やっぱり寝不足だ!欠伸ばかり出てる。時々体勢を変えるからその度に起きるし、
あいつもニャゴニャゴ言ってぐるんと向きを変えるから、その時もまた目が覚めて。
オレ等の親って、みんなこんな思いしてんのかな?こいつ一人で辟易してんのに、
三人も四人もいたら大変だな!
”おじちゃん、どしたの?さっきから欠伸ばかり”
”あぁ、寝不足だ。お前のおかげでな!”
”えっ?ボクの所為なの?”
”アハハ、まぁ、それもある。気にすんな。さて、公園を探検するか?”
”うん!探検探検!”
オレ等は連れ立って歩き出した。
”まだまだこの辺は草がないから歩きやすいだろ?”
でも、草の無いお陰で風が酷い時は砂煙が立つ。こいつが目に入ると痛いんだ!
”おじちゃん、草が生えてるよ。”
”そうだ。たくさん歩いて来たからな。”
”ねえ!このモコモコはな~に?”
”何だか分からん!オレも気になったから覗いてみたけど何もなかったよ。”
”ふうん。”
ハチもオレと同じく、もっこりしてる土の山を掘っては何がいるのか覗き込んで
いる。
”ハハハ!オレもそれはさんざんやったよ。”
”なんか出て来た?”
”いや、何も。”
いい加減やって飽きて来たのか、
”おじさん今度はどこ行くの?”
”この先に行ってはいけない場所があるから、そこまでな。”
”行ってはいけない場所?”
”そうだ。それ以上行ったら真っ逆さまに落っこちるからな。”
そう言ってるうちにその危ない場所に来た。この前見た時と同じだった。
”そのトゲトゲしたものを潜るなよ。そこで地面が途切れてるからな!”
ハチはちょっと顔を出して下を見た。慌ててオレのとこまで戻ってくる。
”ビックリしたあ~~!スゴイ高さだね。”
”そだろ!だからそこまで行くと危ないんだ。近寄るんじゃないぞ!”
”うん、分かった。近寄らないよ。”
”いい仔だ!じゃあ戻るか?そろそろ瑠璃さんがご飯持って来る頃だ。”
”ごっはん、ごっはん!”
ハチは飛び跳ねながらベンチのある所まで戻った。子供は元気だ!って、オレは
年よりかよ!?違うぞ!オレだってまだまだ若いんだ!(トラは何が面白くてハチと
比べているんだか?)
―――時は少し遡ってトラたちが探検に出た後だ――――
「おっはよーっ!ご飯だよぉ~~~!!」
「あれ、おかしいな?ご飯というとハチが意気込んで駆けて来るんだろうに・・・・」
瑠璃はベンチに腰掛けて少し様子を見る事にした。トラのベッド用に用意した
箱は、そのままの位置にあった。でも、いる気配はない。
「二人はどこへ行っちゃったんだ?お腹空いてるだろうに。」
ベンチから立ち上がって、ベッド用段ボール箱の場所まで行ってはみたが姿が
なく、近くの草むらを捜し歩いたが姿はおろか声さえも聞こえてこない。
「おーーい、トラちゃ~~ん。ハチ~~~ィ!どこお?ご飯だよぉ~~!!」
またベンチに座ってしばらく待ってみたが、姿を現さない。もしかしたら、ネズミ
とか何かを獲って食べてるのかな?帰ろうかな?も少しいるかな?などと考えて
いる所へ二人は帰って来た。
「どこ行ってたのよぉ~、もう!心配したんだからね。」
『にゃん』
「にゃんじゃないわよ!本当に!」
『ごめん。はち、あぶないとこ、おしえてた。』
「あ、そう!・・・・・・・?トラちゃん!あんた随分良くしゃべれるようになったね。」
『ほんとにゃ。すこし、はなせる。』
「昨日くらいまで、カタコトだったのにね。進歩したもんだわ!」
『りゅりしゃん、はら、へった。』
「あ、そうそう。ご飯だよねぇ~。来たらあんたたちいないから探してたんだよ。」
言いながらご飯を用意してくれた。腹減らしのハチはご飯を置かれるのももどか
しく、皿に齧りついた。
「そんなに急がんでも、ご飯は逃げないから!」
楽しい食事タイムが始まった。
つづく
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⁂:二週間も間が開いてしまい、申し訳ありません。三回目ワクチンが
モデルナだったので、副反応に少し苦しんでました。熱が38度1分まで
上がり関節というか節々が痛くなり、眩暈も起こって気持ち悪く、1週間
PCが開けませんでした。
熱は2日目の夜には引きましたが、まだ気持ち悪さや眩暈は引かず、
食欲もいつもよりは落ちていて、未だ戻れてません。ただ、ちょっとは
PCが開けるようになったので気になってた物語の続きを書きました。
2,3日の内には次回を書きたいと思ってますが、またひどく開いて
しまったらごめんなさいです<m(__)m>。