【昭和30年12月号(小学館)裏表紙
/森永ドロップ】
以前お店で買い取った、小学館の幼児教育絵雑誌が3冊だけ2冊ずつあったので、資料として保存していました。
Twitterに投稿した、昭和30年の10月号と12月号の裏表紙の雑誌の表紙です。
昭和30年発行の裏表紙の広告が、森永製菓のだけ抜群にpop art でした。
ボロボロな状態でも、裏表紙のみで買い取った絵雑誌です。
「おいしいね」「おいしいよ」
"ドロップ食べた~~~~い!"と思わせる広告の絵です。
1950年~1960年代の世界のグラフィックアートの流れを汲み、自由な発想で創作され、先練されたポップで洒落た魅力にあふれています。
現代の広告やパッケージは、商品の訴求が直接的な写真が多く、やや面白味に欠けていて、ふつうで画一的なものもたくさんあります。
イメージ戦略はリスクがあるので、直接的に商品を訴えたほうが、即、売上に反映されるのでしょう。
1950年代~1960年代は写真技術の発展以前、アイデアとユーモアで勝負した、路上の芸術"ポスター"の黄金期でした。
デザイナーやイラストレーターが、競い合って技術や表現力を高め、満ち溢れたエネルギーを力いっぱい発揮できた時代です。
デザイナーやイラストレーターの手の温もりが感じられ、平成のこの時代に見ると、あたたかくも鮮烈な印象の広告です。
昭和30年10月号
「とれたよ16ぴき キャラメルのかずだよ」のコピー。
11月号雪印乳業の広告、ふつうな広告。
比較すると、森永製菓のpop art でお洒落度が高いことがわかります。
【明治乳業の粉ミルクの広告】
【森永製菓の粉ミルクの広告】
他の広告は銀行ばかり。子どもの学費のために貯蓄せぇ、お金を増やせぇの広告。
あとは三菱鉛筆と京都の日本新薬サントニン(虫下し薬)が定期広告。
11月号の巻頭見開きページは、新宿駅近くのレストラン。新宿駅周辺の現代の面影は……、少しあるかな?
12月号はサンタクロース🎅。ソリにのっている人形が、レトロ感たっぷりで可愛い。大写しで見たかったなぁ。
"おともだちのえ"のページ。
東京都のパトリシア・エリコ・コネリイちゃんの絵が好き。
童画と言われる甘ったらしい絵が多いなか、上質な初山滋画伯の絵は、キラリと光っています。
海外のポスターにも引けをとらない、子どもがう~んと楽しめる森永製菓の広告…の巻でした。