ジュクコ先生の「中学受験塾評定」動画が各塾アップされています。文字起こししましたので、ご参考まで共有します。あまり色は加えていないつもりですが、気になるところは元動画を参照して下さい。

 

 

サピックス編

最もいいところは教材。ハイレベルで難関校に特化している。そのまま適用可能なのは聖光学院、開成(これは特訓も込みで)、早稲田中あたり。あまりできない子でも解法をどんどん覚えさせてできるようにしてしまおうという考え方の塾。そういうやり方なので、業界の基準である四谷大塚の8倍くらいのしんどさ(分量としては2倍くらい)となり、子供の負担はナンバーワン。塾自体がそうさせているわけではないが、クラス分けが激しいので詰め込みに走りやすく、式を書かない、図を描かない子が多い傾向。思考力が育たなくなるパターンに陥りやすいのは懸念点。親の負担も圧倒的にナンバーワン。宿題チェックや縛りがなく(→子どもにとっては居心地がいいが…)無理やりにでもやらせないとなので親が大変。

 

四谷大塚編

今の6年が新テキストの1年目で、今年はトップ層の合格実績は上がるのではないか。予習シリーズをはじめちゃんと本になっている安定したテキストがあって勉強しやすい。予習シリーズは難し過ぎる部分もあるが、カラーでよく整理されたレイアウト。四谷大塚が業界の基準。準拠塾はピンキリ。4科のバランスが素晴らしく、理社の情報量も多い。他塾では算数を重視し過ぎのパターンがあったり、日能研だと4,5年の理社は物足りなかったりするが、できない子など4,5年時は理社をやった方がいい子もいると思っている。4科のまとめは理社国は素晴らしい(改訂内容には疑問あるが)。サピを意識して、新テキストは明らかに難しくなった。中の上~中の下くらいの子には5年算数がきつい。合不合テストは問題数がとにかく多く、スピードが速い子が圧倒的に有利なテスト。一方、今の難関校の入試はそうはなっていないので、スピードで点を稼いでいるような子だと、四谷で上位なのに開成に落ちるようなことがよくあるので注意。

 

早稲アカ編

四谷とほぼ同じ教材だが、上位校への算数やマスターテキスト(理科)などの(追加の)オリジナルテキストが素晴らしい。上位校への算数はレベルが高いのにまとまっていて、全部やればたいていのところに受かる内容。4,5年生の時に四谷と比べると復習テストが1~2週早い時期がある。復習テスト(カリテ)を一番大事にしてほしい(これは日能研も同様)のに、そのタイミングが1~2週ずれるのは対策しづらく、特に新しい内容ばかりの5年ではすごく負担。宿題も多いし、処理能力が高くてもそこが大変。世話も焼いてくれるし指導力も高い先生が多い(融通きかないこともあるが…)。NNは、最後の五番勝負は素晴らしいが、基本的に過去問の焼き直しなので、テストの結果が良くてもあまり信じすぎないようにしている。

 

日能研編

昔日能研に通っていたお父さん、お母さんなら割と当時と同じイメージで行けるはず。2000年代初頭までは日能研のカリキュラムこそが最も最適で上位校に受かりやすかった。今でも九州や四国では充分だが、関東では勝てなくなってきた。ただし個人的には割と日能研推し。教材のまとまり具合がよく、4,5年で計算とかを丁寧に仕込んで、割合や速さなどの難しい単元でも無理なく丁寧に進む。途中の考え方や式を書かせる問題が育成テストで毎回必ず出るし、算数や理科の考えさせる問題はサピックスオープンのB問題とは別ベクトルで素晴らしい。無理なく子供の可能性を伸ばせるという意味ではある意味理想のカリキュラム。関東ではなかなか勝てなくなってきていて、最難関校の合格者数が少ないので不安になるかも知れないが、上位に入れればあまり関係ない。上位の子たちには素晴らしい特訓授業があり、特訓授業に入れればあまりサピとも遜色はない。進度がゆっくり丁寧で6年の7月まできっちりやって、応用力をつけるのは夏から。夏が終わってから一番伸びるのが日能研で、逆転合格みたいな合格も多い。最後まで諦めずにやれば無理なく知識がついてくるので意外とやれる。サピについていけなかったり四谷でダメだったりしたら日能研に転塾してみれば良いのではと思う。気になる点は、問題集やテキストが白黒で、理社では面白みに欠ける(資料集はあるが薄い)のと、関東でハイレベルを目指そうと思うと若干進度が遅いので6年夏から間に合うかどうか。開成特訓とかの人数を絞り過ぎているので、受験者の頭数が少なくなってしまい開成とかの合格者数も増えない。いい内容の特訓なのでもっと多くの人数向けにやればいいのにと思う。

 

 

他にグノーブル編もありますので、興味ある方はどうぞ。世話を焼いてくれる版サピックスというイメージ。テストがサピックス以上に難し過ぎることがあるので、親の精神的な負担が半端ない、とのこと。

 

中学受験「だけ」乗り切っても意味はなく、「その先」を見据えた方法で頑張らないとと思っている私にとって、ジュクコ先生の考え方はとても共感できるものです。塾選び中の方や、既にどこかに通塾中の方にも、とても参考になる内容ではないでしょうか。

 

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