先週発売の Perfume の昨年の直角二等辺三角形ツアー・ファイナルを収録したDVDが
ちょっとした物議となっております。

アマゾンのカスタマー・レヴューではその映像編集について賛否両論がとびかっています。

「ライブ会場ではよく見えなかったから、DVDぐらい正面からの映像を多くして3人の振り付けが
 はっきり分かるように何故できん!しかもあーちゃんの面白トーク満載のMCをほぼカットとは
 何事じゃ!編集者のアホ!」という否定論。

「ステージ上の3人に向かって伸ばすファンの手が邪魔になってよく見えなかったり、カメラの
 手ぶれっぽい映像。メンバーの背後や頭上からのマルチアングルな映像。さらにはかなりの
「引き」の映像がちりばめられていたり、編集者によると意図的な素早いスイッチングによる場面
 展開攻撃。まるで当日あの現場の興奮を忠実に再現しようとする、果敢な冒険精神に満ちあふれた
 傑作だ!」という肯定論。

どれもこれも、こんな感じの暑苦しいコメントの数々です。

そのレヴュー数ときたら発売1週間を待たずして、前作の武道館ライブDVDに対する約1年分のコメント
数を早くも超えています。

もちろん私も早速購入しましたよ!

で、結論から先に言うと、「最高です!」

MIKIKO先生の振り付け!チーム・パフュームの照明、音響、舞台装置の素晴らしさ。何より、
肝心の3人の色んな表情が楽しめる、ライブな息遣いがものすごく伝わってくる編集なのです。

しかし、あらためて実感したのは、中田ヤスタカ大先生の楽曲の素晴らしさ!
ここ1年近くずーっと Perfume ばっか聞いていますが、いやあ飽きないですね。

メロディー・メーカーとしての才能が凄い!

今のJ-POP界で、「Baby Crusing Love」「マカロニ」や「願い」などのリリカルな曲と、「edge」
のようにその大部分をワンコード・ワンリフでおしきる曲という、両極端を変幻自在に、そして
あのクオリティーの高さで書ける人っていないんじゃないかなあ。

しかも歌詞も素晴らしいし。

スガシカオ大先生や桑田圭祐師匠などの大御所たちも思わず注目してしまうのは分かりますね。 


で、今回ご紹介する "edge" はWOWOWで放送された昨年5月の代々木でのヴァージョンでございます。

これもなかなか武道館ライブをさらに進化させたカッコイイものになっていますが、先週発売の
DVDに収録されているヴァージョンはこの映像×10倍ぐらい凄いのですよ!音楽・振り付け・照明
・特効そして3人のパフォーマンス、もはや世界最強レベルに達しています。

この1曲の映像観るだけでもこのDVD買う価値あり!




で、今回発売のDVDでは「マカロニ」~「SEVENTH HEAVEN」の流れがなんとも幸せでございます。

これも代々木の映像ね。サビの歌詞がいいよなあ~。天才だあ。



この曲、生バンドで演奏してみたいなあ~。
いやあ、すっかりあなどっていましたねえ。この人の凄さを。

昨夜までBSでやっていた「ソウル・ディープ」というBBC制作のソウル・ミュージックの
歴史を探るというドキュメントを観て再認識しました。メアリー・J・ブライジが嫉妬
するように天は二物も三物も与えてしまうことがあるのですねえ。
歌唱力に、作詞能力、そしてこのルックスにダンスまでできてしまうとは...

ビヨンセというと、どうしてもお笑いの「ネタ」としてしか聞けなかったのですが、
あらためて聞くとこの曲、もの凄いファンク・チューンですね。ベースがかっこいい!
まさに「ダ・ボム(da bomb)」って感じです。

デスティニーズ・チャイルドの頃から、私の敬愛するグレート・ドラマーの沼澤尚大先生
が常に年間ベスト・アルバムに選んでいたのが不思議だったのですが、いやあやっぱホンモノ
は違いますね。

後ろの演奏が「あてぶり(音源流して演奏しているふり)」の映像も結構ありますが、
それでも彼女の歌は毎回口パク無しで歌っています。上手い!

"Crazy in love / Beyonce"



渡辺直美がご本人の前でこのダンスを踊る映像もありますが割愛。全く似てないし...笑えない。


ご本人の目の前でモノマネするならこれぐらい似てないとね。



え~と、ちなみに向かって右側がエディー・マーフィーですよ...(親切心)


楽器演奏や絵画など、少しでもいわゆるお芸術に取り組んでみたことがある人ならご承知ですよね。
模倣は芸術の始まりだということを。

楽器演奏に関して言うと、やっぱ完コピできる人はやっぱ上手くなります。
大昔、ギターを弾き始めて2、3年のころ、同級生の中に地元でギターが相当上手い、と評判
だった子がいたのですが、彼がキッスの曲を演奏しているテープを聴いた時の衝撃と言ったら...
「なんでレコードと同じ演奏ができるんだろう!音色までそっくりじゃん!」

で、その彼、やっぱ近くの町の楽器屋でも有名だったみたいで、ある日、その楽器屋に遊びに
行き、ギターを弾かせもらいながら店長さんと話していたときにいわれた貴重なアドバイス。
30年以上たった今でも忘れないです。

「やっぱ君と彼の違いはさあ~、完コピできているか、そうじゃないかなんだよねえ~」

ちなみにその時はクラプトンのハイダウェイって曲を当時の自分としては「完全コピー」した
つもりで、しかもその選曲のマニアックさもひそかにアピール!みたいな意気込みで
相当練習してから試奏しに行った
のですがね。玉砕。


現代3大ギタリストの一人とされるジョン・メイヤーさん。彼も完コピできた人なんだろうなあ。

このスティーヴィー・レイヴォーンの曲や(しかもバックはホンモノのダブル・トラブルのお二人!)




このお遊びで弾いている感、出しまくりのこのヴァン・ヘイレンの曲の演奏も、やっぱ上手いよなあ。
ギターもちゃんとヴァン・ヘイレン・モデル使ってるし。上半身裸というのも芸が細かいなあ。




なんかビヨンセから話がずれましたね。
あけましておめでとうございます。

本年も、素敵な音楽とお笑いについての深い洞察(=妄想)に満ちた自己満足ブログを誰に向ける
わけでもなく、不定期にだらだらと書き連ねることをここに高らかに宣誓します!

で、一発目は前回がJ-ラップ(この名称でいいのか?)だったので、今回は本家本元で。

あんま詳しくないんですけど、いわゆるラップとしてレコード化され商業ベースに
乗ったものとして一番最初に世の中に認知されたのが今日のこの Sugarhill Gang & The Grandmaster Flashの"Rapper's Delight"らしいんですね。

4 :00 あたりから始まる、シックの「グッド・タイムズ」のベース・ラインを元ネタにしたトラック
でラッピング!やっぱカッコイイなあ~。

本家は80年ごろ?なんですかね。今日の映像は95年なので、おそらく想像するに「あの伝説のお方
(グリーンのスーツ姿のブラザー・コーンみたいなお方)が登場!」ってな感じのステージになっているようですが、
観客の盛り上がり方が半端ないです!

まさに観客参加型のHipーHopのライブで、「セイ・ホー! ホー!、セイ・ホー、ホー! ホー、ホー!」とか
「サムバディ・スクリーム!」などの色んな定番ネタの目白押し!

黒人文化に根ざしたものが、ラップの本来的な姿なんでしょうね。



とはいえ、黒人以外がラップするってこと自体がもはやすでに当たり前になっているわけでして、
ブラック・カルチャーがメインストリームのカルチャーにどんどん吸収されていく(=搾取されていく)というのが
ロックン・ロール(というかジャズからそうなのかも知れませんが)以来の悪しき伝統なんですね。

そんな意味もこめて、僕の大好きなB級映画「ウェディング・シンガー」のラストの有名なお婆ちゃん
のラッピング・シーンもご紹介。




しかし、本場の黒人がJ-ラップを見たらどう思うのかなあ?でも前回の Sold'Out も Zeebra とかも帰国子女だったりするからネイティブが聞いても違和感ないんですかねえ~。

ブラック・カルチャーへの憧れ=お笑い になってしまっていた「昭和」とはもはや時代の空気が違うのかなあ。

↓ ものすごい昭和ネタです。すいません。でも好きなんです。時代的に早過ぎた感がありますねえ。



何気に「セックス・マシーン」と「グッド・フット」が上手い具合にミックスされている...
JーPOPという大きな枠組みの中でのラップってどうなんでしょうかねえ?

「カッコイイ」と「笑える」の中間点に位置しているのではないでしょうか、というのが私の持論で
ありまして。いや、8:2で「笑える」だよなあ、実際には。

真剣にやっている皆様には申し訳ないのありますが、「所詮俺たち黒人じゃないし」というような
自己卑下
というか冷静な自己認識が必要かなと思うのです。
そんなこと言ったらロックもポップス、ジャズもみな同じなんですけどね。

音楽もPVもファッションも言葉遣いも、すべてアフリカン・アメリカンの創始者たちの真似っ子でどうもすいません、的な低姿勢が個人的にはしっくりくるんですけどね。

そういう意味では、スチャダラパーさんなどのような先行世代の人たちはものすごく共感を覚えたものです。マッチョ系でないというか、文系特有のひねくれ・屈折が基盤になっているような気がしたから。


で、彼らの一回り下の世代になるのかな?もう10年ぐらい前になりますかね、ドラゴンアッシュとかが凄い勢いがあったころの Jーラップ(ヒップ・ホップと呼んだほうがいいのかな?)には質的変化がおきていて、共通する姿勢(アティトュード)として「腐りきった(Jポップ)シーンに一石を投じる」とか「真実(=魂こめたホンモノの音楽)は俺たちの側にある」みたいな、オルタナとしての、アンチとしての立ち位置みたいなものがあったと思います。

しかし、10年たってみた今、残念ながら、かつて反体制的なものとして機能していたロックやパンクと同じ道をラップ(ヒップ・ホップ)も辿ってしまったのではないでしょうか?

ラップも、今ではただの音楽の一形態として十分に大衆化され、もはや当たり前なもの、さらには「お笑い」に近いところまで成り下がっている、いや昇格したのではないか、というのが私の持論でございます。


いわゆるそっち系の皆様が出演するテレビ東京の深夜番組「流派R」、一時期結構好きで毎週観てたんですよ。でも、僕の場合ちょっと屈折していて、茶化し半分というか、あたかもまるで新しいお笑い芸人を発掘するのにも似た期待感とともにその番組を観ていました。

「ヨー、ヨー、チェックディスアウッ、MC ○○、イン・ザ・流派R、みんな調子どう?」

みたいな自己紹介(口上)で始まる、自称「アーティスト」さんたちの「語り口」自体がすでに「カッコイイ」と「お笑い」の境界線上にあって非常に笑えました。

「MC」、「チェケラ」、「リスペクト」、「レペゼン ○○」、「リリック」、「バイブズ」さら
には「○○ イン・ザ(ダ)・ハウス」といった独自の言葉遣い自体もさらに「ネタ」感をかもし出しています。
 
 あえて言うなら「平成版・横浜銀蝿ワールド」・高級志向のヤンキー文化なのでしょうね。

 インタビューの内容も「今度の作品には俺たちが経験してきたストリートの真実をリリックにこめてみたんで、よかったらチェックしてくれ!」みたいな均質化された物言いがはびこっていましたねえ。「ストリート」って一体...ただの「商店街」じゃねえか、みたいなツッコミを誘引するコメント満載で笑わせてくれたものです。


 で、ずいぶん前置きが長くなってしまいましたが、そんな中でも8:2で笑える:カッコイイの
代表格といえばこの soul'd out しかいないでしょうね。

 この曲、「ウェカピポ」って Wake up! People! ってことで、「ホンモノの音楽の時代」が(彼らに
よって)到来したことを人々に告げる、覚醒の曲ということなんでしょう!テンポといいズブ・ズブな感じがなんともP-FUNK的で個人的に大好きですねえ。

 「汚い藤井隆」的なヴィジュアルについてどうのこうの言う前に、この圧倒的になラッピングのスキルは「カッコイイ(=笑える)」としかいい様がありません。



 品庄だな、藤井隆というより。

 なんと、この曲のライブ・テイクがあるとは!いやあ生ドラムに生ベース!
やっぱファンク好きなんだな、こいつら。トラックを作っているシンノスケ氏(キーボードの人)、
メロディメーカーとしてもなかなか優れていると思いますよ。



 ベラビリービン、ベラビリービン・ヨーセェールフ、ホー! って天才だな。
久々の更新。今回もドッキリ・ネタから。



 やっぱ東京のお笑いの人っていいなあ~。ナイツ、サンドウィッチマン、東京03、みんな素晴ら
しい。下積み時代の苦労がみんな実って確かな芸に結びついていますよね。尊敬。

 こういう映像に反応する自分は確実におっさんですねえ~。
浪花節だよ人生は。カツオ節だよ人生は。( by 加藤清志郎くん )


 下積みといえばこんな映像も。今から3年近く前の自動車の展示会での「ライブ」(=営業)。
「ポリリズム」によるブレイク前の映像です。

 しかも、この頃からすでに中田サウンドは一切の手抜きなしで、完璧なダンス・チューンに仕上
がっております。この映像からは伝わりにくいけれど、例のベース・サウンドもブリブリ全開!
ミニマルなフレーズのシークエンスだけで構成されているコード進行といい、まさにアイドルの
域を完全に超えた完璧なポップ・ソング
ではないでしょうか?時代が早すぎたのか?それとも
アミューズの宣伝力不足なのか?まったくこんな素晴らしい音世界にほとんどの人が注目していな
かったことが驚異です。

 オート・ショーの通りすがりのお客さんの前でも、そしてこんな狭いステージでも、彼女らはいつも
のようにひたむきに踊り、一生懸命、口パク、じゃなくて生歌成分が少なめのカラオケ演奏です。



 続けるって大事だなあ。反省。

 下積み特集その3。衝撃のグループ魂 in 「笑点」。
13年前の深夜放送で見たときに、そのセンスの素晴らしさに敬服して、周囲の人に勧めていたのです。その後あまりTVで見かけなくなったなあ... と思っていたら、クドカンもいまや超売れっ子脚本家だし、アベサダも個性派俳優としての地位を確立しているし。 あ、「バイトくん」は ...



 一部、おっかけファンらしき黄色い歓声も聞こえてきますが、基本的に高齢者が主流を占める
アウェーな舞台にも負けず、いつもながらの彼らのスタイルを貫いているのが素晴らしいです。
それでもずいぶん笑点向けにネタを上手い具合に練ってあるのが流石ですね。チャーザー村とか...

 次回はちゃんと音楽ネタにしよう。