来期に向けて捲土重来を誓う諸君に浪人生の25年先輩である幾太郎からアドバイスをさせていただきたい。
浪人生の時間はあっという間に流れていく。予備校のカリキュラムは、4月から7月までにおおよそ一通りの復習を終える。その後夏期講習を挟んで、実戦期を迎える。三年間かかって出来なかったことを三ヶ月でおさらいするということだわ。(これは医専じゃなくて大手予備校です。小さいところはそれぞれポリシーがあるから)
もう何となく無理な気がするよね。浪人しても学力が上がるのは三割といわれているけど、単なる俗説じゃないよね。
だからしっかりと今のうちに始動しておいてほしいわけだ。こなすことが無理な気がするカリキュラムだが、ちゃんとこなせている人はたくさんいる。それは正しく準備していた人だと思うな。
では、どんな準備をすべきなのか?理系数学を例にしてお話ししたい。
理系数学の総本山といえば数Ⅲだ。更に絞ると微積分だね。登場率No.1は間違いない。じゃあその問題を解くために、何が必要なのか?
まず、三角関数や指数対数関数の理解が必要だよね。逆にこれが曖昧だと、微積分は滅茶苦茶難しく感じるし、理解できないだろう。
その後には、微積分の計算が出来ていないといけない。これが素早く正確に出来ないと、微積分の本丸には辿りつかない。
つまり私がいいたいことは何か。入試問題の本丸は、ビルの10階のようなものだ。そこに行かないとゴールできない。
そこであなたはどうするだろう。10階だてのビルを作ろうとするか、10階だけのビルを作ろうとするか。
入試前の最後の時期は、自分の現状に関わらず、10階にトライしていただろう。足場が弱くて難しかったかもしれない。それはそれで、敵を知ることが出来たので有益だった。しかし、次は敵を知るだけではなく、敵を倒さねばならない。
だから、足場から組むんだよ。
数学で今からやって欲しいことは、教科書の復習だ。
「教科書を舐めていては東大に合格できない」東大に合格した人ならばどういうことなのか分かるだろう。分からないのはサンシタだから。
教科書を読んでみると、気付きがいろいろと発生するよ。
他にやってほしいのは、計算練習と典型例題。計算練習は、ウカケーとかでいい。毎日毎日やり続ける。
典型例題は、教科書で充分だけど、チャートの基本例題くらいが脊髄反射で解ければいい。私は暗記数学には否定的だが、ある程度はパターンが入っていないと、どうしようもない。
予備校の授業が、ビルの5階を作ろうとしているときに、あなたが最低でも4階に到達していないと、そのビルは瓦解する。だから最初から建築しやすいように、予備校開講までに、足場を組んでおきたい。
リトライを決めたあなたに言いたい。これから先の一年は、厳しい一年になるだろう。でも、無駄な一年ではないよ。私も25年前のあの一年があるからこそ、今の自分があると思う。
いくた
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