二回シリーズのつもりで書き始めた塩山&勝沼の旅日記でしたが、情熱溢れる醸造家のみなさん手ずから注いで下さったワインのひと種類ひと種類が記憶に刻まれていてしまって、ついつい話が長くなってしまいました。

そして、ついでながら、酷すぎる誤字脱字(><)。お許し下さい。

ランチタイムに訪れたNPOの談話室コロボックルさんを含め、5つ目の訪問場所となる「丸藤葡萄酒工業」(ブランド名:ドメーヌ・ルバイヤート)でも、あらかじめ時間が約束できないという話であったにもかかわらず、御曹司の大村さんがわたしたち珍道中の旅人を迎えてくださいました。

ちょうど御自らテイスティングカウンターに従業員の方と立っておられた時間帯でラッキー。もうさっそく、目の前に並んだ8種類(!!)のワインを片っ端から試させていただきます。

(何故かここだけピントがめちゃくちゃボケてしまいました。申し訳ございません)

ちゃんとした写真は、ドメーヌ・ルバイヤートのホームページからごゆっくりと御覧ください。

http://www.rubaiyat.jp/

まずはやはり甲州から。シュール・リーと樽貯蔵の二種類をいただきます。甲州で樽というと、贅沢にバニラ香を染み込ませたルミエールの「光 甲州」とくらべてみたくなります。はい、待ってました。こちらはそれとは対極に位置する樽甲州ですよと、まるでフェイントを食らわせたかのようなしてやったり顔の大村さん。

バリックの強さにお金を払うというのもひとつの価値観なので、なんとも言えません。そうじゃないワイン愛好家には、是非試していただきたい、根強い人気のブランドです。

なぁーんて、偉そうなことを言いながら、わたくしもコスパでシュール・リーのほうが好きかな・・・

樽もシュール・リーもない、言わば“ド”のつくストレートな甲州も、もちろんあります。ブレンデッドを除くと、ルバイヤートさんは3種類の甲州をお造りになっていることになります。この地方が伝統的に「ワインはこうやって作るんだ」と縦社会のなかで一子相伝で造ってきて葡萄農家の方々とやりとりしてきたワインは実はこれだったんだという雛形のようなワインです。

続いて赤。先ずは、直近寄らせてもらった三養醸造さんとの対比が面白すぎるマスカットベイリーAの樽熟。う~ん、どっちが好きかな。ノーコメント。ひとこと言うと、全然違います。

そしてメルロー。これは塩尻の葡萄を使っているとのこと。勝沼や塩山でもメルローは植わっているし、またミクロクリマって言うんでしょうか、土壌や水はけ、斜度、気温が区画ごとに違うので、何処が良い悪いとは言えないという話を彼方此方で聞きました。

きょうの水先(?)案内人のTHさんも最近塩山市内でさほど距離の離れていないところで引っ越しをされたそうですが、ちょっと標高が下がっただけで、去年より蒸し暑くって、扇風機をもう一台買ったと話しておりました(><)。

東京では、練馬が特に暑いという話は聞くものの、何故かまた人気の超高層マンションって言ったって想像通り涼しくないということらしいです。

ここ塩山&勝沼は、扇状地をベースとして湾曲や崩落によって複雑な地形が出来たおかげで、日本では珍しいミクロクリマと、そしてなんとも素晴らしい絶景をエンジョイできるのですね。

・・・また話が長くなってしまいました。ほかにも、シャルドネ、メルローの長期熟成のレア物、またプチ・ヴェルドー主体という別の意味でレア物などをいただきました。

結論は、、、2004年の塩尻メルローを清水の舞台から飛び降りたつもりで仕入れました。是非、都会の隠れ家イタリアン乃木坂ヴィラージュであじわってください。

明日から、グラスのみで、ご提供させていただきます。
さて、後半戦に挑むまえに、腹ごしらえです。水先案内人(水じゃないか!?)の友人THさんも所属するNPO法人が運営するカフェ・コロボックルでランチをいただきます。
http://korobo.org/
正直、定食メニューはそこそこな感じですが、お惣菜バイキングが素晴らしい。ダイニングルームのテーブルや椅子は意外にも宮大工さんがボランティアで作ったものとか。いい感じです。

そして後半1箇所目は、「三養醸造」さんの山田さん。友人THさんが、きょうのプログラムのなかでは一番わたくしに合わせたかったという若旦那は、初対面の挨拶が終わるやいなや、「テイスティンググラスもあるんだけど、これじゃワインの粗がお客さまにバレちゃうから、イケアの安物のグラスで良いかなぁ」いきなり山田節炸裂。

こういう雰囲気が好きで、わたくしは寄席通いをしているのでありますが。確かに流行遅れの厚手のグラスで安いのは知ってますが、テイスティンググラスより二回りは大きいチューリップ型の二種類のグラスは、無料試飲には贅沢過ぎます。

まずは、さきほど訪ねた喜山洋酒さんを良きライバルに据えているとおっしゃる甲州。まったりとした酒質は、山田さんの作品も、土屋さんの作品も、五分と五分。土屋さんのが尖塔とその周りの急坂の岩場を擁する権現岳に例えると、山田さんのは均整のとれた左右対称のなだらかな稜線を敷く編笠山に例えられます。ただ、山梨県民とて、忙しいひとは八ヶ岳に登っている暇などないので、この譬えを披露することなく、続いてシャルドネ。

知れば知るほどわからなくなるこの、ある意味ありふれた品種。山田さんのシャルドネには、わたしはこれまで経験したことのないエキセントリックさと堅牢さを感じました。ただし、もう一度飲みたくなると思えるかどうかとっさには判断できなかった一本。ですが、一緒に試飲する山田さんは、無言で自画自賛するがごとく、おおきく頷きます。

驚いたのは新樽を使っているという事実。恥ずかしいことにわたくしはステンレスタンクかセメント樽かと思ってしまっていたのでした。それくらい溌剌として凝縮感のあるフルーツを取り出せていたということですね。

続いて赤。マスカットベイリーAの樽なしと樽ありをいただきます。樽ありは、ラブルスカ種特有のフォクシーな臭いをマスキングするために僅かな期間アメリカンオークの新樽を経由して、その後フレンチオークの旧樽で寝かせるのだそうです。このバランスが絶妙。星3つです。

わたくしがもっとも気に入って、迷うこと無く仕入れてしまったのは、山ソーヴィニヨン。その名も「雁坂の夢」。雲取山と甲武信ヶ岳を繋ぐ頂戴な尾根《奥秩父縦走路》で最も有名な雁坂峠こそ、日本で最も標高が高い、3大峠のひとつにして、現在はその下をショートカットする雁坂トンネルが一般国道の山岳トンネルとしては国内最長として知られています。言い忘れましたが、山田さん親子のお店は、そのトンネルに繋がる《雁坂の道》沿いにあるのです。

開けたては野生葡萄を感じさせない上品で洗練された香りと味わい。しかし、二日目三日目となるとやはりジビエのような香りが出てくるのだと、不満そうに山田さんはおっしゃいます。変化を楽しむという点からはこんなにおもしろいことはない。しかし乃木坂ヴィラージュで、バイザグラスで出すには問題もある。。。そんな悩みを通り越して、衝動買いしてしまっていたのでした。

〆はメルロー。これも山田さん納得の出来栄え。しかしわたくしは、雁坂の夢の印象が漂ってしまって、テイスティングコメントは忘れてしまいました。

続いて今日最後のルバイヤートの「丸藤葡萄酒工業」の大村さん。ここでも8本いただいたので、もう長くなってしまいます。前編後編のつもりでしたが、続きは更に明日ということでお許し下さい。
ホールチーフの加藤くんと一緒に、山梨県甲州市をまわってきました。長年昼間の仕事でお世話になった旧友が数年前に山梨県にIターン(Uターンかと勝手に思い込んでいたら、ご出身は北海道とのこと!!)。第一次産業の再生への思いを胸に日々奮闘していることは聞いてましたが、山梨の現地で会うのは今日がはじめて。

新宿駅9:02発のホリデー快速小淵沢ゆきに乗って、11時ちょっと前に塩山駅に到着。「せっかくの日帰り旅行なのだから、もっと朝早く出発して、一日を有効に使うべきだろう!?」と思うでしょ。でも、きょう乃木坂ヴィラージュ組を案内してくれる友人は、朝は畑や田んぼの草刈りで忙しいのです。なので11時集合。今年既に熱中症に二度も倒れたという彼ですが、無事クルマで元気に駅前ロータリーに現れてくれました。

さて、信じられないほど充実した旅がはじまります。

一件目は、「甲斐ワイナリー」の風間さんを訪ねます。この後訪れるどの醸造所もそうなのですが、みんな驚くほど立派で歴史と風格を感じる木造建築です。

辛口と甘口、シュール・リーと「喰い切り」の4種類の甲州を試飲させていただきます。で、仕入れたのは、イタリアン心に触れたバルベーラ。なぜこの品種に挑戦を、、、と暫し会話を楽しみます。

養蚕農家から日本酒の造り酒屋を経てブティックワイナリーへと、ビジネスモデルを開拓してきた代々の歴史を刻んできた大きな古時計ならぬ大きな古レジスター。

ありえないほど太い大黒柱と大きな梁の下で小さくワインを手に取る加藤チーフ。

続いて、2軒目は「機山洋酒工業」の土屋さんご夫妻。

不動産用語でいう既存不適格建築物の逆で昔は建築基準法違反だったはずの三階建とも四階建とも見られる木造の豪華屋敷の前に瀟洒なゲストハウスがあります。

甲州、ブラッククイーン、メルロ+プチヴェルドなどをいただきます。量産をしない個性派の高品質ワインは常に品切れ気味。試飲したかったシャルドネは既に品切れ。甲州もここでしか買えない(しかも本数制限あり)との扱いもすぐに頷けます。ここでは甲州を仕入れます。

続く(次回は、「三養醸造」さんの山田さん親子と、「丸藤葡萄酒工業」の大村さん。乞うご期待)