いつものようにまた、帰り道出会った真月くん。
いつも通り、一緒に途中まで帰る。
しかし、いつもと違うのは遊馬の話が出てこないことだ。
「どうしたの?」
そわそわと落ち着き無い彼に聞いてみると、
「な、なんでもないです!」
首を横に思いきりふってそう言った。
「…くらっとするよ」
「え、」
ぼそり、と呟いたあたしに聞き返す真月くんだったが、
先ほど頭をふりすぎたせいでくらり、と身体が揺れる。
「わわぁ、」
「危ないよ」
ふらり、と車道に飛び出しそうになる彼の腕を掴む。
「ああぁ…!シリルさん!」
「ん?」
「ち、ちか…!」
ふらふらする彼を押さえつけるように、彼の腕を抱く。
…確かに近いけど。
「真月くんふらふらしてるから、」
「も、もう大丈夫ですから!」
離してください、と消えそうな声でそう言うので腕を離す。
…そうか、
「…クラスメイトに見られたら冷やかされちゃうもんね」
「え、いや、そう言うあれじゃなくて、違うんです!」
「…?なんかやっぱり今日の真月くん変だね」
あたしの言葉に彼は困ったように眉を下げたが、あたしの腕をつかんで顔を上げた。
「あの、」
「うん?」
「よ、よかれと思ってボクとデートしてください!」
「いいよ」
「え?」
「…え?」
デートに誘われた。
返事をすればいつかと同じように彼が聞き返してきた。
「あたしをデートに誘ってくれたんでしょう?」
「あ、はい」
「楽しみにしてる」
そう言って笑えば、彼も嬉しそうに笑った。
よかれがあたしにデートのお誘いです。