連載ですので1つ前の記事がまだの方は「その1」からお願いします。
 

 

前回書いた2つはどちらかというと前提(必要条件)で、
大事なのはむしろここからです。
 
③答えを見ずに「自分で」解くことを習慣化する
算数ではなるべく“解き方“を教えない方がよく、「自分の力で」最後まで解くことを習慣にすることが大事というのが私の持論です。
 
つまづいている部分に対してピンポイントのヒントだけをあげて、
「あっ、わかったひらめき電球」という感覚(アハ体験)を経験させてあげることが算数の面白さを感じることにつながり、学習効果も高めます。
 
↓関連過去記事

 

算数が好きという人の多くは、この感覚が好きな理由でしょう。
そしてこの感覚がある人は、むしろ答えを言われることを嫌がります(推理小説を読んでいる時に犯人を先に言われるようなものだから)
「あっ待って、分かった!」と説明を遮って続きを解き始めたり・・・
↑この言葉が出てきたらしめしめという感じです(笑)
 
中学受験算数では「○○算」などといちいち名前がついていますが、
それによって「○○算はこうやって解く」みたいな解法を覚える勉強法に陥りがちなことは、個人的には良くないと思っています。
 
例えば「植木算」なんて、習ってなくても本当はよく考えれば解けますし、「速さ」がちゃんと分かっていれば、習っていなくても「旅人算」も「時計算」も、よく考えれば解けます。そういう導入の仕方をする方が、楽しく取り組めると思います。ちなみに、「算数ラボ」に自力で取り組んだら自然とそんな感じになると思います。
 
↓中学受験してもしなくても、一番おすすめの思考系問題集。
難関校の入試本番では(一見)見たことがないような問い方をわざとしてくるものですし、それゆえに塾の模試でも生徒がその時点では初めて見るような問題をわざと出してきます。「自分で」考えて解く習慣がなければ、模試でもなかなか点数に結びつかないものです。
 

 

ただ、中学受験で難しいのは、本当はじっくり考えることが大事なのに、テスト時間はじっくり考えられるようなテスト時間になっていないし、カリキュラムもじっくり取り組んでいたら間に合わないようなスピードでこなしていかないといけないことです。

このために、中学受験をしていなかったら算数/数学が好きになっていた人が、中学受験をしたばかりに算数/数学が面白くなくなってしまっている(自信もなくなってしまっている)もったいないケースも意外と多いかも・・・と思います。
 
この矛盾に打ち勝つには、やはり前回書いた計算力を鍛えておくことは最低条件でしょうし、繰り返して(初めからパターン暗記するのではなく)「結果的にパターンを覚えてしまって」認識スピードを上げる努力も必要になってきます。でも繰り返すのは楽しくないし・・・本当に葛藤だらけでジレンマどころかトリレンマ、テトラレンマです。
 

「スピードアップ算数」は認識スピードアップを狙った素晴らしい問題集です。

 

また、少し違った(低い)次元の話をしますが、ある程度の時期までは算数の丸つけは親がしてあげた方がいいと思います。

答えが手元にあると、最初からいきなり答えを写す子は少なくても、
途中まで考えて最後まではできなかったけど、最後は答えを見て書いて合っていたことにする、くらいはかなりの子が悪気なくやります。
「普段はできるはずなのにテストではできない」の多くはこれです。
 
答えのないところで(さらにヒントすらないところで)自分で問題を最後まで解ききるということを習慣にできるかどうか。これが算数を楽しめるようになるための結構大事な分かれ道ではないでしょうか。
それを楽しみながらやるには?というあたりを次回書きます。