特定非営利活動法人日本現代音楽協会の2023年度の音楽祭<Music of Our Time 2023>は、

11月12日から年明けの1月7日にかけて開催されてます。

2023年は、国際現代音楽協会=ISCMの第1回音楽祭ザルツブルグ大会1923から

100周年にあたりましたので、記念演奏会も含めたラインナップとなっています。

 

注)日本現代音楽協会はISCMの日本支部(正会員)です。

 

今年の<Music of Our Time 2023>では、

レクチャー・シリーズ(2シンポジウム in 1 day)、

フォーラム・コンサート(2公演)、ペガサス・コンサート(2公演)、

コンクール(現音作曲新人賞)、ISCM100周年記念公演(2公演 in1day)

が多彩に展開されています。

 

 

詳しい情報は、公式ホームページ(上のリンク)をご覧になるか、

下記の画像を拡大してご確認ください。

 

 

 

毎年、世界の何処かで開催されてきたISCM国際現代音楽協会の第1回音楽祭は

1923年のザルツブルグ大会でしたので、

2023年度はISCM創立100周年の記念イヤーにあたります。

そこで、日本支部である日本現代音楽協会としても記念コンサートを企画しました。

いよいよ明日、1 月7日(日) に二部構成での開催となります。

 

 

私=松尾祐孝は、初めてACLアジア作曲家連盟との協同開催となった

1988年香港大会で行われたACLアジア青年作曲賞(審査員長 H.ラッヘンマン)で

第1位を受賞したことと、この100年間で唯一の日本開催である

<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の実行委員長を務めたというご縁から、

上述の第一位受賞作品をプログラムに加えていただきました。

海外作曲家の注目の作品と、ISCM国際審査入選経験を持つ国内作曲家の作品の数々が、

一挙に演奏される記念コンサートに、皆様どうぞご期待ください。

 

 

 

“WNMD”を彩る作曲家たち
ISCM“世界音楽の日々”100周年記念コンサート
会場:東京オペラシティリサイタルホール

●2024年17日(日)15:00開場 15:30開演

 

1.Simon Steen-Andersen(1976-/デンマーク)
Within Amongst(作曲2005年日本初演)gt
映像やオブジェなど、視覚的トリックを存分に用いた表現で人気絶頂の作曲家の、生ギターたった一本で聴かせる作品。

 

2.増田建太(Virtual Collaborative Series 2020入選)
VIS(作曲2016/2023年改訂初演)vc

 

3.Jug K. Marković(1987-/セルビア)
set adrift (作曲2018年日本初演)cl
ISCM“世界音楽の日々”(World Music Days/WMD)2019年タリン(エストニア)大会、ISCM Young Composer Award(YCA/35歳以下の作曲家対象)受賞者。

 

4.土井智恵子(2013年大会入選)
新作(作曲2023年初演)2vn

 

5.Francesco Filidei(1973-/イタリア)
Corde Vuote(作曲2011年東京初演)vn, vc, pf
今や国際的な作曲家として誰もが才能を認めるフィリデイ。作品の存在感は圧倒的。時に奇妙でクレイジーな映画を見ているようであるが、素晴らしく洗練されている。

 

6.徳永 崇(2002年大会・2014年大会入選)
時間工芸(作曲2021年)a-sax, pf

 

7.Alexander Schubert(1979-/ドイツ)
Sugar, Maths and Whips(作曲2011年日本初演)vn, db, pf, perc, elec
奇抜な映像を駆使するなど、マルチメディアの分野で次世代をリードする。WMD2019年タリン(エストニア)大会でも注目を集めた。

 

●2024年17日(日)18:30開場 19:00開演

 

1.Kaija Saariaho(1952-2023/フィンランド/ISCM名誉会員)
Sept Papillons for Solo Cello(作曲2000年)
ISCMの数少ない女性名誉会員の一人(72人中女性は2人)。晩年まで活躍するも2023年に亡くなった。

 

2.南 聡(2001年大会・2002年大会入選)
音響版画(作曲2012年改訂初演)cl, hp

 

3.Franck Bedrossian(1971-/フランス)
複雑に書き込まれた楽譜から生まれる力強い音楽が魅力。ある小説から着想を得て、主人公の肉体的・精神的圧迫を社会の弱者、その声なき声などと絡めて表現。生演奏の迫力を感じられる作品。

 

4.松尾祐孝(1992年大会入選)
DISTRACTION(作曲1987年)cl, pf

ISCM100年の歴史の中で唯一の日本開催である《ISCM世界音楽の日々2001横浜大会》の

実行委員長を務めて企画・制作・運営の総指揮を執るに至った経緯の端緒となった作品。

 

5.Beat Furrer(1954-/スイス)
Ira-Arca(作曲2012年日本初演)b-fl, db
キャリアも人気も知名度も言わずもがな。長年オーストリアを拠点に活躍。この曲は一瞬何の楽器かわからないような不思議な奏法が満載。

 

6.Hèctor Parra(1976-/スペイン)
Mineral Life II (作曲2016/2021年日本初演)va
綿密に書き込まれた楽譜と複雑な音響が持ち前の作曲家。そのキレッキレのヴィオラソロ。

 

7.松平頼曉(1931-2023/日本/ISCM名誉会員)
マーキトリー(象眼)(作曲1976/1985年)fl, cl, hp, perc, pf
WNMDに11回入選。情念に頼らない作曲姿勢を貫く。長年現音の理事としても尽力。この作品は初演以来演奏されておらず、今回は貴重な機会となるであろう。

 

●15:30公演一般座席券:前売3,500円/当日4,000円 ⇒ ネットで購入
●15:30公演学生座席券:前売2,000円/当日4,000円 ⇒ ネットで購入(入場時要学生証)
●19:00公演一般座席券:前売3,500円/当日4,000円 ⇒ ネットで購入
●19:00公演学生座席券:前売2,000円/当日4,000円 ⇒ ネットで購入(入場時要学生証)
●2公演通し一般座席券:5,000円(1月6日までの前売販売のみ、当日販売なし)⇒ ネットで購入
●2公演通し学生座席券:3,00円(1月6日までの前売販売のみ、当日販売なし)⇒ ネットで購入(入場時要学生証)
●2公演通しインターネット視聴券:3,500円(1公演のみの視聴券なし) ⇒ ネットで購入

 

 

最後に蛇足ながら、最近公開された拙文が掲載されているCARSブログをリンクします。

私が生まれ育った地域の近くの街の歴史とISCMの100年の歩みの歴史が

不思議とオーバーラップする随想を、お時間の許す時にご笑覧ください。