催眠術はかからなくてもいいと説明しているとたまにかかる、ミルトン・エリクソンの技法 | 精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・コロナ・第二次大戦・北朝鮮ロシア核・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

催眠術はかからなくてもいいと説明しているとたまにかかる、ミルトン・エリクソンの技法

 

 

日本精神神経学会の学会誌「精神神経学雑誌」

2023年8月号「巻頭言」

 

「精神障害(遺伝病脳病仮説、発達障害・うつ病・躁鬱病・統合失調症・人格障害)のバイオマーカー(遺伝子や脳に異常があるという証拠)は見つかりません」

 

「バイオマーカーが見つからないという精神医学の科学的脆弱性を代償するのは『無意識=心』の精神医学(力動精神医学)」

 

 

「心」に「無意識」という領域があり、それをつなぐのが「ラポール(交流)」という仮説。

 

 

 

アメリカがロボトミー(精神医学脳外科手術)まで行い(日本では禁止)、10年間の歳月(来年終了)と「4800億円」以上の巨費を投じて行った国家脳科学研究プロジェクト「ブレイン・イニシアチブ」。

 

「PTSD =脳病=うつ病」という仮定で行ったプロジェクトでついに精神障害のバイオマーカーもキュア(治療)方法も見つからない。

 

精神医学は「心=無意識」「ラポール」という仮説に戻るしか道はない。

 

 

 

 

「ラポール」を発見した

磁気術師のメスメル

 

 

「ラポール」を前提とする「催眠術」

 

「最後の催眠術師」(催眠術研究の完成者)(全ての人に催眠術をかけうる)ミルトン・エリクソン

 

 

 

 

第二次大戦戦場で欧米精神科医がバルビタール注射を使った催眠術を5千~1万人単位で施行した。

 

私はサイレース注射で延べ250回やってみた。

 

かかる時もあるし、かからないこともある。

しかし、「ラポール」の存在を確信するためには十分に役にたった。

 

「ラポール形成」プラス注射→催眠がかかる。

 

だから、催眠術の説明をする時に(精神障害=複雑性PTSDのみの治療において)「かかってもよし、かからなくてもよし」と言ってると、たまにかかるのである。

 

ミルトン・エリクソンの技法では、「絶対に実現可能な目標を示す」からである。

 

「かからなくてもいい」がそれである(絶対に実現可能)

 

 

 

「ラポール」形成を前提にした薬物治療

 

「中核トラウマ薬物強化受容療法」

 

 

新規向精神薬(SSRI・SDA)の真の薬理作用を発現させる。

 

 

「症状を消す」のではなく、「認知機能向上」により「症状を生み出す真の原因(中核トラウマ)」を認知させ、患者に「受容」させる。