リブログリストに挙がっていたので
加筆して再掲します
丁度3年前、2020年秋分の日
秋に食べたい料理という
スタンプテーマで書いた記事になります。
プロ野球と邦画、秋刀魚の味
文中には黒澤明、野良犬に関する
リンクもあります。
秋刀魚の味(62年公開)
名匠小津安二郎監督の最後の映画。
タイトルが謎の映画と
いわれることも多いですね。
黒澤明監督の野良犬みたいに
ワクワクするシーンではないけれど
(過去に書いた拙記事です)
この映画のワンシーンにも
プロ野球が出てきます。
川崎球場の大洋ー阪神戦
テレビに映っているのは、
ホエールズの四番打者桑田武三塁手。
59年に入団、ルーキーでいきなり
ホームラン王を取ったプレーヤー。
放った本塁打31本は、
清原和博と並ぶ新人記録でもある。
対するタイガースはG.バッキー投手。
アナウンサーはバッキー投手と
ハッキリアナウンスしているが
シーンはこの数秒だけ
映画では分からない
バッキーの投球フォーム
G.バッキーは64年に29勝(球団記録)を挙げ、
タイガースの優勝に大きく貢献するのだが、
この映画は62年11月18日公開。
バッキーは62年がデビュー、
投球回数はわずか23イニング、
0勝3敗という成績だったので、
この試合は容易に特定できる。
8月15日、夏の真っ盛り
だったんだね。
バッキーは8月9日に初登板初先発であったが、わずか2イニングで3失点KO、相手投手はあの金田正一さんで完投勝利をされている。先発2試合目となるこの試合は、7イニング2失点と好投するも白星はつかず。
今でこそ大投手バッキーが出ていたぞとなるが、公開当時は首が繋がるかどうかも危うい二線級投手だったのだ。
主演の フレディマーキュリー

笠智衆さん
野球と言えば巨人の時代
何故大洋阪神だったのか?
小津らしい選択のような気もするが
果たしてそれだけだったのか??
この映画で周平(笠智衆)の
長女路子(岩下志麻)が
密かに思いを寄せる三浦を演じたのが
吉田輝雄さん。
新東宝ハンサムタワー
吉田輝雄、菅原文太、
高宮敬二、寺島達夫の一角
この当時は筆頭、文太さんより売れていた。
左から佐田啓二、岡田茉莉子、小津安二郎
そして岩下志麻、吉田輝雄
余談だが岡田さんと岩下さんは
私とはベクトルが違うが
熱狂的虎党なのは間違いないw
仮面ライダーでの吉田輝雄さん
藤岡弘さん大ケガのため
急遽助っ人出演と思われる。
半年前ゴールドアイで
リーダー格と若手隊員として
お二人は共演していた。
そのためか、別格扱い。
吉田さん扮する科学者が開発した
この秘密兵器でショッカー怪人を撃退。
ライダー以外で唯一退治した民間人となった。
さて野球に話を戻すと
吉田輝雄さんは、中学時代近藤和彦さんの
チームメイトで、近藤さんが三番打者
吉田さんが四番打者だった。
近藤和彦さんは入団当初からホエールズの
主力打者で1960年の日本一にも貢献。
この試合にも二番センターで出場している。
天秤打法と言われたユニークな打撃フォーム
振り子打法のイチロー以上の個性派の
ヒットメーカー
60~62年まで3年連続打率2位
60、61年は長嶋茂雄、62年は森永勝治
惜しくも首位打者を逃している。
小津安二郎さんが、
吉田輝雄さんと近藤和彦さん
を意識したのかどうかは
分からないけれど……
記事は拾いもの、62年9月らしい
映画公開2ヶ月前
タイムラグを考えると
対談はこの試合が行われた頃のものだろう
※編集後記
この記事を書いたのが2020年秋分の日
この翌年に牧秀悟が現れ
ほぼ1年後の9月29日に
桑田武さんの球団新人安打記録を
62年ぶりに塗り替えたんですね