナンスを提供しています。
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