前々回と前回の紹介は、「刑事コロンボ」シリーズの
記念すべき第1作「殺人処方箋」と、
テレビ映画シリーズ化を決定的にした
第2作「死者の身代金」でした。
若くて髪の毛もまだ黒々としているピーター・フォークが
扮する刑事コロンボが、先ず「殺人処方箋」では
小奇麗な身なりで登場しました。
「死者の身代金」からは、よれよれのレインコートと
ボサボサの頭という、お馴染の風体を確立しています。
当時はアメリカでもまだ珍しかった「倒叙ミステリー」
構成とコロンボのキャラクターがの大当たりとなって、
2作ともに30%級の高視聴率を記録して、
テレビ映画シリーズの定例化がスターとしました。
その定例化のトップとなった、
つまり「NBCミステリー・ムービー」
の枠で放送された最初の作品が、
この第3作「構想の死角」で、監督が
何と若き日のスティーヴン・スピルバーグなのです。
###刑事コロンボDVDコレクション vol.27###
「構想の死角」
監督=スティーヴン・スピルバーグ
脚本=スティーヴン・ボチコ
製作=リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
撮影=ラッセル・L・メティ
音楽=ビリー・ゴールデンバーグ
出演:
ピーター・フォーク(刑事コロンボ)
ジャック・キャシディ(ケン・フランクリン役)
マーティン・ミルナー(ジム・フェリス役)
ローズマリー・フォーサイス(ジョアンナ・フェリス役)
バーバラ・コルビー(リリー・ラ・サンカ役)
他
ミュージカルで鳴らした俳優キャシディが、
ふてぶてしい美男という犯人役を好演しています。
この後も「第三の終章」や「魔術師の幻想」にも出演して
「刑事コロンボ」シリーズの犯人役像を打ち立てた
功労者の一人に挙げられるでしょう。
犯人がミステリー作家という設定・・・
そして「構想の死角」というタイトル・・・
一筋縄ではいかないストーリー展開です。
製作当時のテレビドラマ界のスタッフは、
ハリウッドの黄金期から流れ込んできた人材が多く、
かなり高齢化していたということです。
その中で、この作品のスタッフは、
製作のリチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクや
音楽のビリー・ゴールデンバーグは、皆30歳代でした。
スピルバーグ監督に至っては弱冠24歳の大抜擢でした。
その後に数多く世界の名を轟かせた映画作品にも見られる、
ズームアップやズームバックの画面の特徴など、
既にこの作品「構想の死角」の中でも、
偉大なる才能の片鱗を見出すことができます。
YouTube / 刑事コロンボ 構想の死角
COLUMBO MURDER BY THE BOOK