中学受験指導をしていて残念だと感じること | 中学入試と医学部入試の道の駅

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小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

私は中学受験に関しては賛成派である。小学生の時期に頭脳を駆使して、能力開発を行うことがその後の人生にプラスの影響を与える。これは学問の世界のみならず、社会人となってからも影響を与えているものだと感じる。

しかし、中学受験は、小さな子供が挑む人生最初の戦いで、その戦い方によっては先々に良くない影響が出ることもある。

中学受験の勉強は、本来はとても創造性が高く、思考力が問われるもので、物事への興味関心から、解釈理解へと進んでいくことだと思う。ただ、こういった知的刺激を与えていくことは、困難を感じることも多い。個人差が大きいから。

だから、画一的な詰め込みを意図したような指導をする塾も少なくない。それは中学受験そのものには悪くはないのかもしれない。それで合格できることも多いので。

ただ、それは後々大変な事態を招くこともある。本人が詰め込みこそが勉強だと勘違いしてしまうと非常にまずい。
中学受験では考えるより覚えてしまった方が楽かもしれない。理解するより慣れてしまった方が得点できるかもしれない。

しかし、大学受験に至るとそれは通用しなくなっていく。私達が大学受験指導をする際に、詰め込みこそ勉強という考え方を、どのように棄てさせるかが問題となることも多い。

中学受験での詰め込み学習で合格を勝ち得てしまっている場合は更に苦しくなる。成功体験を棄てさせることはとても大変だ。


どこの塾がどのような方針で学習させていたとしても、上位層は全く影響がない。上位層は詰め込み学習をさせても、卓越した頭脳で消化吸収してしまうし、不足な部分は自分で何とか補ってしまう。
どこの中学受験塾でも、上位層は上位校に進学して、大学受験でも上位を占める場合が多い。私が懸念するのは中の上から上の中くらいの層。
このくらいの層は、どの中学受験塾に通って、どのような結果だったのかが、大学受験に大きく影響する。

あー、この子は中学受験しなければもっとマシな大学受験になるのに

と感じてしまうことはしばしば。こう感じてしまえる人達がどの塾出身でどの中学高校出身なのか、統計的に明らか。
だから予備校の先生方も、◯◯高校出身者は能力やモチベーションの差が大きいけれど、何故なんだろうと疑問を持っている。

そして、昨日の記事に貼ったkiri先生の記事も読んでほしい。全くこれだわ。

ちなみにkiri先生と私は全く面識はありません。共通点はオッサンズということですが、kiri先生のプロフを読んだら、私より5歳も若いということがわかって、ショックを受けたところです。

いくた