桜~春~『コドモノクニ』名作選 | B/RABBITS(ビーラビッツ)のおしゃべり・絵本

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絵本専門古本屋(児童書)を13年経営していました。手と腕を壊して休業中です。この機会にもう一度、絵本や好きな本を見つめ直します。お店で"おしゃべり"していたように、本以外についても"しゃべる"ように書いています。

桜の開花情報が次々に煽るように報道され、例年の風物とはいえ浮き足だってきました。

桜は雅趣そのもの。
清澄な心持ちで、粋に見たいものです。

3/10のblogでチラリと『コドモノクニ名作選  春』を載せましたが、今回はたっぷり1920年~1930年代の春気分に浸りたいと思います。

マシュット婦人画報社 2011年3/18発行
<1925年4月号表紙「春をよろこぶ子供」 絵/武井武雄>

※『コドモノクニ』は1922年(大正11年)に創刊。1944年(昭和19年)の22年間にわたり、287冊刊行された絵雑誌。(婦人画報社の前身である)東京社。


<1933年4月号表紙  無題  絵/川上四郎>



<1925年4月号裏表紙 「花の精」絵/一木じゅん>

*解説にかえて…より*
1920年代は、人々の生活の中に欧米文化が浸透し、都市文化が大きく変わりはじめた時で大正デマクラシー、モダニズム、リベラリズムなどの新しい潮流が生まれた。

同時に児童文化ルネッサンス思潮もあり、大正3年『子供之友』創刊、大正7年『赤い鳥』、大正8年『金の舟』『おとぎの世界』、大正9年『童話』と次々に児童雑誌が創刊。

こうした風潮のピークに創刊された『コドモノクニ』。「絵」を重視し、文字のない絵だけの作品が多いことが特徴。

最も魅力的な特徴は執筆陣の多彩さ。

真の芸術に触れさせることが理念。
絵画、文学、音楽という芸術の三要素を、情操教育の基本に置いて編集。

経営者であり編集長の鷹見久太郎は、当時の各界のトップアーティストたちを一挙に『コドモノクニ』に集めた 。

理念は終刊まで受け継がれ、ジャンル、世代、性別を超えた芸術家たちが才能を競い、才能を磨く場所になる。

日本の美術史、文学史、音楽史に名前を連ねるアーティストたちが綺羅星のような作品を遺すことになった。


<1939年4月号「こくばんふきのおはなし」(子供の空想)文/与田凖一 絵/初山滋>



<1929年3月号「りんご」詩/北原白秋 絵/初山滋 曲/中山晋平>



<1936年4月号「アンヨノバシテ」絵/初山滋>



<1932年4月号「花祭り」絵/鈴木信太郎>



<1928年4月号「遊動円木」絵/川上四郎>



<1923年4月号「カサウ行列」絵/本田庄太郎>



<1930年4月号「動物ノオ花見」絵/深澤省三>



<1931年4月号「花の下」絵/東山新吉(魁夷)>



<1934年3月号「食堂」絵/福田新生>



<1932年4月号「四月の散歩」絵/古賀春江>



<1928年4月号「シーソー」絵/岡本帰一>



<1922年5月号「はるのかね」詩・絵/竹久夢二>

どの絵からも、さんざめく春の喜びや、画家のエネルギーが発散されています。

率直な明るさと瑞々しい絵や、画期的で洗練された、画家独特の味わいを表現している絵などが盛りだくさん。

この時代の人々の心の豊かさや、幼い心を大切に扱い、小さな人たちに心を寄せる思いなどを感じます。

…と、ここまで書いて寝落ちしてしまいました。
扁桃腺が腫れて、((〃´д`〃))熱がありそうな感じに。
20年以上ぶりに持病が復活か。
2年に1度、40゚の熱がでちゃう。

それでは、このへんで…。