モンスター・ライド | フィラデルフィア ICM 便り

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ソーシャルワーカーの見たアメリカ底辺事情

今日、アパートの前の道路を何百台(文字通り)というモーターサイクルが通り抜けていきました。壮観です。チョッパー、スポーツ、サイドカー付きなど様々。何かイベントに参加のバイカー達の列だったと思われますが、イベントの確定は出来ませんでした。New Jerseyに渡る橋やInterstateにも通じる慣用道路でもあるので、ひょっとしたらハリケーン災害のサポートか何かで、そちらに渡っていく旅程だったかもしれません。


それはたまたま古い小説を読んでいたところで、全くその短編小説のシーンを彷彿とさせてしまう光景でした。



片岡義男をご存知の方なんてもうあまりいないのでは。年がバレそうですが、彼は80年代くらいに独自のスタイルの小説を発表していた方です。日本の海や道路、街、夜の世界、男と女の情感などが西海岸の乾いた風を思わせるタッチで描かれています。何か映画のシーンか、よく出来た写真集の一片を切り取って文章にしたような世界なんです。後に彼は日系三世と聞いて、なるほどと思いました。



今日の出来事をリンクさせた短編は「スローなブギにしてくれ」という中篇集の中の「モンスター・ライド」という短編です。カリフォルニアの田舎町が舞台。モンスターと呼ばれたヘルス・エンジェルのリーダーの突然の事故死を知って、何百台というバイカー達が田舎町に葬儀のためにやってくるその数日の風景が不思議な短編映画みたいに語られているんです。偶然に本を読んだ後にそんな感覚を再現させる光景でした。