親子共闘、二人三脚の受験の日々は、グランドフィナーレが近づいてきました。親御様はこれからの受験のことで心配な面もあるとは思いますが、一抹の寂しさもあるでしょ。こんな受験はもう二度と訪れないものですから。
お母様にとっては、長らく続いた幼児教育の最終地点でもあります。だから二月の勝者になり、月桂樹を戴冠することを渇望しているかもしれません。その気持ちはよく分かります。それを二月の勝者では狂気と表現されていたでしょうか。
でも実際には・・・この勝負の結果は、子供の将来にはほとんど関係しません。練習試合みたいなものです。
私自身は、一応名古屋ではトップの私立中学であった東海中学に入学して東海高校を卒業していますが、そのことがどのくらい人生に影響を与えたのかというと・・・殆どないでしょう。別に他の高校に進学していても、同じような人生であったと感じています。
しかし、中学受験を経て、能力を鍛えられたことは、後々の人生にポジティブな影響を与えてくれていると思います。
私も一生懸命に勉強したとは到底言えないのですが、中学受験に取り組めた道のりがあったからこそ、頭を使う仕事も可能になったのではないかと感じています。
医学部受験生は、多くが中学受験を経験しています。時々、そうではない受験生とも出会うのですが、話を聞いてみるとやはり中学受験的な学習の経験があることも多いものです。やはり早期学習によって能力開発され、大学受験ではサラブレッドとしての走力や嗅覚を発揮してくれることも多いものです。
二月の勝者を目指してきたのかもしれませんが、実は一月までこられたことこそ勝者ではないかと思うのですよね。もうこの時点で勝者といって間違いないと思います。
これから訪れる受験の結果は、受験の神様が決めてくださいます。頑張ってきた子供達のために最適な進学先を決めてくださいます。その神託を受けられること自体、誉れ高きものでしょう。
中学受験は、親のエゴでなされている部分はあります。
私は思いますよ。素晴らしいエゴじゃないですか。こんなに愛に溢れたエゴを作り出すことは、普通の親では出来ないものです。
いつもいつも、お母さまの愛があってこそ、この受験は成り立ってきました。
かつては、ヨチヨチ歩きで塾の入口に吸い込まれていった子供が、立派に育って戦いの場に歩を進めていきます。受験会場に入っていく子供の姿を見られるのは、立派に親業を務めた人だけにしか許されない瞬間です。
最後の最後、子供が一生に一度だけしか上がれない晴れ舞台をお楽しみください。
私はいつも、遠くで心よりお祈り申し上げております。
いくた