塾が考えている「難関校」の顔ぶれや序列は、塾ごとに違います。自塾や自校舎の情報だけに触れていると、なかなかそのことに気づかないかもしれません。これらは合格実績表記の順序や文字サイズ、志望校別特訓や志望校別模試の設定状況などから見てとれますので、それらをまとめてみました(やるからには徹底的に・・・笑)。志望校別特訓や志望校別模試の選択肢を探している方にも参考になるかと思います。

なお、私はそもそも学校に勝手に序列をつけること自体が失礼な話で、外野が勝手にあれこれ言うのは当事者にとっては余計なお世話だと思っています。しかし一方で、情報を集めていると序列的なものに触れてしまう機会は多いもので、情報に心を乱されないようにするには、全てを知ってしまうのも有効な一手段だと考えています。
ちなみに以下は首都圏に限定した話で、首都圏以外の学校は見ていません。たくさんの序列が出てきますので、人によっては見ていてモヤモヤする方もいるかも知れません。心の準備のうえご閲覧下さい![]()
◆SAPIX
合格実績の記載順
[男子] 開成、筑駒、麻布、駒東、聖光、栄光、渋幕、武蔵、…の順。
[女子] 桜蔭、女子学院、雙葉、フェリス、豊島岡、慶応中等部、慶応湘南藤沢、早実、…の順。
HPではあいうえお順表記ですが、配られる紙面では上記のような序列が見て取れます(ちなみに校舎ごとの合格実績の紙では、校舎ごとに「土地柄」を加味したまた別の順番になっていました)。
志望校別SO実施校 ※あいうえお順表記
[男子] 麻布、栄光、開成、慶応湘南藤沢、慶応中等部、慶応普通部、駒東、渋渋、渋幕、聖光、筑駒、武蔵、早稲田、早実、早大学院
[女子] 桜蔭、慶応湘南藤沢、慶応中等部、渋渋、渋幕、女子学院、豊島岡、フェリス、雙葉、早実
神奈川からは栄光、聖光、フェリス、慶應2校、千葉からは渋幕のみ、埼玉からはなし。早稲田はあって海城はないですね。早稲田は附属校要素が半分あるのでそっちの枠なのかも知れません。
◆日能研
難関校合格実績(抜粋版)記載校 ※あいうえお順表記
[男子校] 麻布、栄光、開成、駒東、聖光、武蔵、早稲田、慶応普通部
[女子校] 桜蔭、女子学院、フェリス、双葉
[共学校] 渋幕
日能研は基本的に学校に序列をつけることはしません。「みんながあけたドアの数」と表記して全ての合格をたたえる塾ですから。校舎でもらう合格実績の紙もいつも「あいうえお順」の表記でした。それでも、上記の学校を「難関校」として特別に意識していることは様々な場面に分かります。
附属校の数を絞っている他は、顔ぶれはSAPIXとほぼ同じです。特記すべきは筑駒と豊島岡がなぜか入っていないことくらいですが、この2校も後述の「難関校トライアルテスト」には出てきます。
といっても「序列をつけない」というのは本部系の考え方のようで、関東系校舎の合格実績書面ではバリバリ序列がついています。それどころか、「御三家何人!」とか強調効果も用いていて、まるで他塾のもののように感じます(→補足①日能研本部系/関東系の違い)。関東系の表記に興味がある方は、例えば池袋校のチラシを見て下さい。
難関校日特実施校
後期日特(志望校別特訓)では、他塾にはないかなり幅広いラインナップがあります。しかし「難関校」日特というくくりでは以下のみです。※なお、他塾から日特のみを受講することはできません。
[男子] 麻布、開成、駒東、武蔵、早稲田、慶応普通部 (あいうえお順)
[女子] 桜蔭、女子学院、フェリス、雙葉 (あいうえお順)
基本的に後期日特は2/1校でラインナップされておりますが、2/1以外の筑駒、栄光、聖光、豊島岡、渋幕などは土曜午前に研究講座として特訓講座があり、日特との掛け持ちが可能です。
難関校トライアルテスト(6年5月)で合格判定される学校
[男子] 開成、麻布、武蔵、駒東、慶応普通部、筑駒、栄光、早稲田、聖光、渋幕
[女子] 桜蔭、女子学院、雙葉、フェリス、豊島岡、渋幕
難関校合格実績(抜粋版)ではなぜか抜けていた筑駒と豊島岡も加わり、結局これらが日能研の考える「難関校」ということでしょう。
◆早稲田アカデミー
合格実績の記載順
[男子] 開成、麻布、武蔵、早慶中、筑駒、…の順。
[女子] 桜蔭、女子学院、雙葉、早慶中、…の順。
「御三家」という言葉を明確に使っているのは大手4塾の中では早稲アカ(と日能研関東系)だけでした。また、他塾と比べて早慶中にかなり力を入れていることも見て取れます。また、表の下の方まで見ていっても洗足はあってもフェリスが出てこないのが特記事項です。顔ぶれや序列が、他塾と比べると少し独特な印象を受けました。
NN志望校別コース設置校
[男子校] 開成、麻布、武蔵、駒東、早稲田、早大学院、慶応普通部
[女子校] 桜蔭、女子学院、雙葉
[共学校] 渋幕、早実
千葉の渋幕はあっても、神奈川の栄光、聖光、フェリスはないのが他大手塾に対する特記事項です。また他塾でも見られる傾向ではありますが、男子校に対して女子校が少ない傾向が他塾より顕著です。
◆四谷大塚
合格実績記載順
[男子] 開成、麻布、筑駒
[女子] 桜蔭、女子学院
首都圏の学校としては上記だけを特別扱いし、他は全てあいうえお順でした。
志望校別特訓実施校
[男子校] 開成、麻布、駒東、武蔵、栄光、聖光、海城、早稲田
[女子校] 桜蔭、女子学院、フェリス、浦和明の星
[共学校] 渋幕、早実
海城があるところと、雙葉を入れずに浦和明の星を入れているところが特記事項です。
◆希学園(首都圏)
武蔵が出てこないのは今年は合格者がいないだけかも知れません(過去には記載ありました)。一段小さな文字で渋幕、渋渋、筑附、早慶中があり、下記以外は全てあいうえお順です。
志望校別模試実施校
開成、麻布、駒東、桜蔭、女子学院、慶應中等部、聖光
◆グノーブル
下記18校を「最難関中」と考えているようです。
志望校別模試実施校
(日程は2023年のものです)
◆ジーニアス
下記だけ特記され、他はあいうえお順で記載されています。
ジーニアスは志望校別特訓のラインナップが非常に豊富です。少し例を挙げますと浅野、芝、鷗友、吉女、洗足、広尾、山脇などなど。自塾に志望校の特訓講座がない方には選択肢になるかもしれません。
◆エルカミノ
下記以外はあいうえお順です。
◆番外編①鉄緑会の指定校(15校)
東大と医学部の受験にほぼ特化した鉄緑会が「指定校」としている中学校を挙げます(在籍生徒順)。これらの学校を受験すると、受験日に(まだ受かるか分からない相手に!)「合格おめでとう!次は東大!」というチラシを配っています(→過去記事)。
[男子校] 開成、筑駒、麻布、海城、駒東、早稲田、聖光、栄光
[女子校] 桜蔭、豊島岡、女子学院、雙葉
[共学校] 筑附、渋幕、渋渋 (在籍生徒数順)
※過去に入っていて現在は外れた学校には武蔵、巣鴨、桐朋、学大附、お茶の水、白百合があります。
余談ですが、3年ほど前に各学校の鉄緑会在籍率を計算しました(→過去記事)。最新のデータでは、開成の53%、桜蔭の64%、筑駒の70%の生徒が鉄緑会に在籍している計算になります。3年前より各校5%くらいずつ在籍率が上がっていました。高3生とかでなく全学年で均してこの数字ですので、いやはやなんというか・・・![]()
◆番外編②東進スーパーエリートコースの指定校(現在17校)
鉄緑会と並んで首都圏難関大受験で定評がある東進スーパーエリートコースの指定校は以下17校です(2024年7月時点)。「指定校」と言っても、新中1時に入塾テストの受験資格があるというだけで、そこから合格率40%以下の厳しい入塾テストがあるのですが。
[男子校] 開成、筑駒、聖光、栄光、麻布、駒東、浅野、海城、早稲田、武蔵
[女子校] 桜蔭、豊島岡、女子学院、雙葉
[共学校] 渋幕、渋渋、筑附
◆最後に
これらは塾が勝手に作った序列です。これらに登場しないからと言って素晴らしい学校はたくさんありますし、受験中はこういった受験産業が作った価値観の影響を強く受けがちなものの、実際のところ、いざ入ってみたら子ども本人とご家庭にとってよい学校かどうかが全てです。情報に振り回されない学校選びをして下さいね![]()













