「日能研の良いとこ悪いとこ」という記事の補足の続きで、今日は理科・社会の注意点について書きます。個人の感想レベルの話ばかりですので、違う意見も多々あるとか思います。あくまで一意見としてどなたかのご参考になれば。

 

 

 

夏以降に他塾の志望校別模試や過去問を始めると、算数・国語は普通に戦えるけど、理科・社会で点数が取れないと感じる機会が多かったです。これには長男が知識系のインプットを後回しにしてきたからという側面もありますが、カリキュラムの特性もあると見ています。

 

私が思う一番の原因は理科・社会の知識量です。特に生物や地学では、日能研では最後まで出てこなかったような内容が他塾模試では結構出てくるように感じました。このことは日能研生でもコアプラスを併用している方なら思い当たるフシがあるのではないでしょうか。

 

 

 

しかし早合点しないで欲しいのですが、だからと言ってそれが問題かというと、必ずしもそうとも思いません。そのような「他塾では習っているのに・・・」という知識問題は、他塾の志望校別模試ではまあまあ出ますが、実際の入試ではあっても数点分ですし(*)、学校にもよりますが多くの場合は合格への寄与率は算数>国語>理科≧社会という感じになり、理科・社会の寄与率は高くはないからです(ただし、かなり学校によります)。

 

(*)「数点でも多く取れるならそれに越したことはない」という意見もあるでしょうが、その数点のために覚えるべき知識量が激増することでより肝心な本質の理解が疎かになったり、場合によっては中学受験を撤退する人もいるでしょうから、何度も書いている通り一長一短です。

 

例えばですが、コベツバさんが算出している武蔵中学の各科目の「合格寄与度」は図のように算数54%、国語21%、理科13%、社会11%です(「寄与度」は各科目の「配点」や「差のつきやすさ」で決まります。武蔵はちょっと極端ですが、算数が45%くらいの学校が多いでしょう)

 

 

これは過去問演習を始めてからの実感とも合っていて、算数で「合格者」平均点が取れてしまえば他の3科が「受験者」平均点でも合格点を超える一方で、算数が「受験者」平均点にとどまってしまうと他の3科で「合格者」平均点をとっても合格点に届かないなんてことが普通に起こります。

 

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こういったことを認識し、算国のどちらかに苦手がある方は早めに手をうつか、あるいは4科均等配点の学校を優先的に志望校に入れるなど対策を講じるとよいと思います。当然ながら、4科の偏差値が同じでも、算数で稼いでいる人、理社で稼いでいる人、バランス型の人は入試の結果はだいぶ違ったものになります

 

各塾の志望校別模試や志望校対策講座は(日能研でも!)実際の入試問題よりも知識面で難しめに作られていることが多いですが、本番の入試ではそれでも知らない知識問題も出ます(つまり、知識はどこまで覚えてもきりがありません)。しかし入試では満点を取る必要は全くなく、合格最低点を超えればいいのです。

 

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繰り返しますが、最後は志望校の入試で合格最低点を超えられるようにすることが全てです。普段の志望校別でもなんでもない模試で(ましてや他塾の模試で)偏差値がどうとか順位がどうとかいうことはほとんどどうでもいいことですし、どこの塾で学んだとかも関係ありません。私は9月頃からはその境地に至り、迷いが消えてずいぶんと気持ちが楽になりました。

 

長男の場合は結局最後まで知識部分では「コアプラスを完璧に」なんてできませんでしたが、それでも第一志望校や第二志望校を攻略するうえで大きな問題にはならなかったと言えます。それよりも、最後には「論述で覚える」や「思考力で解く」のような本で得点力が上がったと思います(これは学校によるでしょう)。