「王様のスピーチ」を仙台の実家にいるときに見た
いわゆる優等生的な映画、という評価もだいぶあるんだけど(まあ、あまりに下品な内容ではアカデミーは無理でしょ)、よけいなものを取り払ったすごく分かりやすい映画だと思う。
話のメインは王様の口下手、吃音。
時代は第2次大戦の最中へ突入しかけているときに、イギリスの王様の悩みはずっと、「クリスマスのラジオ放送でのスピーチ」だったり、「王位継承のスピーチ」だったり、「宣戦布告のスピーチ」(宣戦布告することではなく)だったりする。
国が結構政治的に大変になりかかってるときに、国家元首のあまりに卑小な(といっては失礼ですが)、身近な悩みに、周囲の状況との落差に、なんか思わず笑ってしまうのでした。
本人にとってはおそらく、自分のプライドがかかった大変な問題だったと思うのですが、問題自体に王室の人間ならではとかそんな要素がないので、すごく親しみを感じてしまいます。
しかもジョージ6世は子供のころ、X脚や左利きを父に無理やり矯正されたという過去がある。吃音はそのストレスから発生したものらしい。
本当にこんな王様が今のエリザベスの父上なのか?
ウィキで簡単に調べてみたら、どうも本当らしい。
もしかしたら王室の体面上明らかにされなかった話なのかなあとも思うのですが、今までこのネタあんまり聞いた事ないなあ
内気で口下手で、いつも兄の影に隠れた存在で、王位継承を渋る王様。
でも国王としてはなかなかにマジメで良心的だったようで、当時のイギリス国民には慕われたようです。
なんかこう、逆に映画のために作られた脚本みたいな話で、英国王室って面白いなあと思った。
映画のなかでも暗示されてるけど、当時ドイツが小男の口車に乗せられてファシズムの真っ只中に突っ込むのとは全く対照的である。
統治者に必要なのは口の上手さなのか?という問題を真っ向から捉えているとも言えますね。
勿論、ヘタよりは上手いほうがいいに決まっているけど、誠実に行動で示すリーダーに対しては、国民も自然とついてくるのだなあという感想でした。
いい映画です
地球上の全統治者に見せて、反省を促したいな