≪ワンコインで晴耕雨読≫
第65回
「田村はまだか」
朝倉かすみ(著)
「第30回吉川英治文学新人賞」を受賞した全6話からなる連作短編集です。深夜の札幌ススキノ、小さなスナック・バー「チャオ!」で小学校のクラス会の3次会が始まります。40才になる男3人、女2人の元同級生が遠方から遅れてやってくる田村を待ちます。
小学6年生にして、生きるということの本質をずばりと言ってのけた田村。スナックのマスターの目線も交えつつ田村が登場するのを待つ間、同級生たちの胸に去来するのは、田村にまつわる思い出であり、その後の自分たちの思うようにならない人生であり、しかしながらこれから先の人生への期待でもあります。