背中に感じる熱と重み。
時々、聞こえる小さな声。
「堂島しゃん…」
「はぁ、」
むにゃむにゃと幸せそうに僕の背中でそう呟いた綴。
顔は見えないけどきっと気持ち悪い表情をしているのだろう。
「なんで僕が君を送っていかなきゃいけないんだろうね?」
ずるずると落ちかける彼女の体を背負い直し、そう聞いてみたけど、こんだけ酔ってちゃきっと話なんて聞いてないだろうな。
「…あのさ、」
薄暗い道。僕と綴しかいない。きっと誰も僕の話なんて聞いちゃいない。
「…好きだよ、ことは」
そう言って、ふと思い出した。
「…名前、嫌いだって言った」
少し不機嫌そうな声がすぐ後ろから聞こえる。
「あぁ、ごめん」
なんて、少しも悪いだなんて思ってないけど。
「…足立のバカ、」
そう言いつつ、ぴったりと僕の背中に張り付く綴。
なんだかそれが可笑しくて僕は綴にバレないように笑った。
25時の秘密。