夕方っても、だいぶ暗くなってだから、瑠璃さんの顔もはっきりは見えなかった。
ただ、声の感じで瑠璃さんと分かった。うん?猫の目って暗闇でも良く見えるんだったよな?オレの目って、何なんだろ?あまり良く見えないんだよな。昼間の明るさだとよく見えるんだけど、今時分てぼやけて見えるよ。・・・・・・・・・あっ、寝起きだからか!?
「二人ともぉ~。ご飯にしようよー!」
『にゃお~~ん!』
『りゅ り しゃん。腹、減った・・・・』
八割れの仔猫はもう瑠璃さんの足元でスリスリしてる。何だ?こいつ。慣れるの早くね?
オレだって最初はビビッて腰が引けてたのに。今のチビ連中って、慣れるんが早いんか・・・・。
「さぁ、たっくさん食べようね!」
瑠璃さんは、八割れの分のお皿を用意してくれてる。オレと、こいつの前にたっぷり入ったご飯皿を置くと、その横に水をたっぷり入れたお皿を置いてくれた。頂きますも言わねえでこいつは食べてるよ!
『にゃん(頂きます)』
「はいよ!好きなだけ食べなね!」
瑠璃さんは、にこにこしながらオレ等を見てる。
「仔猫ちゃんにも、名前、付けないとね。」
瑠璃さんは、こいつの食べっぷりを見ながら何にしようか考えてる風だ。
「八割れ君か?小さいからチビちゃんでも良いなぁ~!」
食べ終わったばかりの仔猫の頭を撫でながら、
「そうだ、ハチにしよう!八割れ君だから≪ハチ≫!どう?」
おどけて顔を覗き込んだ瑠璃さんに、仔猫はニャンと鳴いた。
「気に入ってくれたかな?今から君の名前は≪ハチ≫君だからね!」
『にゃお~ん。』
「フフッ、可愛い仔!」
瑠璃さんは、ハチの顔と頭を撫でまわしてる。まるで玩具だ。
『にゃん!(ご馳走さま)』
「あのね、とらちゃん。ご飯食べる時は頂きますで、食べ終わったらご馳走様だよ。」
『???』
オレは目を丸くして瑠璃さんの顔を見た。
「アハハ!なんて貌してんのよ!」
『いただ、ましゅ?ごち、あんそば?』
「アハハ、面白いね~、トラちゃんは。まぁ、でも覚えるってこんなもんかな?」
(オレだってまだよく言葉なんてしゃべれねえよ。その内上手くなるから!)
「トラちゃん達って、うんちやちっこはどうしてるの?」
『あっち、ちてる。』
オレは今朝、トイレしたとこの方を見た。
「はあん、草むらかぁ!ねえトラちゃん。明日から私が片付けるからトイレ場所、教えて。」
『にゃん、で、おちえ、るの?』
「ほかの人間に、いじわるされない為よ。」
『でも、じゅっと、おなじとこ、ちてるよ。』
「うん、それで良いの!でもね、人間は、うんち踏むのが嫌なの。トラちゃんだって違う猫のうんち、踏みたくないでしょ!?」
『ふまな、いよ。ちゃんと、かぐから。』
「でも人間てのは、君たちよりも鼻が利かないの。なんで、片づけておかないと「誰がやったんだぁー、お前か!」って、酷い事されるかもよ。」
『しょな、の?』
「虐められるんは嫌でしょ?」
『うん、やだ。』
「だから、ね!虐められる前に、片づけよ!」
『分かった。じゃあ、うんち、とちっこの場、所、決めるかだ。』
「あまり、人の来なそうな所が良いね。」
『どのへん、したら、いい?』
「うんとね~。」
そう言って、瑠璃さんは公園内を見渡した。で、ある場所を指さして、
「あそこが良いや。あの、垣根の手前。」
『かきね?』
「そうそう。おんなじ高さで木が並んで立ってるとこ。」
そう言って瑠璃さんが歩き出した。止まった場所は、あの四角い高いものが立ってる場所からそんなに遠くない所。
「ここなら目印もあるから、分かりやすいっしょ!?」
オレもハチも一緒について行ってその場所を覚えた。オレの、草の寝床ともそんなに遠くない。ここなら良いや!
「さて、遅くなったね。私もご飯食べるから帰るわ。また明日ね。」
そう言って、ご飯皿とかを片付けて、荷物を持って帰って行った。
”明日、明るくなったらこの公園を見て回ろう。危険な場所とか覚えておくんだぞ”
オレはそう言って、瑠璃さんが持って来てくれた箱の中に入った。と、ハチも一緒に入ってくる。
(この箱に二人は狭いなぁ~。まぁ、オレがこいつを抱くように丸くなればねられっか!?)
ハチはオレのお腹に自分の背中をくっつけって丸くなった。
”おじさん、あったかいよぉ!”
”へえへえ、分かったよ。こうしてるからゆっくり寝れ!”
ハチはそのまま朝までぐっすりと寝た。オレは時々体制を整えないと寝られないからその度に目を覚ましてた。
あぁ、明日は寝不足だあ~~~~~!
⁂ :物語とは何ら関係ありません。
つづく
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⁂: 一昨日、昨日今日と暑かったですね。お山を歩いて来たんだけど、
薄着で行ったのに汗かきました。しかもその後、小1時間卓球して
遊んで来ました。でも、今回、ちょこっと足首を捻ったぽくて左足
首に痛みを感じちゃいました。ダメですね、こんなじゃ。少し、本気に
なってダイエットしないと足の負担が半端ないかも?
今回、ワクチン接種の3回目を受ける事になっちゃいました。旦那
さんが、マンボウ(蔓延防止措置)が解けたから久し振りに観音沼に
でも行くか?って。やっぱ、行くなら泊まりたいですもんね。
ただ、モデルナなので、副反応がちょっと心配で。降圧剤飲んで
ますからね。ファイザーだったら大丈夫だったんだけど・・・・。