中学受験での食塩水の濃度の問題 | 中学入試と医学部入試の道の駅

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食塩水の濃度の問題。

面積図や天秤算など、いろいろな手法が使われている。

そういった技術面だけに気持ちが奪われてしまうと、問題の意図が掴めず、結果として典型問題以外は解けないことになる。


食塩水の濃度に関して、正しく理解がなされているかどうかというのは、このように尋ねてみれば分かる。

 

①濃度は割合である

 

濃度はもちろん水溶液全体に対する食塩の量の割合のことである。

”30%の濃度の食塩水”といったときに、100gの食塩水の中に30gの食塩が解けているという意味であることが分かっているか?そんなことは当たり前と思っているのであれば大丈夫だが、意外と分かっていないことも多い。

ちなみにここで30%の食塩水は濃すぎる。そんなに食塩は解けないツッコミを入れられるのであれば、それは理科が得意であるということだ。

 

②食塩水の濃度の問題は平均の問題である

 

10%の食塩水300gと5%の食塩水200gを混ぜたときの濃度を求める問題、というのは、テストで10点の人が300人、5点の人が200人いるときの平均点を求める問題と同じである。つまり、混ぜることは平均を取ることと同じである。


これが分かっていれば、濃度に関するイメージは正しくできていることであろう。

濃度問題=平均の問題ということは大人でも分かっていないことも多い。濃いダシと淡いダシを混ぜると、中間のダシになるということなんだけど。



"濃度は割合だよねー"

"食塩水の問題って平均だよねー"

このように子供に聞いたときに、どのような反応をするかで、理解度は分かってしまう。



そして、東海地区の中学入試では、食塩水の濃度の問題はかなり少ない。特に南山女子と東海では食塩水は殆ど絶滅レベルだ。やっぱり、面積図な天秤算を使わねばならないようなテクニカルな問題は、本質性の面から好まれないのだろう。


いくた