「いい気分が、いい現実を引き寄せる」


スピリチュアルや引き寄せの法則を学んだ多くの人が、この言葉に出会う。

私もそのひとりだった。


そして、こう思った。

「だから私は、いい気分でいなきゃ」

「落ち込んでちゃダメなんだ」

「悲しいのは、悪い現実を引き寄せてしまうことなんだ」


そうして私は、本当の気持ちをなかったことにしようとした。


心の奥では泣いているのに、コーヒーを淹れて、作り笑いをして、

「うん、気分よくなってきたかも」なんて言い聞かせる。

でも、それは全部フェイクだった。

泡のように、ふわふわしていて、何も手応えがない。

それどころか、どんどん自分の中心がわからなくなっていった。


私は気づいた。

これは“気分を選ぶ”ことじゃない。

自分を置き去りにして、ただ「ご機嫌な自分」を演じているだけだった。




本当のいい気分を選ぶとは


(スピリチュアル引き寄せでつまずいた私が見つけたこと)


今朝、目覚ましが鳴った瞬間、私は心の「ニュートラル台」に立っていた。

特別に気分がいいわけじゃない。でも、悪くもない。

ただそこに、静かにいた。


すぐに起きようと思えば起きられた。けど、どこか心が抵抗していた。

「あと8分だけ…」そうスヌーズをかけて、その時間を、自分に「ありがとう」って言ってあげる時間にすることにした。


——ありがとう、って。

ただ生きてることに。今ここにいる自分に。


でも、その瞬間だった。

あの黒い雲が、やってきた。


「私は無力で、何もできない」

「外の嫌なことが勝手にやってきて、それに耐えるしかない人生」

「私は、ずっと耐えるしかなかった人間」


そんな声とともに、頭の中に重たい影が押し寄せてきた。

昔の私なら、もうその雲にすっかり飲まれていただろう。

でも今朝は——違った。


私は心の中で「だめだめだめ、戻って」とつぶやいた。

そして深呼吸。

「ありがとう」と、もう一度自分に言ってみた。


すると、その黒い雲は、ふわっと向こうに消えていった。


かつての私は、“気分を選ぶ”を誤解していた。


スピリチュアルの世界ではよくこう言われる。


「いい気分が、いい現実を引き寄せる」

「だから気分を“選ぶ”ことが大事なんだよ」


その言葉に私は本気で向き合った。

だから、落ち込んだ時も、怒りに飲まれた時も、「いい気分にならなきゃ」って頑張った。

本当は心の奥で泣いてるのに、コーヒーを淹れて、気分が上がったフリをして、笑ってみたりもした。

でも、どこかフワフワして、全部が泡のように感じた。

「本当は、上がってなんかいないのに」

「無理して“上がったフリ”してる自分」が、どこか遠くにいた。


今朝、私がしたのは、上げることじゃない。“戻る”ことだった。


私は、今の自分を否定しなかった。

ただ「ありがとう」と言って、深呼吸して、自分の“ニュートラル”に戻った。

そして、そのうえで「選び直した」——自分に優しくするという気分を。


これは、無理やり気分を変えることとは全然違う。

たとえるなら、感情の階段を一気に最上階にジャンプするんじゃなくて、

まず1階に足を置いて、「次、どうしようか?」って自分に声をかけるようなもの。


本当の“気分を選ぶ”って、こういうことかもしれない。


無理に明るくなるんじゃない

今の気持ちに寄り添ったうえで、次の気分を“選び直す”

「私は大丈夫」「私はここにいていい」と言ってあげる

小さくても、自分に力を戻す選択をする


今日の私は、それができた。

ただの8分間だったかもしれない。けど、あの8分間で私は、昔の自分とは違う選び方をしていた。


昔の私は、「引き寄せ」を自分へのプレッシャーに変えていた。

でも今は、自分に優しくすることを“選び直せる”ようになってきた。


この違いがわかるだけでも、私は少し自由になれた気がする。

そして、そんな朝を迎えた自分に、やっぱりもう一度——ありがとう。


ソフィア