車を運転していると、たまにGPSがずれていることがあります。

道なき道を走っていたり、標識もないのに「この先、一時停止があります」と案内されたり。画面を見て、思わず首をかしげてしまいます。ちゃんと道路を走っているのに、なぜか違う場所を示している。

身体にも、これと似たことが起こります。

 

まっすぐ立っているつもり。

骨盤は水平のつもり。

左右は揃っているはず。

 

けれど実際には、わずかな傾きやねじれ、左右差がある場合があります。

そのずれに気づかないまま表面的な「正しい形」に合わせようとすると、どこかに余計な力が入ります。本来動きたい場所ではなく、別の場所で調整してしまう。

それは、GPSがずれたまま目的地を目指しているような状態です。

 

私たちは、自分の身体の位置や動きを、主に内側からの感覚で把握しています。

けれどその感覚は、経験や慣れによってつくられています。

長く続いた使い方は、少し偏っていても「これが普通」という感覚になります。

 

感覚が鈍いのではなく、「身体の地図」が、正確でないことがあるのです。

 

では、どうすれば現在地を正しく知ることができるのでしょうか。

そのヒントは、前回の記事でお伝えした「触れてみる」というシンプルな方法の中にあります。外からの感覚を手がかりにすることで、内側の感覚とのずれが少しずつ整っていきます。

「触れて感じる」というシンプルな方法を、実際に試してみると、その意味がよりはっきりしてきます。

 

そして、身体の地図が詳しくなると、動きも自然とスムーズになっていきます。

 


梅の花がちらほらと咲き始めました。
視覚だけでなく匂いでも楽しめますね✨
 

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「骨盤が傾いていますね」

インストラクターにそう言われても、正直、よくわからない。鏡を見れば、確かに何か違う気はするけれど、自分の感覚としては、まっすぐ立っているつもり。

そんな経験、ありませんか。

 

私たちは普段、身体の位置や姿勢を、主に身体の内側からの感覚によって把握しています。ところが、この感覚だけでは、左右の違いやわずかな傾きに気づきにくいことがあります。

 

それは、感覚が鈍いわけではありません。前回までの記事でお話ししてきたように、「身体の地図」が、その部分についてまだ十分な情報を持っていない、というだけのことです。

 

そんなとき、試してみてほしいことがあります。

自分の手で、その部分に触れてみることです。

 

骨盤に手を当てて、左右の高さを比べてみる。すると、内側からははっきりしなかった違いが、手を通して感じられることがあります。

「あ、右の方が少し前に出ている」

触覚という、もう一つの感覚を手がかりにすることで、身体の状態が、少し具体的になります。

 

ここからが大切です。

手で触れたまま、その部分に注意を向けてみてください。

手から伝わる感覚と、内側から感じる感覚。この二つを同時に味わってみましょう。

 

その繰り返しの中で、脳はこれらの感覚を少しずつ対応づけていきます。

やがて、触れなくても、内側からの感覚だけで、その部分の状態がわかるようになっていきます。

これが、身体の地図が更新されていく、一つの道筋です。

 

レッスンの前後に、少し時間をとって、自分の身体にそっと触れてみてください。

 骨盤の向き、肋骨の動き、鎖骨の向き。 

そして、股関節の付け根あたりに手を添え、そこで動きが起きているかを感じてみましょう。

それは、自分の身体を探検するような作業です。

「こうなっていたんだ」という小さな発見が、身体の地図を少しずつ書き足していきます。

そして、地図が詳細になるほど、インストラクターの言葉は、より身体に届きやすくなっていきます。

 

先週末は自宅の近くでもしっかり雪が降りました。
雪景色はワクワクしますね^^

 

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前回の記事では、身体の地図(ボディマップ)は「どう動かすか」を考えることで更新されるというよりも、「今、身体がどうなっているか」という感覚に注意を向けることで、少しずつ書き換えられていく、という話をしました。

 

では、その感覚に注意が向いているとき、私たちの意識はどのような状態になっているのでしょうか。

 

レッスン中、頭の働きは静かになる一方で、身体の感覚がくっきりと立ち上がってくる瞬間があります。今回は、そのような状態を、ここでは「ぼーっとした集中」と呼び、その意味について考えていきます。

 

一見すると、集中が途切れたように感じるかもしれません。

しかしそれは、集中できていない状態とは限りません。むしろ、「正しくできているか」「合っているか」といった考えが一歩引き、注意の中心が思考から感覚へと移っている状態であることが多いのです。

 

インストラクターの声を聞きながら、身体の内側で起きている感覚を追っている。力の入り具合や呼吸の動き、床との接触の変化。そのような感覚に静かに注意が向いているとき、意識は散漫になっているのではなく、外部評価から離れ、内側の情報に開かれた状態にあります。

 

このようなとき、身体の地図が更新されやすい条件が整います。身体の地図は「こうあるべき」という理想像ではなく、「実際に起きている感覚情報」によって書き換えられていくからです。

 

ピラティスは、形としての「正解」を再現することが目的ではありません。「正しくできているか」を気にしながら動くよりも、「今、身体にどんな感覚があるか」を観察するほうが、結果として動きは安定し、無駄な力みも減っていきます。

 

レッスン中に「考えないで」「力を抜いて」と言われたとき、それは何かを怠っているという意味ではありません。意識的なコントロールから一段階離れ、身体に任せるフェーズに入っているサインだと受け取ってみてください。

 

頑張る必要はありません。

完璧である必要もありません。

 

感覚に注意を向けること。そして、それを繰り返すこと。その積み重ねが、身体の地図を少しずつ、しかし確実に更新していきます。

 

できないことに目を向けるよりも、「今日は何を感じられたか」を振り返ってみてください。その一つひとつの感覚が、次に動くための、確かな土台になっています。

 

『目は口ほどに物を言う』  

言葉を話せない犬を見ていると、言葉以外のやり取りの豊かさを感じます☺️ 

クライアントさんの表情を見ているときにも😊

 

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前回は、インストラクターの言葉が理解できていても身体がうまく動かない背景に、脳の中にある「身体の地図(身体スキーマ)」の存在が関わっている、という話をしました。 
 では、その身体の地図は、どのように更新されていくのでしょうか。
 
「骨盤を安定させよう」「正しく動かそう」と意識して一生懸命コントロールしようとすることが、実はその更新を難しくしてしまうことがあります。
「頑張って動かそう」とすると、お腹を固めたり、息が止まったり、肩に力が入ったりと、身体のどこかに余計な力が入りやすくなります。こうした不要な緊張は、結果として動きをかえって難しくしてしまいます。そして、身体は“意識的なコントロール”に引っ張られ、本来備わっている自動的な調整が働きにくくなることがあります。 
 
前回お話しした「身体の地図」は、実際の感覚を通して、少しずつ書き換えられていきます。 
床に触れている部分の感覚だったり、呼吸に伴って身体のどこが動いているかだったり、重心がどちらに移動しているかなど、「今、身体がどうなっているか」という感覚情報が脳に送られることで、身体の地図は少しずつ、より正確なものへと更新されていくのです。
 
“動きをよくしよう”とすると、つい「どう動かすか」「どこを使うか」を考えたくなります。けれど、身体の地図を更新するという点では、それよりも「今、どうなっているか」を感じ取ることのほうが重要です。
 床に体重がどう乗っているか。
 左右で違いはあるか。
 呼吸をすると、どこが広がり、どこが動きにくいか。
こういった観察を続けていると、身体は必要な調整を自動的に行い始めます。
 
まずは、うまく動かそうとするよりも、「今の身体の状態」に気づくことから始めてみてください。  

 

 

大学時代にお世話になった奈良勲先生のご逝去を知り、深い悲しみに包まれています。

先生は日本の理学療法の発展に大きく貢献された方でした。

学生の頃から、「患者さんが先生であり、私たちは寄り添う存在である」という姿勢を学ぶことができたのは、私にとって大きな幸運でした。

 

奈良勲先生のご冥福を心よりお祈りいたします。

 

 

 

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「骨盤を安定させて、そこから脚を動かしてください」
インストラクターの言葉はわかる。でも、身体がその通りに動いてくれない。
そんな経験、ありませんか?

そういうとき、つい思ってしまうかもしれません。
「私は身体が硬いから」「センスがないから」「運動神経が悪いから」..

でも、実はそうではないかもしれません。

問題は、身体そのものではなく、脳の中にある「身体の地図」にあることが多いのです。


私たちの脳には、「身体スキーマ」と呼ばれる、身体の内側の地図のようなものがあります。
この地図には、「骨盤がどこにあるか」「脚がどのくらい動くか」「今、どこに体重が乗っているか」といった情報が記されています。私たちは普段、この地図を頼りにして、立ったり、歩いたり、動いたりしています。
ところが、この地図が粗かったり、情報が不正確だったりすると、インストラクターの言葉を理解していても、身体がうまく応えてくれないことがあります。


ピラティスを続けていくと、この「身体の地図」が少しずつ更新されていきます。
最初はぼんやりしていた骨盤の位置が、はっきりと感じられるようになる。右と左の違いが、わかるようになる。どこから動き始めているか、気づけるようになる。などなど。
これは、身体が柔らかくなったとか、筋力がついたということだけではありません。脳の中の地図が、より詳しく、正確になってきた、ということです。


この地図は、一度のレッスンで書き換わるものではありません。
小さな動き、ゆっくりとした変化、床の感触の違い。そうした体験を重ねることで、少しずつ、丁寧に更新されていきます。
だから、「今日もできなかった」と落ち込む必要はありません。「まだ地図が育っている途中なんだ」と思ってみてください。
そして、できないことよりも、「今日は何を感じたか」に目を向けてみてください。
その感覚一つひとつが、あなたの身体の地図を、少しずつ書き足していってくれています。

 

 

 

 

インストラクター向け講座神経生理学(2026/2/16~開催)

 

 

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