北海道 小さな冒険記 -4ページ目

機材導入

導入したのはカメラでもなく、望遠レンズでもなく・・・。




昨年、動物の撮影用に導入したNikonの200-400mmの望遠ズームは非常に

高画質で、600mmに比べて小さくて取り回しが良いので、以来あちこちで多用

しているのだが、いざという時の為にこれがほしかった。


昨年リニューアル発売されたNikonのテレコン「TC-14E III 」

以前の機種より画質精度の向上によってマスターレンズに近い描写力

が実現し、AF精度も向上しているという。

その分価格も上昇しているが・・・、

思い切って購入。.

というよりは別の買い物途中に衝動買い(笑)


でもまぁ、ずっと視野に入れていたので、「購入は時間の問題だっただろう。」

と自分に言い聞かせている。

すでに使用している方も多いと思うが、評判がよかったので。


これでフルサイズ400mmは560mmにズームアップ。


基本的にテレコンは積極的に使うことはないが、山岳や旅先などの機材が制約される

中での動物撮影において、"あと一歩大きく捉えたい"という時にとても重宝するだろう。

70-200mmでもAFのレスポンスはかなり良かったので、仕事の撮影でも結構使えそう。


この魔法の小道具の出現によって長年愛用していた巨大な鉄の塊600mmは

ますますお蔵入り・・・。









小春日和の野付半島

野付半島ネイチャーセンターで通行許可をもらい、通行止め地点から車でさらに

奥地へ。

積雪によって道が埋もれたところから車を置いて先端部に向かって歩く。


海岸線には流氷が浮かび、あちこちにエゾシカの小さなグループが

気持ちよさそうに歩いている。

雪解け後の水溜りではオオワシがなにかを一生懸命についばんでいた。

ここは生き物達の楽園だ。




半島の内陸側を眺めると遠くに摩周岳、標津岳、斜里岳の山群がうっすらと

浮かんでいた。

そして大地には一頭のオスジカ。

道東地区には本当にたくさんのエゾシカいて、あちこちで100頭以上の群れに出会う。

もはや写真の対象ではないという方もたくさんいるが、僕は飽きることなくたくさん撮影

する。

北海道にしかない風景なのだからしっかりと撮っておきたいと思うのだ。





流氷の上を一足早い春の風が野付半島を吹き抜けてゆく。

いつもは冬の荒涼とした景色に惹かれるが、今はもう春が待ち遠しい。




春国岱を歩く

根室半島の付け根に延びる砂州、春国岱を歩く。

2月だというのにまるで春のよう。

砂丘の湿地帯や針葉樹林帯にはのんびりと下草を食むエゾシカの群れがあり、

そして水辺には白鳥の小さな群れ。

キタキツネが海岸線をトコトコと歩いている。




この時期は人影もなく自然がありのままの様子を描いていた。

砂浜を歩くと流れ着いた流氷が沿岸を覆っている。

砂州のずっと先の方まで歩いていくと次第に大きな氷の塊が増えてきた。

砂浜に打ち上げられた流氷は、先日の道東を直撃した嵐によって大波が

運んできたものだという。




双眼鏡を覗いてアザラシなんかがいないか確認しながら先へ進む。

この時期の春国岱には海ワシやワタリガラスが空を舞う。

妻はガラス玉や花の文様を描いたような貝殻(ウニの一種)を見つけ、

嵐の後のビーチコーミングを楽しんでいた。




道東の中でもこのような未開の地を歩くと、まるでこの地がシベリアやアラスカの

ように思えてくる。

ここは北海道の中でもとても素晴らしい土地だ。