中学受験生が受験を辞めたくなるとき | 中学入試と医学部入試の道の駅

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小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

GWを過ぎて、受験生はまた受験への道に踏み入っていくわけですが。

 

受験生の中には”受験を辞めたい”と思う生徒もでてくるわけです。今後も厳しい修行が続きます。

あと2カ月すると、受験生以外には小学生として最後の”世界で一番楽しい夏休み”が発生するわけです。

ところが受験生には”世界で一番苦しい焦熱地獄”が到来します。

 

私自身の統計によると、一度は受験を辞めたいと思う中学受験生の割合は半数を超えるでしょう。おおよそ7割程度ではないかと感じています。

勉強のつらさに加えて、受験へのプレッシャーも加わるわけですから。

特に受験直前には、受験勉強での優等生であったような生徒から、このような話を聞くこともあります。優等生は大人びていることが多いですから、この受験が自分だけの受験ではないことをよく知っていますし、様々な不安感からスランプに陥ることも多々あります。

 

お母さん方も、子供から”受験を辞めたい”ということを聞くかもしれません。そんなときにどのような対応をとればよいか?

 

まず、子供からこのような話を聞ける状況であったということは、受験への取り組みが良好であったということを示しています。お母さんに本音を話せるような状態であったこと、お母さんが最後の砦として機能してくれていることを示しています。お母さんが怖くて本音を話せないような状態ではなかったということですね。

 

受験を辞めたいという子供の声に対して、私の意見としては”辞めたいならば、いつ辞めてもいい”というような返事をしておけばいいと思っています。

この意味は2つあって・・・

①いつでも辞められるという気持ちが、受験継続の意識に繋がるから

②本当に辞めてしまっても大したことではないから

 

12歳の子供が人生初めての受験に挑むのですからとても大変なことです。お母さんの庇護の下で頑張っていけるのであれば、それが自信に繋がり、受験に対して自力を出せるような子供になっていけるでしょう。

つまり、受験を継続して、受験で結果を出すためには、お母さんに"母なる大海"になっていてほしいということです。

 

そして、今日はもう一つの意味があります。受験なんて辞めてしまってもいいと私自身は思っているということです。

私は大学受験の指導も受け持っています。医学部受験の生徒をメインに見ているのですが、やはり優秀な生徒は中学受験を経験して一貫校を卒業していることが多いです。

時々、公立中学から公立高校を卒業して、優秀な学力を有する生徒もみかけます。そしてそういった生徒の中には、中学受験を経験して志望校に合格できずに、公立中学に入学した生徒もいます。つまり中学受験の本当の利点は、私立中学に入学することではなく、早期から能力を開発されることや学習習慣が付いていくことにあるのではないかと感じています。

だから、早期教育による構えができたのであれば、中学受験の恩恵は大部分が得られたものだと思います。

 

私は中学受験では努力出来た軌跡が重要だと思っています。それが人生の中で、有形無形に助けになっていくものでしょう。


だから、重ねて申し上げますが、お母様方は今後想定される揺れには大きく構えていただきたい。母なる大海があるからこそ、子供達は小さくても立派な戦士として、荒波の中を航海していけるものですから。


いくた