オフビート、オンビート。 | 新津章夫 Official Blog 《迷宮の森》

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謎に満ちた迷宮のギタリスト、新津章夫のオフィシャル・ブログ。迷宮の森 《Forest in maze》

たぶんウチの近辺だけじゃあないと思うんだけど、我が町(ミラノ近郊)にはいくつかマーチングバンドがあって、お祭りの時などはにぎやかに「聖者の行進」なんかを演奏しながら道を練り歩くわけです。一方、お葬式のときには出棺もとの家から教会まで悲しげな音色を奏でながら行列したりと、それなりに需要があるようで、ま、正直けしてうまくもないんだけど、先日はインテル対ナポリの試合に呼ばれてサンシーロでも演奏したというから驚いたり…。

この中に娘の体操教室のメンバーが親子4人で参加していて、今日は近隣の町のマーチングバンド3隊と演奏会があるので聞きにこないかと誘われたので行ってきました。

実は僕(新津隆夫)は中学時代は体育会系はバレーボール、文科系はブラスバンド部に所属していた。ブラバンの憧れ、上野にある文化会館の大ホールで演奏したこともある。というわけで、行進ではなくコンサート形式のブラバンを聞きに行くのは楽しみではあった。

ブラバンの基本は行進曲であります。とはいえ、マーチばかりだとあきるだろうからって、ブルースブラザースでも有名になった「エヴリバディ・ニード・サムバディ」とかストーンズの「黒く塗れ」なんかも演奏したわけですが、これが見事にオンビート、つまり頭打ちなのであります。

この2曲はツービートだから(たけしじゃない)たしかにマーチに取り入れやすくて、頭打ちでもおかしくないけど、オリジナルの演奏はもちろんツービートでもオフビートでリズムとってますよね。

で、思い出したのが谷啓さんがテレビのインタビューで言っていた「戦後、アメリカからジャズが伝わって来たときに驚いたのが、オフビートなのよ。それまでの洋楽はドイツとかイタリアのオンビートの曲ばかりだったので、オフビートのジャズって、なんか悪っぽくてね、カッコ良かったんですよ」とのお言葉。

まぁ、ジャズは元々が黒人の音楽だからオフビートが基本で、逆に独伊は土着の音楽の歴史からもオンビートが根付いている。

昔(昭和の時代)はビートルズなんかを爺ちゃん婆ちゃんに聞かせると1拍目に手拍子を打ってましたよ。まるっきり民謡扱いのオンビート。♪月が出た出た、月が出たって感じで「抱きしめたい」。

繰り返しますが、マーチングバンドだから仕方がないんですけど、ロックやR&Bをオンビートで演奏して、イタリア人も頭打ちで手拍子しちゃう。 僕はブラバンですから行進曲は好きです。しかし、オフビートの曲をあえてオンビートで演奏するってのは…。

たぶん、マーチ云々以前に、谷啓さんの話じゃないけど、ドイツ人とかイタリア人の身体には、オンビートが宿っているんじゃあないかね、な~んて思った次第。

というところで、新津章夫の楽曲を見てみますと、ううむ、オンビートが多いですね。バンドやっていた時は、ジャズ・ギタリストだったんですよ、新津章夫。しかし、名曲「リオン」も「未来永劫」も「天気雨」も、まぁ、彼の場合はほとんどリズム隊ってのはないのですが、拍子でいうとオンビート。やはりドイツに傾倒していた結果でしょうかね。