ヨーゼフ・アントン・ブルックナー(Joseph Anton Bruckner / 1824年 - 1896年)
没後130年に寄せて、ブルックナー交響曲探訪シリーズを掲載しています。
総合概説の後、第00番から作曲年順に各交響曲の探訪を始めています。
今日は、第2番とするつもりで作曲したもののお蔵入りにしてしまった第0番の後に
作曲した、交響曲第2番を探訪します。
交響曲の作曲に関しては遅咲きだったブルックナーは、50歳になろうかという時に、
自分自身の指揮でウィーン・フィルでこの「第2番」の初演を行うことができました。
演奏時間が1時間を超える大作になってきたのが、この「第2番」からです。
尚、日本初演は1970年代に入ってからということです。
私自身は、同じく1970年代にN響定期演奏会にこの曲が初めて登場した演奏会を
聴いた記憶があります。
♫ ♫ ♫ ブルックナー交響曲探訪 vol.4/交響曲第2番 ハ短調 ♫ ♫ ♫
注釈)- - - 1982年初稿 / 1876年大幅改訂 / 1891-92年細部改訂
この記事は、一般的な"ハース版"を基本として記していきます。
第1楽章 Allegro: Ziemlich schnell (演奏時間:約19分)
弦楽器のトレモロの中から第一主題が浮かび上がる、所謂"ブルックナー開始"から始まる、
三つの主題を擁するソナタ形式です。ブルックナー独自のソナタ形式の扱いが、
いよいよ確立して定着してきたことが伺われます。
第2楽章 Andante: Feierlich, etwas bewegt (演奏時間:約18分)
主要主題を中心として副主題の部分が二度登場する
ABABA構成を基本とする緩徐楽章です。
三度目のAの後に、同時期に作曲していた『ミサ曲第3番へ短調』の
「ベネディクトゥス」げ引用されてコーダとなっている点が印象的です。
ブルックナーにとってベートーヴェンの第九の緩徐楽章(第3楽章)が
一つの理想像であったようです。この第2番以降、ブルックナーの交響曲の
厳かで且つ雄大な緩徐楽章の方向性が確立していったと考えられます。
第3楽章 Scherzo: Schnell (演奏時間:約10分)
ブルックナーらしい原始的な魅力を湛えるスケルツォですが、
規模が格段に大きくなっています。
初期の特徴として、「第1番」や「第0番」と並んで、
スケルツォ→トリオ→スケルツォと奏された後にコーダ(終結部)が付されています。
第4楽章 Finale: Mehr schnell (演奏時間:約19分)
ハ短調の第一主題とイ長調の第二主題のコントラストが際立つ冒頭から、
金管も含めて爆進する第三主題に至るソナタ形式によるフィナーレです。
展開部の後半の盛り上げからクライマックスとなって第一主題が再現されるあたりや、
再現部の後に続くコーダ(終結部)の規模の拡大など、壮大な終楽章となっています。
全曲で約1時間強という規模に達した「第2番」でした。
更に各楽章の主要な主題の個性とアピール度に磨きがかかっていく
「第3番」以降のこの偉大なシンフォニストの基盤が固まった作品、
と言えるでしょうか。
最後に私の仕事場のライブラリーにあるCDをご紹介しましょう。
アントン・ブルックナー 交響曲第2番 CD / RCA / SICC 10218
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/フランクフルト放送交響楽団
Paavo Järvi und das NDR Elbphilharmonie Orchester spielen
Bruckners Zweite Sinfonie beim Internationalen Musikfest Hamburg.
Ein Konzertmitschnitt vom 17. Mai 2019.
ANTON BRUCKNER Sinfonie Nr. 2 c-Moll

