(49)PTSD患者と新型安定剤(SSRI・SDA)と暗示(プラセボ効果)
患者が歯みがき粉を薬だと思い込んで 飲めば実際に効果があるプラセボ効果は有名です。一種の自己暗示ですが、与える側が強く思い込んでも同じ現象が起きます。現代の薬品開発はこのプラセボ効果を排除するため二重盲検無作為法という複雑な評価法を採用しています。実際の臨床治療ではこのプラセボ効果を排除することはできませんが、仮にそれが存在しても不安定な一過性の効果と考えられてきました。しかしわたしの研究ではPTSD患者に意識的に暗示をかけた後に新型安定剤を投与した時にのみ持続的で安定した効果が確認できるのを発見したのです。
(48)PTSDと解離と催眠術
PTSDの中核病理現象である解離を理解するためには催眠術の原理を理解することが不可欠です。なぜなら解離は天然の催眠現象であり催眠術は人工的に作り出される解離現象だからです。わたしのPTSDの新型向精神薬(SSRI・SDA)による薬物治療における理論と実践の中核にも催眠の原理が極めて重要な概念として存在します。催眠・暗示により形成される人間関係「ラポール」がなければ新薬は治療的に働きません。
(47)行政(広島県・広島市)、マスコミ、医療のPTSD否認のための三位一体
2005年に広島県は精神科医の常駐するDV・児童虐待総合対策施設を多額の予算を投入して建設。これを記念した朝日新聞の特集記事は精神科医(私も昔からよく知っている人)のコメントを掲載しました。「お母さんとかで『うつ病』に なった人を診ます」2006年11月の広島市報でDV対策特集をしましたが「弁護士」「行政職員」のコメントはありましたが「精神科医」は出てこず「PTSD」の文字も記事のどこにもありませんでした。「名を言ってはいけないあの人」に遠慮する日本人特有の沈黙の体制が広島では完成したのです。その波紋は2007年には日本精神神経学会も飲み込みました(精神科専門医が診るべき疾患としてのPTSDの除外)。しかし2007年暮れから広島原爆医学研究所(通称原医研)が原爆「PTSD」再調査に言及し、2008~2009年に専門家(JSTSS初代会長金吉晴)と組んで調査すると宣言したのは、正義が巻き返したからではなく、権力構造内部の矛盾と対立が表面に吹き出しただけと思われます。うつ病と誤診されるPTSD患者さん。PTSDと診断されても有効で効率的な薬物治療が受けられない患者さん。医療は決して患者のために動いているわけではありません。残念ながら。
(46)日本政府公認のPTSDの生物学的、薬物治療研究の責任者は誰だったのか?
日本PTSD学会(JSTSS)(初代金吉晴会長)は薬物治療の無効を宣言しましたが、もともとJSTSSが担当していたのは心理療法のみでした。PTSDの生物学的基礎研究・薬物治療研究を担当していたのは厚労省から平成15~18年に4800万円の研究費を受領していた機関であり、それは二人の人物が中心です。これは厚労省のホームページで簡単に確認 できます。この研究は予定より早い17年に終了し、研究費3600万円を使用して終了しました。結論として「広島の名前を言ってはいけないあの人」によって、ストレス障害とは全て「うつ病」でありPTSDなる病気は存在しないと締め括られました、精神神経学会誌上で(2007年9月号)。 原爆「黒い雨」被爆PTSD再再調査に名乗りをあげた広島大学原爆放射線医科学研究所(原医研)とどう話をつけているのか、つけていないのか?東洋の神秘です。
(45)あいりちゃん殺害事件とPTSD専門家のJSTSS初代会長金吉晴
2005年に広島市であいりちゃん(当時小学一年)が性犯罪の被害者として出稼ぎペルー人に殺害されました。現在市内の小学校ではこの日が追悼日になっています。当然公の義務として傷ついた地域社会に精神保健対策を施さねばなりません。新聞にもさまざまな専門家の記事が掲載されました。一つの共通点として「地元の専門家が皆無」だったことがあります。2006年1月28日に日本PTSD学会(JSTSS)初代会長金吉晴は広島市内で講演会を行いました。「演題からPTSDという言葉が慎重に省かれていた」「こころの傷とこころの回復」のが特徴です。なぜ鑑定などしたことがない金吉晴が歌織容疑者をPTSD無罪と鑑定したのか?原爆PTSD研究などタッチしたことがない彼が突然原爆PTSDの調査に広島に乗り込んでくるのか?
2006年当時マスコミと金吉晴が隠したかったものは何か?突然積極的に活動を始めた金吉晴の真意はどこにあるのか?
2006年当時マスコミと金吉晴が隠したかったものは何か?突然積極的に活動を始めた金吉晴の真意はどこにあるのか?

(44)広島市と広島原爆放射線医科学研究所(原医研)と中国新聞と金吉晴と原爆PTSD
2002年に広島市と広島原爆放射線医科学研究所(原医研)は長崎大学医学部精神医学 教室の協力で原爆PTSDの調査をしましたが国は広島被爆者の精神面に援護するに足る障害 が生じているとは認定しませんでした。地方新聞中国新聞は2008年~2009年「PTSD専門家」の協力をえて再調査を開始すると報道しましたが、当然金吉晴である専門家の名前をなぜか報道しませんでした。中国新聞は何に遠慮しているのでしょうか?もちろん2006年に広島県内 6千人の医師に配布されたわたしの原爆PTSD論文に触れるものは広島原爆放射線医科学研究所(原医研)も含め誰もいません。広島市内にはもちろん国立総合大学 がありますが、なぜ2002年の調査を長崎大学が行い、再調査を戦争PTSDに言及したことなど一度もない金吉晴が行うのでしょう?
(43)歌織容疑者、土浦事件鑑定、岡山駅突飛ばし殺人事件
どの事件か知りませんが鑑定で精神障害で責任能力なしとされた被告を有罪とした高裁判決を最高裁は差し戻しました。今回歌織容疑者の鑑定は無視されたわけですが、次は土浦事件容疑者の鑑定を始めるそうです。岡山駅事件の容疑者はどうなるのでしょう?彼は震災被災者であり犯罪的いじめの被害者でもあります。犯罪と精神障害の関係は混乱を深めるばかりです。
(42)PTSDの権威(とはいえオリジナルな臨床研究業績はない)JSTSS金吉晴の目的
金吉晴がなぜ世間の反発覚悟で歌織容疑者を鑑定してPTSD無罪を主張したのか(もちろん光市の事件と違い加害者が若く美しく被害者がDV加害者だから加害者を憎みきれない人が多数いることは計算してでしょう)?金吉晴は昨年の高知での103回日本精神神経学会総会には出席せずPTSD演題 すら貧弱なものが2例/300例中しかありませんでした。今年は当然のようにPTSD関連のみで1シンポジウムを開き、彼が話すのは「原爆被爆者とPTSD」です。彼は私の2006年論文「東京大空襲被災と広島原子爆弾被爆の両方を経験し複雑性PTSDを呈した一例」(広島医学)の存在を知らないのでしょうか?PTSDの薬物療法に触れる「心的外傷体験を伴う解離性の幻覚妄想にパロキセチン単剤が著効した一例」がわたしの今年の演題ですが、日本PTSD学会(JSTSS)は世界最多の私のPTSD薬物療法報告論文を知らないかのように薬物療法の無効を宣言しました。そもそも私の私的な研究と違い政府が正式にPTSDの薬物療法の研究を任せていた研究機関はどこだったのでしょう?その機関は今何をしているのでしょう?バラバラに見える全ての事象がその一点に収斂してくるのです。もちろん何の成果もみられないうつ病対策も無関係ではありません。
(41)セレブ妻バラバラ事件歌織被告(DVでPTSD)と鑑定医金吉晴(JSTSS初代会長)
鑑定結果は無視され有罪となりましたが金吉晴の目的は十分に達成されたと思われます。世間の人は犯罪行為を犯した精神障害の病名 が統合失調症(最近は激減しました)、人格障害、発達障害、多重人格なら慣れていますが、PTSDで無罪という文脈には慣れていません。この点では私と金吉晴の意見に違いはあまりありません。比率ではごくわずかでも最近犯罪行為を犯す精神障害のほぼ全てが ヒステリー(PTSD、解離性障害、多重人格、発達障害、人格障害)でありうつ病のほぼ全てがPTSDでありうつ病は消滅したし全く異なる病(これは私の主張)ということです。しかし金吉晴の目的は被告の無罪を勝ち取るためでなく別のところにあると思われます。
(40)そもそも精神安定剤の基本的な使用法が マスターできていない日本の精神医療
三環系、ブチロフェノン系(ハロペリドール)という旧型抗うつ薬、抗精神病薬の時から必ず複数剤処方するという世界最低の薬物療法が慢性化していたわが国の精神医療において、この五年くらいでSSRI、SDAという新型が一気に発売され大混乱となっている。特に三十万人の入院患者への多量のハロペリドール処方は遅発性ジスキネジア(口周囲が勝手に動き出す)という神経障害を引き起こすのが確実とわかり、国と学会が臨床医 の尻を叩いたが何年たっても世界で日本だけ五割しか変換がなされていない。自分は元々単剤処方を貫いていた上に、ほとんどが統合失調症に似たPTSD患者である長期入院患者の特性とSDAがハロペリドールより複雑にPTSDに作用するという特性 をふまえ、この数年で百人の患者の九割以上の薬剤をSDAに変換した。