最初のギャップは小4のとき。

大学病院の整形外科教授曰く

「ひょっとしたらごくごく軽い脳性麻痺だが

これくらいならなんでもなく成人したら治る

特に病名はなし」

「水泳は全身運動で良いから是非」

自分としてはしつこく指示ばかりされて

その通りに身体が動かせないのだし

『これで病気じゃないの?』

って戸惑い、不安は正直あった。

 

整形外科教授は優しい方だったが

検査医は全員文句と愚痴ばっか。

言うとおりに身体が動かせないから

診察に訪れてんのに、それがスッポリ頭から

抜け落ちているような。

真面目に対応しているのに出来ない

不安を抱いている子どもからすると

極めてツラすぎる態度だった。

例えば脳波検査

「これじゃまともなデータなんか取れないよ

困ったなぁ……

震えないでまっすぐしてください」

『だから自分としては真っ直ぐしてる。

一体どうしたら良いのですか?』

自らに問題ありと責めるばかりで

口には決して出せず、

もがいて余計に震え曲がるだけ。

脳波検査は長時間、念仏みたいに

「まともなデータが取れない」と

舌打ちと愚痴が聞こえてたのに

検査結果「異常なし」って言われても

釈然としない思いは強かった。

当然教授や親にも細かい経緯は話せず。

これが私の病院嫌いの始まり。

 

とは言え水泳(を含む運動)という

解決法も明示されたので前向きにもなれた。

 

見た目とは真逆、運動能力が著しく低いだけで

運動自体は嫌いではない、というか、

むしろ他の子どもより

外で良く身体を動かしていた方だった。

幸いプールも大好きで

区のプールや冬場は他区の温水プール、

もっと大きな施設のある

後楽園プールにも頻繁に遊びに行っていた。

監視員から特に注意を受けた記憶もなかった。

水泳は息継ぎがうまく出来ないので

バタ足で10メートル弱が限界。

平泳ぎは複雑な動きなので

ど~しても「なんちゃって平泳ぎ」

これまでのプール遊びだけでは

足りないという解釈。

きちんとした動きもマスターする

必要があるのかなって、

母が調べて理念のあるらしき

お茶の水の水泳教室に通うこととなった。

 

ところが開始10分ほどでプールから

強制的に出され特別室に連れて行かれた。

責任者のおばさんと、

ドクターと名乗るおっさん。

母が経緯を改めて説明するも

かいつまむと

ドクター高圧的に

「はい、こう動いてみて、今度はこう」

あきれ顔でため息つきながら「う~ん……」

「大学病院の医師が何と言ったかは知らぬが

こんなんで何でもないわけがなかろう」

責任者のおばさん

「(博愛だ、平等だ立派なスローガンを掲げる)

当団体ですが、決して貴方が

解釈されるような意味ではないのです、ハイ。

うちではとても見られないのでご遠慮ください」

と早口でまくし立てている。

子供心にスッゲー恐怖で

プライドもズタズタに、病状がそれ以降

余計に悪化してしまった。

 

以降病名がつかない

不自由を大袈裟に扱われた際

説明できない辛さ

『医師から何でもないって言われているのです』

「何でもないわけないじゃないか!」

の押し問答が何年も、事あるごと

辟易するくらい続くこととなる。

自責の念で抱えてしまい

悩みを打ち明けることはなかった。

 

整形外科教授はご自身も

小児麻痺を克服された方だった。

それ故善意でアドバイスをくださった。

が「何でもない」って言葉のみで

診断名がないことが、社会との軋轢を呼ぶ、

それは全く想像が及ばなかったのだと思う。

これが当事者でなければ分からぬ弊害

説明しても他者が理解できぬもどかしさ。

父親からは「クセ」って言えとアドバイス

しかしこれはクセ者wで、

更に事態を悪化させるだけ。

たかがクセ、何故治せない、と鼻でせせら笑い

相手の態度をより硬化させてしまう。

何でわざわざウソつかなアカンの?

気持ちが卑屈になるだけだった^^;

 

よ~するに自分としては

生きていく上で確かに

何でもないのだけれど

人それぞれに温度差(ギャップ)があって

大袈裟な人間、普通に扱ってくれる方々

前者だと不自由が障害に変換されてしまい、

後者だと単なる不自由で普通に暮らせる。

故に障害って多くの場合、

社会が貼った一方的なレッテルだと思うナリヨ。

ここは一つ発想のくるりんぱが必要じゃないか

不自由に目くじらを立て

障害に変えないようにしませんか

これが当ブログの繰り返している主張。

 

その後の苦労は色々あったが

最難関の一つは証明写真。

ハンコ以上に煩わしい。

ど~しても真正面を向いた写真が撮れない。

まっすぐというのが、

ど~いうことか全く分からない。

写真屋だと、色々指示され怒られた挙げ句

何もこんなときシャッター押さんでも

という顔の写真が出来上がってしまう。

こんなんでいちいち神経をすり減らしてたら

いい加減身が持たないので

当時は専ら街にあったコイン式「即席写真機」

これで繰り返し撮って、比較的マシなのを。

 

それでも場合によってはウルサかった。

写真まっすぐっていうけれど、

普段傾いてるんだから

傾いている方がフツーなはずで、

却って判別しやすいじゃんwww

人それぞれジョーシキ、事情は違うのよ。

診断書?何でそんなもんいちいち要るん?

ふざけてなくって、真っ直ぐ出来ないの。

でも医師は何ともないって診断するんだよ。

確かに見ようによっては

イジョー、ギャップばっか。

些細なこと目くじら立てなきゃ

自分にとっては通常、単なる不自由。

渾沌、七竅に死す。左差し

 

さて現在

これから先、手続き手続きで忙殺されそう。

ついに投了、マイナンバーカード発行決意。

ワクチン券と一緒に捨ててしまった書類を

役所に再郵送申請。

普通でもメンドーなお役所、

更にコロナでウザイことこの上ない、

カードさえあれば

コンビニで自力で完結できることが多いのは

ヒジョーにミリョクテキ。

 

で、証明写真ですよwww

最近は自撮りが出来、気楽。

フィルムじゃないから何度でも

シャッター出来るし。

表情も自分で見ながら

マシな時シャッターを押せる。

随時抱えるショーメイショだから

あんまし変な自分を見続けていたら

鬱になっちゃうもんね^^;

 

とは言え、これだって結構大変。

日またぎで のべ何時間もかけて

体勢を変えながら何回もシャッター

それで1枚を選ぶ。

説明にはNG写真例があって

案の定傾きは典型的なNGらしい。

厳密に見れば

これだけやっても立派なNG写真www

 

しかし最近は配慮もある世の中、

理由を明記さえすれば

NG写真とされるものでも通るらしいので

多分大丈夫だろう。

まさか証明書だの

医者の診断書だの出せなんて言わねぇよな。

 

肩書き、証明なんてクソ食らえ。

間黒男さんに共感することの多い

ヘッポコ人間^^;

 

(印鑑の)ちょいかすれ、

(写真の)  ちょい傾きくらい

いいじゃないか人間だもの

みつを

 

人間みなチョボチョボや。

どんな屈強な人間でも

最後は当たり前の日常所作で

他人様の手を借りる。

それが早いか遅いかだけ。

 

以上駄文に長々お付き合いいただき感謝。

コロナソードーだっておんなじ構図なのだよ

何でもない、大した問題じゃないのにカジョーに

目くじらを立てたって仕方ナッシングなりよ。