シェルター・アウトリーチ | フィラデルフィア ICM 便り

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ソーシャルワーカーの見たアメリカ底辺事情

この仕事をしていると妙な所であまり覚えのない人に声をかけられることも多し。道やバスや電車の中、グルームホームやシェルター、果ては精神病棟の中でまで。


知らない人が声をかけてくるわけではないんです。あちこちのグルームホームやシェルターなどに住んでた人が多いんです。こちらが定期的にクライアントの訪問や何やで訪れるものだから覚えてるんですよ。何年経っても。でもこちらははっきり覚えてない場合も多い。


今日もクライアントに会いに行く途中のバス停で女の子に声をかけられ「**チャン(私のクライアント)に会いに行くの?彼女元気?」と聞かれた。顔は何となく見覚え有るんだけど「はて、どこであった人だっけ」。後で、クライアントが住んでいるグループホームに何年か前に居た女の子だったと思い出しました。


精神病棟でもクライアントの見舞いに行って、あちこちのグループホームで見た顔に出くわすこともあり「あんた、こんなとこで何してんの」と茶々を入れて笑わすこともあります。皆、クライシスも有りだけどがんばってね。


この仕事を始めた時に大型シェルターでアウトリーチを週、2回インターンでしてたことがあります。体育館くらいの場所に殺風景に長テーブルと椅子がドーンと並べ置かれてるだけのそのでかい空間で男達が200人以上、暇を潰してるんです。もう圧巻というより、異世界。その中を歩いて回って、精神病を病んでいて医者にリンクすることが必要な人がいるか見て回るアウトリーチ。


最初にその超空間の入り口に立った時は「ひえー、どないせいちゅーんじゃー叫びと絶句。女子なんてひとりもおらん。そのシェルターの入り口の受付に二人か三人の若い女の子がいたけど、誰もその体育館内には怖がって入りたがらない。そうも言ってられへんわ。ここまで来たら最後までやらしてもらいましょう。で、その体育館内を歩いて、話して、話しかけられて。色んな人に会いました。色々な相談も持ちかけられて。


それを何ヶ月かした後は、道を歩けばホームレスの知り合いに当たるという状態に。その後、二、三年は「ああ!覚えてはります、オレのこと?今は**にいますねん。弟がね・・・」てな具合で話しかけられて、こっちはあいづちを打ちながら必死に「顔はなんか覚えてるけど名前、なんやったけ。弟ということは、彼はマイクやったっけ」と頭の中で貧弱なメモリーをフル回転させる羽目に。なにせ、数ヶ月で何百人という人と接して、話していたので、メモリーはパンク状態。


このシェルター・アウトリーチはもう8年ほども前のことですが、今でもたまにそこからの男達に出くわすことがあるんですよ。悲しいのは未だにホームレスから抜け出ていない人が大半ということ。


日本人の知り合いは一人もこの街にいないのに、ホームレスの知り合いはたくさんというのは、どこでどうしてこうなったのやら。でも彼らとの出会いで色んなことを勉強させてもらってます。


一期一会。どんなものでも出会いは意味があるし、大事やね。