マッチポンプだな | 中学入試と医学部入試の道の駅

中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

一昨日の記事で私はとにかく勝ちたい人間であることを書いた。今でも勝ちたい。そして短絡的勝利のために手段も選ばない。長期的な配慮も無視する。

最近感じていること。中学受験の弊害に関することだ。
私は上位生を指導するときには、とにかく様々に考えさせることにしている。間違った考え方をしてもよい。それが何故間違いなのかを考察することも良質な学習の一部だと思うし。短絡的な解法を覚えさせてしまうような、もったいないことはしない。そんなものは塾の仕事ですわ。私の仕事じゃない。
そういう学習をストレスに感じる子供は上位生には少ない。分からないことを分かったフリをして分からないなりに解いてしまうことは、上位生にとっては解けないことより気持ち悪い。

対して、中位生を教えるときには、単に解法を覚え込ませる指導をすることが多い。その方がストレスがない。そして中堅処の私立中学ならばそれで間に合ってしまうことも多い。単に反復演習で脊髄反射的に解かせてしまう。それで勝ててしまうからいいのよ。

しかしこんな指導を受けた子供は、将来とんでもない壁に当たってしまうことも多い。大学受験では脊髄反射的な解答はだいたい外れる。少し考えれば良いことなのだが、子供の頃から脊髄反射こそが勉強のすべてだと思い込まされているので対処できない。自分の解答が間違っていると、脊髄反射トレーニングが足りないと思い込み、更に泥沼化していく。努力しても成果が上がらない生徒の多くはこの難病に冒されている。

ちなみにこの難病には、特効薬がない。思い込みを徐々に解除していくしかないが、なかなか難しい問題だ。
うちの予備校で、この難病に罹患している人も結構いることがわかってきた。この夏に難病の治療をしてみようと思っている。マッチポンプではあるが。

いくた  演