そこから先、速さとはなんたるや?を心に置けるかが中学受験では大切だよね。それが分からない生徒はなかなか受験算数には辿り着けないかな。
例えば、こんな問題。
A地点とB地点は、直線で結ばれている。太郎君はA地点からB地点に向かって、次郎君はB地点からA地点に向かって歩き始める。二人はA地点とB地点の真ん中から100mのところで出会った。A地点とB地点の距離を求めよ。
ただし、太郎君と次郎君の歩く速さの比は3:2である。
速さと比の問題である。別に難しくはない問題ではあるが、速さの比が距離の比と一致することがイメージ出来ていないと、入試時点では厳しい。このイメージが速さの概念と近いものじゃないかな。
私が解説するときには、相手によるが、すぐに
「出会った場所は、3:2に分けられるところだね」
と言ってしまう。このとき首を傾げるようならば、速さの概念が成り立っていないということ。
速さとは難しく言えば、単位時間あたりの距離だが、そんな言い方が重要じゃなくて、イメージできていればよい。
新六年生で、上の問題をスラッとやれるならば、okだね。(上の問題は私が適当に作ったもの。なんとなく東海中学なテイストになってしまっているのは血統だから仕方ない)
"はじき"とか"みはじ"とか、最初は書くことを認めるが、いつまでもそんな形式に囚われていては厳しいな。
じゃあどうするのかというと、本当にシミュレートしてみる。実際に速さとは何のことなのか、やってみるんだね。
旅人算のときなんて大変よ。部屋の中央に机を置いて、グルグル何周しているんだ?みたいなことをやって理解してもらっている。紙上に書いたって分からないから。
子供は抽象化に弱い。なるべく具体性を持たせること、実体験を伴わせることは、非常に重要だ。
つまり・・・とても疲れる。
本当は大学受験でも具体化は強力な武器なんだけどね。
いくた
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